コーヒーをもっと趣味に

イスタンブルのおすすめカフェ&コーヒー店③【カドゥキョイ・ユスキュダル】

イスタンブルのおすすめカフェ&コーヒー店③【カドゥキョイ・ユスキュダル】

イスタンブルはボスポラス海峡を挟んで、西のヨーロッパ側(Trakya:トラクヤ)と、東のアジア側(Anadolu:アナドル)に分かれています。多くの方は西側に行かれるかと思います。しかし東側は観光客が少ないので、トルコの庶民感覚を体感することができます。

今回はその東側、イスタンブル市のKadıköy(カドゥキョイ地区)と、隣接するÜsküdar(ユスキュダル地区)のカフェやコーヒー店をご紹介していきます。(地図の青い地域)

【Kadıköy:カドゥキョイ】アナドル側随一のコーヒー街へ行こう

イスタンブル東側随一の繁華街のKadıköy(カドゥキョイ)。この街にある商店街は、多くのお店と人々で賑わっています。そしてこの商店街は、東側きってのカフヴェハーネ(喫茶店)が集まっている一帯でもあるのです。

Kadıköyまでのルート

西側からKadıköyへの最短ルートは、Marmamaray(マルマライ:海峡横断鉄道)、あるいはMetrobüs(メトロビュス:BRT、専用レーン走行バス)を使ったルートです。

マルマライではAyrılık Çeşmesi(アイルルク・チェスメスィ駅)で降りて、メトロM4線でKadıköy(カドゥキョイ駅)へ行ってください。

メトロビュスではUzunçayır(ウズンチャユル駅)で降りて、メトロM4線のÜnalan(ユナラン駅)へ行きます。そこからM4線で同じくKadıköy駅へ行きます。

一方で、観光を楽しみたいという方は、船で行くルートもお勧めです。時間はかかりますが、街並みを船から眺めることができます。行き先はKadıköy(カドゥキョイ)とTuryol(トゥルヨル)が最も近く、海沿いを散歩されるのであればHaydarpaşa行(ハイダルパシャ)もお勧めです。

Fazıl Bey’in Türk Kahvesi:老舗×親切なカフヴェハーネ

Kadıköy地区の中でも群を抜いて有名なカフヴェハーネが、このFazıl Bey’in Türk Kahvesi(ファズル・ベイン・テュルク・カフヴェスィ)です。和訳すると「ファズルさんのトルココーヒー」という意味で、1923年創業の老舗カフヴェハーネです。

カフヴェハーネ密集地帯の中に佇んでいるFazıl Bey、お店はとても狭くて込んでいることが多いです。

お店の隅には、山積みの生豆、ロースター、大型ミル。この小さなお店にどれだけ多くのお客さんが来るのか物語っています。

こちらがトルココーヒー、特にアレンジはありません。このお店、実は席にメニュー表が出てきません。メニューはコーヒーやチャイなど非常にシンプルで、余計なものはありません。

余計なメニューがない老舗のお店、店主は頑固だろうなと思いきや……実はとても優しい店主です。撮影許可に対して“Tabii.(もちろん。)”と言うどころか、「写真撮ってやろうか?」と言ってくれるほどです。

またこのFazıl Beyではコーヒー粉も売っています。価格は安めです。しかも日本へ持ち帰ると店主に言ったところ、粉が漏れ落ちないようにナイロン袋で密封してくれました。些細な所にも優しさと親しみがあります。

東側に行かれたときは、ぜひ訪れてほしいカフヴェハーネです。

  • 営業時間:8:00~24:00(定休日なし)

カフヴェハーネ密集地帯:Serasker Cd.

この周辺はカフヴェハーネがとにかく多く、特にFazıl Beyのある通りSerasker Cd.(セラスケル・カッデスィ)の一角では、一周見渡すだけでも6件ほどのカフヴェハーネが見えます。この一角を写した写真にZeynel Bey・Yavuz Bey・Qahwahと3件もカフヴェハーネが写っていることから、察していただけるでしょう(笑)。この一角は、先ほど挙げた地図の濃い赤色の箇所です。

各々のお店で客層やメニューが違ったりするところが、この一角の面白いところでもあります。コーヒーは一杯6~8TLと高くはないため、カフヴェハーネを隣から隣へとハシゴしてみるのも楽しい場所です。

Kurukahvesi Mehmet Efendi(Kadıköy店)

Kurukahvesi Mehmet Efendi(クルカフヴェジ・メフメット・エフェンディ)と言えば、トルコのどのスーパーにも置いてあるコーヒー粉の有名なお店で、本店はEminönü(エミニョニュ)にあります。

しかしその支店が、このKadıköyにあるのです。お店は地図上の緑のポイントにあります。目の前には大通りとバスターミナルが面しています。

もしアジア側に宿泊しているのであれば、ヨーロッパ側の本店よりも簡単に行くことができます。有名とはいえ高くはないので、トルココーヒーを家でも淹れたいという方は購入を考えてみてはいかがでしょうか。

