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コーヒーの実は食べられる?実は昔は食べ物だったコーヒー豆

コーヒーの実は食べられる?実は昔は食べ物だったコーヒー豆

コーヒーの果実を見たことがありますか。赤く、小さなオリーブに似た小粒の果実で、チェリーのように甘い果肉がついています。今では、種子であるコーヒー生豆を焙煎してコーヒーを飲むのが主流ですが、エチオピアでは食べられていたことがあるそうです。今回は「コーヒーの実は昔、食べ物だったのか?」というテーマ。

コーヒーについて

コーヒーとは、コーヒーの木に生る果実の種子のことです。コーヒーの木は、アカネ科コーヒーノキ属の植物で、常緑で光沢を帯びた葉と、白い花をつけます。その花のあとに実が生り、熟し、果実の種子の部分がコーヒーの原料であるコーヒー生豆になります。

私たちがコーヒーショップなどで目にするコーヒー豆は、このコーヒー生豆を焙煎したものです。

コーヒーの実が食べられていたという2つの伝説

コーヒーの起源については諸説ありますが、「ヤギ使いカルディ」の伝説と、「イスラム教の僧侶シェーク・オマール」の伝説が言い伝えられています。

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ヤギ使いカルディの伝説

9世紀頃、エチオピア南部のアビシニヤ高原に、野生のコーヒーが人目に触れることなく育っていました。

ある日、ヤギ使いのカルディは、コーヒーの木になっている赤い実を食べたヤギが、飛び跳ねて興奮しているのを発見しました。カルディはそのことを修道院の僧侶に相談し、その実を食べてみることに。

その実は甘酸っぱく、食べることで全身に精気がみなぎり、気分がスッキリしたのだそうです。その話を聞いた僧侶たちは、夜の勤行の眠気覚ましとして、コーヒーの赤い実を煎じて飲むようになったのだとか。

コーヒーの歴史〜カルディの伝説〜

イスラム教の僧侶シーク・オマール

13世紀中頃、罪に問われ、モカから追放されたシーク・オマールは、食べるものもなくオーサバという土地をさまよっていました。

そこで、小鳥がコーヒーの赤い実をついばみ、陽気にさえずっているのを見て、その実を採り煮込んでみることにしました。赤い実で作ったスープはすばらしい香りで、飲むと心身に活力が湧いてきたことから、彼は赤い実を使い、多くの病人を救ったのだと言われています。

このことが国王に認められ、シーク・オマールは罪を許され、モカへ戻ることができました。そしてその後も多くの人々をコーヒー助けたことから、後に聖者として崇められるようになりました。

コーヒーの歴史〜シーク・オマールの伝説〜

当初から覚醒作用が認められていた?

どちらの伝説も、コーヒーの実を食べて興奮したり、スッキリするなどの覚醒作用を発見した、というニュアンスになっているのが特徴的ですね。

これらの伝説はコーヒーの起源として広まっていますが、年数を経るにつれて脚色されていったとも言われています。とはいえ、コーヒー好きとしては是非知っておきたい面白いお話です。

食用コーヒーとしての文化

エチオピアの南西部に住むオロモ族は、コーヒー果実をバターと炒め団子状にしたものを、他民族を侵攻する際の携帯食にし、疲れを知らず戦い続けることができたと言われています。

また、エチオピアでは、高原地帯にコーヒーの木がたくさん自生していたこともあり、その果実の種子を古くから煮てスープにして食べる習慣が長く残っていたそうです。

コーヒーの実は昔は食べ物だった?まとめ

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コーヒーの木が自生するエチオピアでは、コーヒーの実を食べる習慣が確かにあったようです。

煮出してスープにしたり、バターと炒めて団子にして携帯食にしたりとその食べ方はさまざまですが、コーヒーを食べることによる興奮作用や、すっきり感などは、当時から知られていました。

たくさんの人々に愛されるコーヒーの歴史や昔話は、とても魅力的で興味深いものばかりです。愛飲家の皆さんも遠いコーヒーの歴史に思いをはせながら、一杯のコーヒーを楽しんでみてはいかがでしょうか。

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coffeemecca編集部

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