グアテマラコーヒーをご存知でしょうか。日本での知名度もそこそこ高く、世界的には甘い香りと力強いコクで高い人気を誇るコーヒーです。実は日本でもブレンドによく使われていたり、缶コーヒーに使われていたりと活躍しています。
今回は、グアテマラコーヒーについて見ていきましょう。
グアテマラコーヒー産地の特徴
グアテマラ共和国は人口およそ1,436万人。国土面積は109,000平方キロメートルと日本の1/3程度です。中央アメリカの北部に位置し、国土の北東はカリブ海、南は太平洋に面しています。
1821年にスペインより独立しました。マヤ文明が栄え、現在でも国民の半数以上はマヤ系先住民族です。国土の北部は低地でジャングルやサバンナが多く、南部は火山も有する山岳地帯が広がり国土の70%を占めています。基本的には亜熱帯気候です。
グアテマラコーヒー栽培の歴史
1750年代に修道士によりコーヒーが持ち込まれました。しかし、広く普及したのは1850年頃。輸出の主軸であった天然染料が化学染料に押され打撃を受けたことと、隣国のコスタリカがコーヒーによって経済が潤っている状況を見て、コーヒー栽培が進められました。
1969年にグアテマラ国立コーヒー生産者協会「ANACAFE(アナカフェ)」が発足し、生産者の指導や研究、世界に向けての販売・宣伝活動を行うなど、グァテマラのコーヒー産業を支えています。
グアテマラコーヒーの栽培状況
適度な降雨量と豊かな火山灰土壌、日照時間に恵まれ寒暖差の大きい山岳地帯の山の斜面や高原地帯での栽培が盛んです。大小さまざまな農園が存在しますが、そのほとんどがシェードツリーを採用。時間をかけて日陰栽培し、精製は水洗式で行っています。
アナカフェの定める8つ生産地の中でも「アンティグア」はコーヒーの栽培に適した自然条件が揃い、伝統もあることから、最高品質なコーヒーの代名詞とも言われています。
生産量は年間およそ25万トン。世界第9位です。
グアテマラのコーヒー豆の特徴まとめ
甘い香りとやや強めながら上品な酸味、ほどよいコクと芳醇な味わいが特徴です。他の豆と合わせやすく、ブレンドに用いられることも多くあります。栽培している地域に多様性があり、その味わいもバラエティ豊かです。
標高が高くなるほど風味も豊かになり高品質とされ、等級は生産地の高度で7等級に分けられます。最高等級は標高1350m以上のSHB(ストリクトリーハードビーン)、1200~1350mはHB(ハードビーン)、以下SH(セミハードビーン)、EPW(エクストラプライムウォッシュド)…と続きます。
グアテマラコーヒーは初期のころからスペシャルティコーヒーの市場を牽引し、各農園の差別化も進んでいます。コーヒー豆の輸出先はアメリカ・カナダに次いで日本が第3位です。日本でもスペシャルティコーヒーへの注目が集まっている今、グアテマラコーヒーを楽しむ機会もますます増えそうですね。