近年、多くのカフェで見かけるようになった「イルガチェフェ」という名前のコーヒー。知人とコーヒーの話をしているときにも話題に上がることもあるかもしれません。
しかし「詳しく知らないし、今さら聞くこともできない。」や「今後のために知っておきたい。」という方、意外と多いのではないでしょうか?
そこで今回はイルガチェフェ全体についてお話しさせていただこうかと思います。
必ず抑えたいイルガチェフェの4つのコト
イルガチェフェで必ず知っておきたいことは以下の4つです。
- イルガチェフェはエチオピアの「地域」
- 「華やかでフルーティー」な酸味と香りが特徴
- イルガチェフェの中にも「多くの種類がある」こと
- 「スペシャルティ・コーヒー」の旗手的存在
この4つの事項を前提としておいてください。イルガチェフェについては、この4事項の延長線上で考えると、おおむね理解することができるでしょう。特に、2番目の酸味と特徴については、話題で上がることが多いので注目ポイントです!
そして今回はこの4つを中心にお話しさせていただきます。
イルガチェフェは、どこで生産される?
イルガチェフェ≠ブランド名
イルガチェフェという名前は何なのだろうか。気になったことはありませんか?
時々キリマンジャロやエメラルドマウンテンのような、ブランド名と思っている方がいますが、それは間違いなのです。
実はイルガチェフェというのは地域です。日本でいうところの「郡」に相当する地域で、意外と狭い地域なのです。またイルガチェフェは、現地語で「湿地とその草原」という意味です。
イルガチェフェ≠エチオピア
イルガチェフェはエチオピアで生産されていることは、よく知られています。しかし気を付けて頂きたい点は、「エチオピア産のコーヒー豆全てがイルガチェフェではない」ということです。
先述のとおりイルガチェフェは、エチオピア国内の地域の一つです。そのためイルガチェフェ以外の地域で産出されるコーヒー豆は、エチオピア国内であってもイルガチェフェではありません。
またエチオピアではイルガチェフェ以外にも、有名な「モカ」も生産しています。つまりエチオピア内では様々なコーヒー豆が生産されていると考えたほうが良いでしょう。
イルガチェフェの特徴とは?
そもそもの”酸味”とは?
ここ数年で耳にする機会が一気に増えた、コーヒーの「酸味」という言葉。よく聞く反面、なかなか解りづらい要素でもあります。
酸味でも様々な種類がありますが、基本的にはキュッと締まりのある心地よい刺激で、グレープフルーツやトロピカルな感じがします。
心地よい刺激=酸味
気を付けていただきたい点は「心地よい刺激」という点です。コーヒーの抽出に失敗すると「気持ち悪い刺激」を感じることがありますが、それは「雑味」です。
雑味は口にしつこく残る刺激で、酸味はスッと消えるか心地よい余韻となるので、美味しいコーヒーを飲むと一発で解ります。
イルガチェフェの酸味とは?
ではイルガチェフェの酸味とはどのようなものでしょうか。
イルガチェフェは一般的に「華やかでシトラス系のフルーティーさ」と例えられることが多いです。イメージとしては、コーヒーにグレープフルーツのフレーバーを加えたものを想像すると良いかもしれません。
今まで苦くて深い味のコーヒーばかり飲んでいた方は、衝撃を受けることが多いくらい明るいです。
“イルガチェフェ”は一つじゃない!
農園が異なれば味も異なる
イルガチェフェは一つではないとは、どういうことでしょうか?
それは「イルガチェフェが地域である」ということから解るように、同じイルガチェフェ地域の中でも、コーヒー農園ごとにコーヒーの味が異なるということです。
お米に例えると、同じ地域のお米でも稲の品種が異なれば味が異なるような感じです。
1. 精製方法でも味が変わる
コーヒーは果実から豆を取り出す「精製」を必ず行います。
そしてコーヒー豆全てに言えることですが、どのような方法で精製するかによって味がまた異なります。
エチオピアでしたら「ナチュラル」と「ウォッシュト」の二つが主流ですので、比べてみるのも良いかもしれません。農園による差が存在しますが、全体的にウォッシュトはナチュラルに比べて柔らかい傾向にあります。
いろいろな種類のイルガチェフェを知りたい方
- いろいろな種類のイルガチェフェを知りたい方
「Coffeemeccaタグ:イルガチェフェ」【リンク】からご覧ください。 - ナチュラルのイルガチェフェを知りたい方
こちらの記事【リンク】をご参照ください。
なぜイルガチェフェが有名なのか?
イルガチェフェはここ数年の間で、一気に知名度を上げました。その理由はなぜでしょうか?
それは冒頭でお話しした「スペシャルティ・コーヒーの旗手的存在」であるからです。そして旗手になりえた理由は主に二つあります。
堀口珈琲が追い続けたコーヒー
今日のコーヒー豆を語るにおいて欠かせない存在が「堀口珈琲」の存在です。オーナーの堀口さんはスペシャルティ・コーヒー業界の第一人者です。
そして堀口さんが長年こだわっているコーヒー豆がイルガチェフェです。そのためスペシャルティ・コーヒーの広がりと一緒に、イルガチェフェが日本で一躍有名になったのです。
スペシャルティ・コーヒーに合ったコーヒー豆
スペシャルティ・コーヒーの流れには大きな特徴があります。それは従来の「苦いだけのコーヒーからの脱却」という点です。
一昔前までコーヒーは苦い飲み物と考えられていたものが、近年では酸味に代表される様々な味がある前提で語られるようになりました。その流れにイルガチェフェの特徴がピッタリだったのです。
つまり「酸味・華やかさ・フローラル」などと表現されるイルガチェフェは、従来の苦いだけのコーヒーとは対極を成す存在ともいえます。これが人気の秘密といえるでしょう。
イルガチェフェとは? 意味と特徴を知ろう。まとめ
今回はイルガチェフェで知っておきたい4点について、詳しくお話しさせていただきました。
コーヒーは味わう飲み物ですから、この記事の知識を知っているだけでは勿体ないです。ぜひ一度カフェでイルガチェフェを飲んでいただきたいと思います。
頭で覚えるより実際に体験したほうが、イルガチェフェをより良く知ることができます。