ロブスタの、しかも浅煎りのものをストレートで飲んだことはあるでしょうか?タイトルの通り、麦茶のような風味がするとても面白い風味がするのです。そこで今回は、ロブスタで有名なジャワ島の「ジャバロブ」を、シナモンローストで仕上げたものをご紹介したいと思います。
「ジャバロブ・浅煎り」は、こんなコーヒー。
- 今回の焙煎:シナモンロースト
香り
- フレグランス(豆の香り)
はったい粉や麦茶の香り - アロマ(コーヒーの香り)
麦茶らしさに独特のロブスタ臭がする
風味
- とにかく濃い麦茶のような風味
- ロブスタ感が爽やかに残る
ロブスタは本当に美味しくないのか?
ロブスタというと、どういうイメージをお持ちでしょうか?「美味しくないコーヒー」というイメージが強い方もいらっしゃるでしょう。しかし必ずしもそうとは言えません。実は身近なブレンドに使われていたりするのです。
例えば、エスプレッソのコーヒー粉には、伝統的にロブスタをブレンドしているものが多いです。また、ブレンドを作るときに野生さや苦みを出すため、あえてロブスタを混ぜることもあります。つまり、ロブスタも使い方次第では、コーヒーの美味しさを引き上げるのに効果的でもあるのです。
今回は、そのようなブレンドにもほとんど使用されない「浅煎りのロブスタ」の味を紹介していきます。
ペーパードリップ:麦茶らしさと独特さ
浅煎りロブスタ「ジャバロブ」のテイストは、一言でいうと「はったい粉」です。
麦茶に見られる大麦の香ばしさに近い風味が、非常に印象的です。酸味はほぼ感じられない一方で、甘味がほんのり漂います。この大麦らしさや甘味は、浅めの焙煎だからこそのポイントです。
ただ、ロブスタならではのボッテリした重みがあるので、何杯も飲めるものではありません。また、余韻で強く残るロブスタ独特の風味は、人によって好みがわかるでしょう。
浅煎りだけど高温で
通常、浅煎りのコーヒーは、低温で爽やかに仕上げるのが一般的です。しかしロブスタ種は酸味が弱く、苦みも思いのほか弱めです。そのため、高温で抽出し、浅煎りロブスタの風味を存分に引き出してみてはいかがでしょうか。高温にすると、濃い麦茶感を堪能することができます。
オススメの抽出方法(HARIO V60ドリッパー)
- 豆の分量:一杯当たり12g(一杯120mlで計算)
- 挽き具合:中挽き
- 抽出温度:85~90℃
ネルドリップ:麦茶そのもの
ペーパードリップに比べて重みが弱く、飲みやすさがあります。
輪郭が曖昧なため、はったい粉のような香ばしさは薄く、きな粉や麦茶により近い印象を受けます。酸味は皆無で苦みもかなり弱いです。日本人がこの浅煎りのロブスタ飲むと、恐らく麦茶と勘違いするのではないでしょうか。
オススメの抽出方法
- 豆の分量:一杯当たり12g(一杯120mlで計算)
- 挽き具合:中挽き
- 抽出温度:85℃
フレンチプレス:薄めた麦茶の味
正直に言うと、そこまで美味しくはありません。一言で表すと「薄めた美味しくない麦茶」という印象です。
フレンチプレスは豆本来の味を出すと言われますが、それが裏目に出てしまっています。しかも浅煎りのため、コーヒー自体も薄味で二重で美味しいとは言えないテイストがします。余韻も薄味で、雑味以外は大して感じられません。
わざわざロブスタをフレンチプレスで淹れる人も少ないでしょうが、やはりオススメはしません。
今回の抽出方法
- 豆の分量:18g(容量350mlのプレスを使用)
- 挽き具合:粗挽き
- 抽出時間:沸騰したお湯で4分00秒
サイフォン:飲みやすく仕上がる
ペーパードリップほど麦茶らしくもなく、苦みもほどほどで、曖昧な感触のコーヒーに仕上がります。
素直な味と言われるだけあって、個性が必要以上に強調されることもありません。今回のジャバロブの中では、最も飲みやすく仕上がっているなという印象を受けます。
中煎りのロブスタが口に合うかどうか不安な方は、サイフォンから始めてみると良いかもしれません。
今回の抽出方法
- 豆の分量:1杯あたり15g
- 挽き具合:中挽き
“麦茶”以外に何とも言えない、浅煎りロブスタ
ロブスタ種には美味しくないイメージがつきものですが、一概にそうとは言えません。一方で個性や豊かさに乏しいという点では、否めない部分があります。今回の浅煎りのジャバロブも「麦茶」という以外あまり表しようのない風味でした。
ただコーヒー好きであれば、一度浅煎りのロブスタを体験してみるのも面白いかもしれませんよ。
コーヒー豆の情報
- 名称:ジャバロブ
- 産地:インドネシア・ジャワ島
- 精製:ナチュラル
- 今回の焙煎:シナモンロースト