コーヒーマイスターは、コーヒーを扱うプロとして認められた資格です。しかし、実際にどのような資格なのかをご存知の方は少ないのではないでしょうか。上級レベルである「アドバンスドコーヒーマイスター」とともに見ていきましょう。
コーヒーのサービスマンとして
コーヒーマイスターは、日本スペシャルティコーヒー協会より認定される、公式の認定資格です。コーヒーに携わる職業の中でも「サービスマン」としての知識に重きをおいた認定資格です。お客様に対して、正しいコーヒーのサービスを提供するために必要な知識と技術の習得を目指し、試験が行われます。
コーヒーマイスター取得までの流れ
コーヒーマイスター取得のためには、公式ホームページ(http://www.scaj.org/)より申し込みを行い、受験予約ができたら専用テキストが送付されますのでそれを基に約3ヶ月自宅で学習することになります。
その後、試験前に実技演習を受講します。実技演習は、座学による勉強とカッピング(味判別テスト)など、実践的な内容になっています。
コーヒーマイスターの在り方
コーヒーマイスターになり、コーヒーサービスの提供ができるようになるためには、広い分野での知識が必要になってきます。歴史ひとつとっても奥深いコーヒーですから、様々な背景を知っておかなくてはなりません。
歴史・経済・美味しいコーヒーの淹れ方を知る
コーヒーマイスターとしてどうあるべきか、という立場に理解はもとより、コーヒーとカフェの歴史、生豆の見分け方、取引の仕組みや焙煎による成分の変化まで、一貫した知識を得ていかなくてはなりません。
その上で、美味しいコーヒーを淹れるための基本技術や保存方法についても学ぶ必要があります。コーヒーのプロフェッショナルとして、コーヒーに関わるあらゆる情報と技術を身につけるからこそ、よりコーヒーを楽しんでもらえるサービスができる、というわけですね。
コーヒーマイスターになるために
演習を受講した後、認定試験を受け合格基準である60点(100点満点中)に到達することで、見事コーヒーマイスター取得となります。認定試験は全問記述式となっており、合格率は80%程度と発表されています。
高めの合格率設定がなされていますので、専用テキストでしっかり勉強することで比較的簡単に合格できるのではないでしょうか。
コーヒーマイスターとしての条件
日本スペシャルティコーヒー協会公認のコーヒーマイスターには、いくつかの条件があります。SCAJの会員であることはもちろん、約3ヶ月間の勉強期間と4万円近い受講料を経ての認定、資格取得後からの3年ごとの更新手続きが必要になります。
繊細かつ時代背景とともにあるコーヒーですから、資格を取ってしまえばそれでOK、というわけにはいきません。
さらに上の資格!アドバンスドコーヒーマイスター
コーヒーマイスターの資格を取ると、更に上のレベルである「アドバンスドコーヒーマイスター」の受験資格が得られます。アドバンスドコーヒーマイスターの資格を得るためには、3つの講義と1つの実技演習の受講が必須です。
コーヒーのプロフェッショナルとして、進化・発展の著しいコーヒー業界の世界事情への理解も深めていかなくてはなりません。
産業的知識とスキルアップ
コーヒーの新しい情報や研究結果、経済的事情、高度な技術を要するのが、アドバンスドコーヒーマイスターです。そのため、講座としてはコーヒー団体への理解に加え、科学的な(健康面への影響など)分野もより深く理解していかなくてはなりません。また、流動的なコーヒー産業についても学んでいく必要があります。
実習面では「焙煎」「抽出」「カッピング」のいづれかより選択し受講することになります。より高い技術とコーヒー業界への敏感さを持ってコーヒーサービスを行っていく、それがアドバンスドコーヒーマイスターなのです。
コーヒーの美味しさをさらに引き出すのがコーヒーマイスター
コーヒーマイスターは、コーヒーサービスに関わる人にとってひとつの線引きとも言える資格です。「より美味しくコーヒーを楽しんでもらいたい」「コーヒーについてもっと詳しくなりたい」そういった意識を持っている方、まずは挑戦してみてはいかがでしょうか。
コーヒーマイスターとは、知識とサービスの提供をしていくだけに収まらず、コーヒーのさらなる奥深い世界を見ることのできる“コーヒーの登竜門”です。資格を得ることで、いい意味でコーヒーの深みにはまっていってしまうかもしれませんね。