皆さんは「コピ・ルアク」という名のコーヒー豆をご存知でしょうか?映画『最高の人生の見つけ方』や『かもめ食堂』でも登場しているコーヒーです。カフェで飲むと一杯2,000円以上することもある、インドネシアの超高級コーヒーです。
コピ・ルアク 今回の飲み方
ペーパードリップ
- 使用器具:コーノ式名門ドリッパー
- 豆の分量:30g(二人分)
- 挽き具合:中挽き
- 抽出温度:85度
コピ・ルアクとは?
コピ・ルアクが高級な理由は単純で、希少性がとても高いからです。「コピ」はコーヒーを、「ルアク」というのはジャコウネコという動物を意味しています。
ジャコウネコは好んでコーヒーの実を食します。実は胃腸で消化されていきますが、固い豆は消化されずに排泄されます。ご存知の方もいるかもしれませんが、実は「コピ・ルアク」というコーヒーは、ジャコウネコの排泄物の中から取り出したコーヒー豆なんです!
幻というより珍味
初めて知った方にとっては、かなりの衝撃的なコーヒー豆でしょう。そもそも「何故そんなコーヒー豆を抽出して飲もうと思ったの!?」と思う方も多いかもしれません。
実は、他のコーヒー豆には持っていない、病み付きになる特徴があるのです。ジャコウネコが食べたコーヒー豆は、消化されず腸内で発酵されます。この腸内発酵により生まれる、複雑で独特な風味が好きな方にはたまらないのです。
まさにカラスミやトリュフのような高級珍味です。
複雑怪奇で奥深い風味
コピ・ルアクの風味を表現するのは難しく、「非常に複雑」としか表現されていない場合が多く見られます。実際に、複雑すぎて記事を書くにあたって非常に言葉の選び方に迷うコーヒー豆です。
普通のコーヒー豆のような華やかな香りとは違い、バニラのようで意外と拒否反応を示すような臭さはありません。
風味に関しては、口に含んだ瞬間、ふわっとバニラのような風味が包み込みます。また、ロブスタ種のため、酸味は弱く苦味が強い傾向で、少し野性っぽい感覚がします。さらに、独特の甘みを持ち非常に奥深さのある味です。
驚くことは、排泄物という感覚が全くないことです。奥深さは決してモワっとした嫌な風味ではなく、滑らかな舌触りで柔らかな余韻が少し残る程度です。
「高級=美味しい」とは限らない
コピ・ルアクはブルーマウンテンを凌ぐほど高価で取引されています。しかし気を付けてほしいのは、高価だからと言って美味しいとは限らないことです。
コピ・ルアクの場合、ジャコウネコの排泄物からしか採集できないという希少性が、価格の高騰へとつながっています。実際、コピ・ルアクの複雑な風味に魅了される人がいる一方で、抵抗感を感じたり美味しいとは思えない方もいるようです。
コピ・ルアクと似たコーヒー豆
コピ・ルアクのように動物の排泄物から取り出したコーヒー豆は、意外にも他の国にも存在します。
例えば、フィリピンでも同様にジャコウネコの排泄物から採取した「カペ・アラミド」が存在します。またタイではゾウの排泄物から、そして最近スイーツ王国として人気の台湾でも、台湾サルの排泄物から得られるサルコーヒーがあります。
幻のコーヒー「コピ・ルアク」まとめ
希少性ゆえに滅多に手にする可能性がないため、もし手に入れる機会があれば一度飲んでみてください。お口に合うかはわかりませんが、複雑な風味は一度飲んだら忘れられない味です。
飲むにはなかなか勇気が必要だと思いますが、飲んで損はしないコーヒーなので、ぜひ一度飲んでみてください!
豆の情報
- 名称:コピ・ルアク
- 産出国:インドネシア・バリ島
- 焙煎:中深煎り
- オススメの飲み方:ペーパードリップ