フォレストコーヒーという名のコーヒーをご存知ですか。紅茶のイメージが強いスリランカで栽培されているコーヒーで、コーヒー農園で栽培されるものとは少し異なります。今回はスリランカの「フォレストコーヒー」についてお伝えします。
フォレストコーヒーについて
フォレストコーヒーとは、木々を伐採せずに森の中に植樹したコーヒーノキから成るコーヒー豆をいいます。スリランカの国家プロジェクトとして進められており、スリランカの緑を守りながらコーヒーを栽培していく、という狙いを持っています。
森のコーヒーなので、その名の通りフォレストコーヒーと名付けられています。
スリーパーダで育まれるコーヒー
スリーパーダ(Suri Pada)とは、スリランカ中央部に位置する2,243mの山です。サンスクリット語で「聖なる足跡」という意味を持っており、頂上付近にある1.8m大の穴が足跡に似ていることから名付けられています。フォレストコーヒーは、スリーパーダで高地栽培されています。
スリランカの農業の歴史
オランダ統治時代の18世紀から19世紀にかけて、スリランカではコーヒーの栽培がさかんに行われていました。しかし、イギリス植民地時代の19世紀から20世紀にかけて、コーヒー栽培は衰退し、スリランカはシナモン・天然ゴム・茶などの作物プランテーション経済下にありました。
その後1948年から1977年頃の経済政策により、植民地的なプランテーションのほとんどが解体されました。資本主義の導入、経済の自由化がなされ民間企業の育成が進められてきました。
コーヒー栽培が衰退したのは、コーヒーさび病が原因であったと言われており、その代わりに茶が栽培されていったのです。
コーヒーさび病とは?
さび病とは、コーヒーの病害のひとつ。さび病菌が葉の裏側に付着すると、菌糸を伸ばし葉肉を侵食し、葉が枯れ、光合成ができなくなってしまいます。2~3年で樹そのものが枯れてしう、強い伝染力を持っている恐ろしい病害です。
フォレストコーヒーはどんな味?
フォレストコーヒーは、華やかな酸味と、花のような芳醇な香りとグリーンハーブ香が楽しめる、スリランカ産ならではの独特な味わいが特徴です。牛乳を加え、爽やかな酸味とまろやかなコクを楽しむ飲み方もおすすめです。
フォレストコーヒーとはまとめ
フォレストコーヒーとは、スリランカのスリーパーダ山で高地栽培されているコーヒーです。このコーヒーはコーヒー農園などで栽培されているのではなく、森の木々の間に植樹され育てられるのが特徴で、木々を伐採せず森を守るコーヒーとして「フォレストコーヒー」と呼ばれています。
フォレストコーヒーは、スリランカの国家プロジェクトのひとつで、年々収穫量も上がり、安定してきているとのこと。森を守るエコロジーなコーヒー、実際に飲んでみたいと思いませんか?