シナモンローストについて、今回はご紹介していきます。コーヒー豆ごとに、適した焙煎や自分好みの焙煎などを知っておくことで、飲みたいコーヒーの選択の幅はより広くなります。
8段階の焙煎度合い
コーヒー豆の焙煎は、浅煎りから深煎りまでの度合いを8段階に分けて表します。焙煎が弱いものから順に
- ライトロースト
- シナモンロースト
- ミディアムロースト
- ハイロースト
- シティロースト
- フルシティロースト
- フレンチロースト
- イタリアンロースト
各焙煎の度合いによって、苦味・酸味・コクなどに違いが表れます。加えてコーヒー豆の産地によっても風味が変化し、何通りもの味わいを楽しむことができます。シナモンローストは「浅煎り」に分類されます。
浅煎り焙煎「シナモンロースト」
シナモンローストは、ライトローストに次いで8段階中2番目に浅い焙煎具合です。焙煎後のコーヒー豆の色が、香辛料のシナモンに似ていることからその名がつけられたといいます。
焙煎を行う前の生豆はコーヒーらしい風味をもっておらず、渋みや雑味が強い味わいですが、シナモンロースト程度まで焙煎を進めることにより、徐々に渋みが酸味に変化していきます。苦味はほとんどなく、口当たりのいいスッキリとした酸味が特徴の焙煎といえます。
酸味の強い爽やかなテイストが好みの方におすすめ
エスプレッソのような濃厚な苦味を楽しむものより、“北欧系”とよばれるような、爽やかな酸味の効いた風味を好む方に、シナモンローストの焙煎はおすすめです。
日本国内では、ハイロースト、シティロースト、フルシティロースト程度の中煎りが好まれてきた背景もあり、あまりシナモンローストの豆を勧めてくるコーヒーショップはありませんでした。
サードウェーブコーヒーからの流れ
しかし、近年の世界的なコーヒーブームをつくる一因となった“サードウェーブコーヒー”の流れにおいて、シナモンロースト程度の浅煎り豆をあえてセレクトする店舗も多くなってきています。
流通の活発化によって大量生産・大量消費の流れを汲んだファーストウェーブ。深煎りの味わい深い高品質な飲み方がされるようになったセカンドウェーブ。このふたつの流れを汲み、コーヒー豆本来の特性を大事にしようとする飲み方が、サードウェーブコーヒーの特徴です。
豆によって最適な焙煎度、挽き方、淹れ方が異なるため一概には言えませんが、焙煎を深くするほど豆本来の個性や特徴は失われていってしまいます。そのため、これまで日本にあった「コーヒーは深煎りで苦いのが美味しい」といった固定概念を覆すような、フルーティーで酸味の強い美味しい浅煎りの豆を楽しもう、という意向も増えてきているのです。
酸味の強い豆とシナモンロースト
焙煎以前に、コーヒー豆そのものの味として酸味に特徴のある品種も多々あります。キリマンジャロやモカといったコーヒー豆は、苦味が少なく酸味が強いことで有名な銘柄です。
フルーティーなコーヒーが好みの方は、これらの豆をシナモンロースト程度の浅煎りで飲むと、より一層酸味に特徴が出て美味しく楽しめるのではないでしょうか。
フルーティな酸味をより楽しめるシナモンロースト
最近になってやっと日本国内でも取り扱う店舗が増えてきた、浅煎り焙煎であるシナモンローストのコーヒー豆。まだまだ一般層への認識は薄いですが、サードウェーブコーヒーの人気によって、浅煎り・深煎りともに楽しむ幅が広がってきています。