☕ ジャワ島のブルマン「グヌンブラウ」

インドネシアのコーヒーといえば、マンデリンとトラジャが一般的。また、ガヨマウンテンやコピ・ルアクなどを思いつく方もいるかもしれません。今回は、少々マイナーな、ジャワ島の「グヌンブラウ」について紹介させていただきます！

グヌンブラウ今回の飲み方

焙煎具合：深煎り（フレンチロースト程度）

ペーパードリップ

使用器具：コーノ式名門ドリッパー
豆の分量：30g（二人分）
挽き具合：中細引き
抽出温度：85度

フレンチプレス

豆の分量：18g
挽き具合：粗挽き
抽出時間：3分45秒

ジャワ島のブルマンとは？

なぜインドネシアのメジャーなコーヒー豆でなく、グヌンブラウをピックアップしたのか。その理由は名称でもある「グヌンブラウ」にあります。グヌンブラウは生産している現地の言葉で「青い山」、つまりブルーマウンテンを意味しています。

ではなぜグヌンブラウ（ブルーマウンテン）と名付けられたのか。その理由はとてもシンプルなもので、ブルーマウンテンに引けを取らない、風味とクオリティを持っているからです。ではこれからグヌンブラウの詳細を話していきましょう！

調和・繊細・甘み

グヌンブラウという名称になりえた理由の一つは、ブルーマウンテンのような優れたバランスと、インドネシアらしいコクと苦みが上手く調和していることが挙げられます。

今回は深煎りだったため、酸味がどれほどのものかは図りづらいですが、イルガチェフェのような酸味が突出したものではないでしょう。

のど越しと余韻に注目

深みのある重厚なコクと苦み、それをオブラートのように優しく包む甘みがポイントのように思われます。その深い風味による繊細さと、舌をフワッと包み込んでくれる甘みは、柔らかいのど越しと心地よい余韻へと誘ってくれます。

また、ブルーマウンテン同様、とても良い香りを持っています。しかし、ブルーマウンテンと違うのは、香りの中心が「優しい味だな」と思わせてくれるナッツのような滑らかな香りです。香味や芳香というようなものではありません。

深煎りがオススメ

酸味よりも、深さと甘みの調和に特徴を持つグヌンブラウは、深めの焙煎がオススメです。フルシティからフレンチローストといったところでしょうか。深煎りによる苦みが、奥深い繊細な風味をより引き立ててくれます。

ブルーマウンテンらしさとインドネシアらしさを堪能するには、やはり深煎りでしょう。

グヌンブラウの楽しみ方

ブラックで堪能する

苦みが苦手な方には、深煎りをブラックで飲むのは少々つらいかもしれません。しかし、グヌンブラウはブラックで味わってもらいたいコーヒーです。理由はただ一つ、ブルーマウンテンの名を冠するグヌンブラウの繊細な味を味わってもらいたいからです。

ペーパードリップ＋点滴法で淹れる

グヌンブラウはフレンチプレスでも美味しく飲めますが、ペーパードリップの方が、深みが出て美味しくいただけます。

抽出するときは、細口ケトルをお持ちの方は点滴法を試してみてください。太めのお湯で抽出するより濃くまったりとした味が強調され、グヌンブラウの特徴を堪能することができます。

また、グヌンブラウをさらに堪能したい方は、ネルドリップで抽出して比べてみるのも良いかもしれません。

もう一つの理由と特殊性

さてグヌンブラウ（ブルーマウンテン）という名を冠するもう一つの理由があります。それは、精製方法（コーヒーの実から豆を取り出す過程）です。インドネシアのコーヒー豆の精製方法は、大きく二つが多用されています。

ナチュラル精製とスマトラ式精製

ひとつはナチュラルといって天日乾燥させるだけという原始的な方法です。これはロブスタ種など安価なコーヒー豆に多い方法です。もうひとつは、マンデリンやトラジャの精製方法として有名なスマトラ式。こちらは生豆の状態で乾燥させる方法です。

グヌンブラウはフルウォッシュト精製

グヌンブラウはインドネシアの普及的な精製方法ではなく、フルウォッシュトという水で洗って乾燥させてから脱穀し、生豆にする方法が採られています。これは、ラテンアメリカなどで生産されるスペシャルティコーヒーの精製方法に多様されています。

この方法のメリットは、欠点豆という不良品を減らしてクオリティを上げることができる点です。それにより、ブルマンと呼ばれるほどのクオリティに達することができたのです。