Okkalı Kahve 【Kadıköy:カドゥキョイ】

カフヴェハーネは、日本でいうところの純喫茶。どこか入るのを躊躇ってしまうかもしれません。そんな方にお勧めのカフヴェハーネが、このOkkalı Kahve(オッカル・カフヴェ)です。

このカフェの特徴は2つあります。1つはカジュアルなカフヴェハーネであること。躊躇うことなく気軽に入店できます。そして2つ目が、何と言ってもトルココーヒーのバリエーションの多さです。2つ目については後ほど詳しくお話ししましょう。

お店までのルート

メトロM4線Kadıköy駅からトラムの進行方向に沿って、Söğütlü Çeşme Cd.(ソェートゥリュ・チェシュメ・カッデスィ)という坂道の通りを上っていきます。

そして坂道を上る途中、左手に歩行者天国の通りHalitağa Cd.(ハリタァ・カッデスィ)があるので、その通りを300mほど進みます。すると右手にOkkalı Kahveが見えてきます。

バリエーションの多さ

そして先程お話ししたメニューの多さがこちら。トルココーヒーだけで15種類以上もあるのです。中にはYandan çarklı(外輪船)やTatar Kahvesi(タタールのコーヒー)といった、面白い名前のコーヒーもあります。

そして、トルココーヒーは取っ手のない湯呑みで出てきます。ちなみにこれはKakuleli Kahve(カクレリ・カフヴェ)、カルダモンを加えて煮出したコーヒーです。このコーヒーは爽やかさがあり、そして冬場は身体が温まるのでお勧めです。

トルココーヒーを飲みたいけど、おじさんたちが集う場所には行きづらい……という方は、一度Okkalı kahveに行ってみてください。入りやすいカジュアルさとバリエーションは、きっとトルココーヒーの楽しさを教えてくれます。

Payedar kahve【Üsküdar:ユスキュダル】

マルマライ(Marmaray:海峡横断鉄道)に乗ってアジア側で最初の駅を降りたら、そこがÜsküdar(ユスキュダル)です。乙女の塔(Kız Kulesi)が近い以外これといった観光地はないので、訪れる方が少ないでしょう。しかしここに隠れたお勧めのお店があります。それがPayedar Kahve(パイェダル)です。

お店までのルート

お店はマルマライのÜsküdar(ユスキュダル駅)のすぐ近くです。しかし意外と見つからないのがこのお店。駅を出て北側にはMihrimah Sultan Cami(ミフリマー・スルタン・ジャーミー)というモスク(イスラーム教の寺院)があります。

そのモスクの横の路地を歩いていきます。

路地を進むと、二手に分かれ道がありますが、この正面の建物がPayedar Kahveです。入り口は左手の道に見える看板の所にあります。

庶民のカフヴェハーネ

お店の中は幾何学文様や植物で装飾された、伝統的なトルコらしい内装です。天井のランプは、トルコの象徴チューリップ型をしています。

そしてこちらがメニューです。観光客が来ない地元のカフェなので、メニューはトルコ語のみです。幾つか訳してみると、
・Türk Kahvesi(テュルク・カフヴェスィ:通常のトルココーヒー)
・Dalma Sakızlı(ダルマ・サクズル:マスティックガム入り)
・Sütlü(スィトゥリュ:牛乳)
・Osmanlı(オスマンル:様々な物が混ざっています)
・Dibek(石臼で挽いたコーヒー)
・Menengiç(メネンギチ:同名の植物の種子を使った代用コーヒー)

といったところです。他にもŞerbet(シェルベット:果物のシロップを薄めた甘い飲み物)Çay(チャイ:紅茶)もあります。

そしてこちらがコーヒーです。奥にあるのは店名を冠した自家製Payedar Şerbeti(パイェダル・シェルベット)、おまけで付いてきます。甘くて華やかで美味しいシェルベットです。そしてこの写真のコーヒーとおまけのシェルベット、あわせてたったの7TLです。

また、チャイは値が張りますが、銅製のチャイダンルック(二段重ねのポット)での提供も承っています。このPayedar Kahveは、エスプレッソなど西洋的なメニューはなく、伝統的なトルコの飲み物を、観光客のいない環境で楽しむことができます。そういう意味では、最もトルコの喫茶文化を体感できるカフヴェハーネでもあります。

ディープなトルコを体験したい方、ぜひ行ってみてください。

観光客が少ない=トルコらしさを体験できる

イスタンブルの観光地は多くがヨーロッパ側にあるため、アジア側は観光客が少ない、いわば穴場なのです。それじゃつまり、トルコの現地社会を体感したいのであれば、観光客が少ないアジア側がお勧めということでもあります。

なかなか旅行慣れしている人でなければ行き難い場所かもしれません。しかしそこには現地住民が通うカフヴェハーネがあり、トルコの喫茶文化を肌で感じられるスポットでもあるのです。

About the Author

汐井有

モットーは専門化したコーヒーについて、詳細を伝えつつ噛み砕いた説明で興味を持ってもらうこと。 専門的な記事と解りやすい記事の両方を書こうと思っています。