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コーヒーの歴史〜シーク・オマールの伝説〜

コーヒーの歴史〜シーク・オマールの伝説〜

コーヒーの起源はいくつか言い伝えられていますが、実は正確な起源はハッキリしておらず、伝説のような物語が数多く残されています。その中で最も有名なエピソードが「シーク・オマール」の伝説です。

イスラム教の聖人

シーク・オマールは、祈祷を行なうことによって病を治すことで非常に評判の良いイスラム教の聖人でした。彼のコーヒーにまつわる伝説は、13世紀、アラビアにあるモカという港町を訪れたときのものです。

当時、モカでは疫病が流行っていました。モカの王の娘も疫病に苦しむ一人。モカ王は、娘の病気をなんとかしたいと考え、オマールの元を訪れたのでした。

恋に落ちたシーク・オマール

シーク・オマールの祈祷の結果、モカ王の娘は見事に病が治ったのです。そのまま街を去ればよかったものの、あろうことかシーク・オマールはこの娘に恋をしてしまったのです。

街からの追放

しばらくして、シーク・オマールがモカ王の娘と恋に落ちたという噂は街中に広がり、モカ王の耳にもそれが伝わってしまいました。彼に激怒したモカ王は、なんとシーク・オマールをモカの町から追放したのです。

洞窟での暮らしと“赤い実との出会い”

街を追放されたシーク・オマールは、洞窟の中で暮らすはめになりました。食べるものも満足に得ることができず、空腹の状態で外をふらふらとさまよう毎日が続いたのです。

そんなある日、彼は一羽の美しい鳥が“赤い実”をついばんでいる姿を見つけました。空腹だったシーク・オマールは藁にもすがる思いでその赤い実を食べてみると、空腹で疲れ果てていたはずの身体がみるみる元気になったのです。

“赤い実”の効用

この不思議な“赤い実”の効果に驚いたシーク・オマールは、実をたくさん摘み取り洞窟で煮込み、スープにして飲んでみました。すると、実を食べるのと同じように、体中に力が湧いてきたのです。そう、彼の見つけた不思議な“赤い実”はコーヒー豆だったのです。そして、その煮汁が現在のコーヒーの起源となったと言われています。

モカの街に伝わった赤い実のスープ

コーヒー_エスプレッソ_歴史_伝説

その後シーク・オマールは、赤い実で作ったスープをモカの街の住人に与え、疫病で苦しむ多くの人々の命を救ったのです。自分を追放したはずのモカの街に、再び希望の光をもたらしたシーク・オマールはこの功績が認められ、再び聖人としてモカの街へ迎え入れられたと言われたそうです。

コーヒーの歴史〜シーク・オマールの伝説〜まとめ

コーヒーの起源として知られる伝説の中でも、最も有名な話の1つ「シーク・オマールの伝説」について紹介しました。この言い伝えが本当かどうかはわかりませんが、様々な偶然が重なりコーヒーが生まれた素敵なエピソードだとは思いませんか。

コーヒーの歴史を調べてみると、このような面白い伝説がたくさん出てきます。コーヒー好きの豆知識として、頭に入れておくのも良いかもしれませんね。悲しくもちょっぴりロマンティックなこの物語。コーヒータイムの話の種として披露してみては?

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coffeemecca編集部

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