「コクの深いコーヒーといえばマンデリン!」と人々が口を揃えて言うくらい有名なマンデリン。深いコクや苦みを特徴とした、最も有名なコーヒーの銘柄のひとつです。
マンデリンは「コクと苦み」だけに注目されがちですが、実際は他にも面白い特徴を持ち合わせています。今回は堀口珈琲の「LCF マンデリン」を通して、その特徴をご紹介します。
LCFマンデリンはこんな時にオススメ
- 濃厚なお菓子と一緒に食べるとき
- ゆったり落ち着きたい時
- 酸味が苦手な方
マンデリンとは?
マンデリンがインドネシアのどこで栽培されているかご存知でしょうか。栽培地はアチェ州などの、スマトラ島の北部です。特に、トバ湖周辺部は最もマンデリンの生産が盛んな地域として有名です。
トバ湖の周辺にはバタック族という民族が暮らしていて、彼らによって生産されるコーヒー豆は、マンデリンの中でも最高級品として扱われています。今回の「LCFマンデリン」もバタック族のマンデリンです。
マンデリンと「スマトラ式」
マンデリンの説明の中で、ふと「スマトラ式」という言葉を思い浮かべた方もいるのでは?リントン・マンデリン(炭火焙煎)の記事でも述べましたが、スマトラ式というのは、インドネシア特有のコーヒー豆の精製方法(コーヒーの実からコーヒー豆を取り出す工程)です。
逆の手順のスマトラ式
一般的なコーヒー豆の精製過程では、コーヒーの実を除去した状態で乾燥させてから、パーチメントという薄い殻を脱穀します。しかしスマトラ式は、パーチメントを脱穀してから乾燥させる、という普通の精製方法とは逆の手順を踏みます。
一般的な工程と異なるスマトラ式を経たコーヒー豆には大きな特徴があります。それは、マンデリンのような独特の風味を味わえる点と、コーヒー豆の色が緑色に近い褐色をしていることです。
LCFマンデリンの飲み方
ペーパードリップ
- 使用器具:コーノ式名門ドリッパー
- 豆の分量:30g(二人分、240ml)
※コクを味わいたい方は量を増やすと濃厚なコクを存分に味わえます。 - 挽き具合:中挽き
- 抽出温度:85℃
※コクを味わいたい方は比較的高温で。後述のスパイシーさを味わいたい方は80℃~85℃g良いかもしれません。
フレンチプレス
- 豆の分量:18g(300ml)
- 挽き具合:粗挽き
- 抽出時間:3分45秒
奥深さとスパイシーさ
フレグランスはダークチョコレートや土のような香りがあり、「インドネシアの鬱蒼とした森で育ったんだな」という印象を受けます。アロマやフレーバーは、その土の香りに森のようなフワッと包み込まれる香りが加わっています。
飲みやすい奥深さ
マンデリンはコクと苦みという印象が強いため、ストロングだと思われがちですが、口当たりはとても滑らかです。その滑らかさの中から奥深いコクと苦みがフワッと広がり、ストロングな口当たりとはかけ離れ、非常に飲みやすさのある風味を持っています。
また、酸味が少ないため、コーヒーの酸味が苦手な方でも飲みやすく、苦みとコクが中心のコーヒーらしい味を楽しむことができます。
知られざる特徴、スパイシー
そしてあまり知られていない、マンデリンのもう一つの特徴があります。それは滑らかなコクや苦みに続いて後から感じられる“スパイシーさ”です。
スパイシーさと言ってもカレーのような辛さではなく、エキゾチックな刺激を含むハーブのような風味です。そのため、滑らかで深みのあるコーヒーにもかかわらず、スパイシーさによるキレが感じられ、非常に面白い味わいになってくるのです。
フレンチプレスでスパイシーさを味わう
マンデリンといえばコクと苦みの特徴ゆえに、フレンチプレスのようなスッキリとした味の抽出方法で飲む方は少ないのではないでしょうか。
しかし、マンデリンをフレンチプレスで抽出することで、スパイシーさが際立ちます。まるでシナモンを入れたかのような、エキゾチックなコーヒーを楽しむことができます。
濃厚なお菓子と一緒に
マンデリンのコーヒーは酸味の少ない味わいなので、濃厚なお菓子との相性が抜群です。例えば、チーズケーキやガトーショコラなどの濃厚なケーキ、フィナンシェやクッキーなどのバターを使った焼き菓子まで、幅広く相性が良いです。
コクのあるマンデリンと濃厚なお菓子の組み合わせは落ち着くので、まったりと悠々自適な時間を過ごしたいときにおすすめです。
コクの王様「LCFマンデリン」まとめ
他のコーヒーには見られないコクと苦み、そしてスパイシーは、ぜひ味わっていただきたいです。そしてお菓子と一緒に、ゆったり落ち着きながら飲んでいただきたいコーヒーでもあります。
ピリッと来るスパイシーさは、一度飲むと病み付きになってしまうくらいですよ。
コーヒー豆の情報
- 名称:LCF マンデリン
- 産地:インドネシア
- 焙煎:フレンチロースト
- 購入店:堀口珈琲
- 購入店URL:http://kohikobo.com/