クッキーやドーナツなどの洋菓子もいいけれど、時には煎餅や団子などの和菓子も恋しくなるもの。

今回は一見意外にも思える、和菓子とコーヒーの組み合わせに注目してみましょう。思いもよらない組み合わせがお気に入りになってしまうかもしれませんよ？

まさかの相性

どうしても、コーヒーというと相性が良さそうな物で考え付くのは、クッキーやドーナツ、ケーキ、それから…と洋菓子に目が行ってしまうもの。

でも、ここは日本だし、美味しいお菓子も沢山あります。『和洋折衷』という言葉があるくらいだし、コーヒーに和菓子を合わせてみても面白いかも？とバリスタの仕事をしながら、常々考えていました。

どうしても、チェーン店に行くとメインは洋菓子(シアトル系のカフェが多いから仕方ないのですが…)。

それでも、組み合わせで、和菓子でコーヒーを楽しむことができるんです。自宅で楽しめる、和菓子とコーヒーの組み合わせを様々な角度から見ていきましょう！

文明開花!?和菓子とコーヒー

日本にコーヒーがやってきたのは江戸時代後期です。初めてコーヒーの感想を書物に残したのは太田 南畝(おおた なんぼ)と言う官僚兼歌人の方。

しかし、残した感想というのも「外国からの船でコーヒーと言うものを勧められて。豆を黒く炒って砂糖入れて飲むんだけどさ、焦げ臭くて飲めたものじゃない」という少し切ないものでした。

しかし、その後は、日米修好通商条約後から本格的にコーヒーの輸入が始まるようになります。その頃からしたら、現在、こんなにもコーヒーが日本で流通しているなんて信じられないことでしょうね。

和菓子とコーヒーのペアリング

今回も、フードペアリングの観点からお話を進めていきます。フードペアリングという言葉も徐々に浸透しつつあり、非常にうれしく思っている私です。フードペアリングとは、飲み物と食べ物の組み合わせの事です。ワインのマリアージュに近いと思っていただくと分かりやすいかと思います。コーヒーと食べ物の組み合わせの事もフードペアリングと言います。それでは和菓子との組み合わせを見ていきましょう。

団子(だんご)

完全に私の好みの順番になっている気が否めませんが、まずは団子から見ていきましょう。『花より団子』という言葉があるくらい、メジャーな和菓子です。

いろいろな種類もあるので、コーヒーとも合わせやすいです。【みたらし団子】なら、香ばしさと甘じょっぱさを楽しめる【中南米産・コロンビア】の豆がおススメです。

【餡団子】なら、どっしりした餡を楽しむために【アジア、太平洋産・インドネシアのマンデリン】がおススメです。

羊羹(ようかん)

羊羹も色々種類がありますね。季節によって様々な味を見かける気がします。【水羊羹】は、さっぱりとしてツルンとした口当たりが楽しいですね。暑い季節に食べたくなります。

そんな水羊羹にはフルーティーな【アフリカ産・ルワンダ】の豆がおススメです。クリーンな印象は水羊羹の瑞々しさを一層引き立ててくれます。

濃厚な【練り羊羹】には、滑らかな口当たりの【中南米産・グァテマラ】の豆がおススメです。クリーミーな【芋羊羹】なら【インドネシア・スラウェシ】の豆が相性良しですよ。

煎餅(せんべい)

煎餅もバリエーション豊かなお菓子ですね。【サラダせんべい】のようなシンプルな煎餅には【中南米産・ブラジル】の豆がおススメです。

煎餅そのものの風味をよく引き立ててくれますし、塩気がコーヒーの酸味を抑えてくれる効果もあります。

【醤油煎餅】なら【中南米産・メキシコ】の豆を。深めの焙煎なら、醤油のコクをぐっと深めてくれます。

【胡椒煎餅】などのスパイスの効いた煎餅なら、是非、【アフリカ産・エチオピア】の豆を試してみてください。

エチオピアの豆にはスパイスの要素を持ち合わせているものも多くあります。チャイのようにミルクを入れて、スパイシーな煎餅と合わせるのも楽しいですね。

便利な、あの銘菓。

日本にも様々な場所がありますが、やはり和を感じる場所と言えば『京都』ですよね。その、京都銘菓の【生八つ橋】がコーヒーとのペアリングに、とても便利なんです！

和菓子の要素が強いのに、最近では中身が餡の他に、イチゴ、チョコなんて物も…。オーダーメイド式に、好きな色の生地を選んで、好きな中身も選べるところもあるとか。驚きです。

そんな生八つ橋は中身とコーヒーを組み合わせれば様々なペアリングを楽しめてしまいます。シンプルな餡なら【アジア、太平洋産】、イチゴなら【アフリカ産】、チョコなら【中南米産】…といった感じに、です。

楽しみたいコーヒーに合わせてお土産の生八つ橋をチョイスする！…なんて事もあるかも知れませんね。

相性◎!?和菓子とコーヒー　まとめ

和菓子とコーヒーの組み合わせを、歴史も少し含めてご紹介しました。和菓子は、口当たりや喉越しが洋菓子と違うものが多いので、是非、食感も楽しんで頂けたらな、と思います。

シンプルながら奥深い和菓子を、同じくシンプルながら奥深いコーヒーで楽しんでみてはいかがでしょうか？

今回ご紹介した例は、ほんの一例です。味覚や感覚には個人差があるので、自分自身の「美味しい！」を探してみてくださいね。

それでは、美味しくて楽しいコーヒータイムをお過ごしください！