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エルサルバドル“温泉”ピーベリー

エルサルバドル“温泉”ピーベリー

今回ご紹介するコーヒーは「温泉」の名を持つ「エルサルバドル“温泉”ピーベリー」という、不思議なコーヒーです。後ほど詳しくお話ししますが、温泉を用いることで他のコーヒーにはない面白い特徴を持っています。

「温泉」という珍しさからか個性が強いイメージを持たれがちですが、意外と飲みやすく二重で驚かされるコーヒーです。

「エルサルバドル“温泉”ピーベリー」は、こんなコーヒー

温泉ピーベリー_豆

香りや風味

  • ハッキリさと柔らかさを併せもったコーヒー
  • クセがなく素直な味

オススメの飲み方

  • オススメの抽出方法:フレンチプレス、ネルドリップ

相性

  • ミルク:普通
  • 砂糖 :普通
  • お菓子:甘々なお菓子との食べ合わせが、メリハリがついて良い

こんな時にオススメ

  • 洗練されたコーヒーを飲みたい時
  • クリアで素直なコーヒーを飲みたい時
  • 気分を入れ替えたい時

その他

  • レインフォレスト・アライアンス認証

温泉×コーヒー豆

温泉ピーベリー_温泉

コーヒー豆のどの工程で温泉が用いられるのかというと、精製の過程です。ウォッシュト(水洗式)では名前の通り水を用いるのですが、その水に温泉水を用いているのです。

では温泉水を精製に用いるとはどういうことなのでしょうか?

それは温泉の成分にあります。温泉宿で「炭酸泉」や「硫黄泉」の言葉を見かけるように、温泉には様々な効能がありますよね。その効能を用いてコーヒー豆に一種の加工をしているのです。

温泉で精製すると……?

このコーヒー豆「エルサルバドル“温泉”ピーベリー」は、サンタテレサ農園で湧き出ている温泉水を用いて精製されています。源泉は85℃ですが熱すぎるので、いったん32〜34℃まで冷まして精製に使用しています。

この温泉水には、カルシウムやマグネシウム、硫酸塩など、様々な成分が含まれていますが、ポイントとなるのが臭化カリウムです。臭化カリウムにはコーヒー豆の甘みを引き出す作用があると言われていて、甘みが加わった面白い風味のコーヒーに仕上がっています。

ペーパードリップ:クリアだけど、甘く飲みやすい

口に含むとクセのないスッキリした酸味と苦みに加えて、柔らかな甘みが感じられます。これらの味によって、透明感があって輪郭がハッキリしつつも、飲みやすいコーヒーに仕上がっています。

温かい時は、キリッとした印象でビターオレンジのような味わいですが、冷めるにつれて甘みが強く感じられるようになってきます。

今回の抽出方法

  • ドリッパー:HARIO V60
  • 豆の分量:25g(二人分、250ml)
  • 挽き具合:中挽き
  • 抽出温度:80℃

ネルドリップ:大人の味わい

柔らかくも、立体感のある苦みと輪郭のハッキリしたキレイな酸味が感じられます。ほんのりと甘みも感じられるため、ストロングな印象はなく、苦みと酸味がコーヒーを程よく引き立てています。

そして後味はスッキリしていますが、クリアな苦みが尾を引くように続き、全体的にはレーズンに苦みが合わさったような、大人のコーヒーです。

今回の抽出方法

  • 豆の分量:25g(二人分、250ml)
  • 挽き具合:中粗挽き
  • 抽出温度:80℃

フレンチプレス:最も甘みが感じられるコーヒー

柔らかみが増して、最も甘みが感じられる抽出方法です。ペーパードリップとは対照的に輪郭が良いくらいにボヤけていて、均整の取れたコーヒーという印象です。

温泉による甘みが最も感じられるため、このコーヒー豆に最も適した抽出方法かもしれません。甘みを感じたい方は、敢えてコーヒーを冷ましてから味わうと良いかもしれません。

今回の抽出方法

  • 豆の分量:17g(350ml)
  • 挽き具合:粗挽き
  • 抽出時間:4分00秒

アイスコーヒーに適した味わい

温泉ピーベリー_アイス

ペーパードリップやネルドリップで抽出したコーヒーは、透明感と柔らかな甘みを含んでいるので、アイスコーヒーにすると絶品です。

昔ながらの喫茶店においてある、苦みの強いアイスコーヒーみたいな喉越しを感じながらも、対照的に感じられる甘みがアイスコーヒーに何とも言えない良さを与えています。

飲む際はキンキンに冷やすと甘みを感じづらくなるので、冷蔵庫で冷やしたコーヒーに氷を加えず、そのまま飲むことをオススメします。

エルサルバドル“温泉”ピーベリー まとめ

個人的な感想

とても珍しい温泉を用いたコーヒーで、個性が強そうなイメージですが、意外と飲みやすく美味しいです。そのため、珍しさに惹かれて購入する方が多いと思いますが、意外と日常的に飲むのに適したコーヒーです。

私個人としては温かい状態より若干冷めた状態のほうが、甘みを含んだ風味を感じられるのでオススメです。

コーヒー豆の情報

  • 名称:エルサルバドル 温泉 ピーベリー
  • 産地:エルサルバドル、アパネカ
  • 農園:モンテレイ農園
  • 品種:ブルボン
  • 精製:ウォッシュト(サンタテレサ農園の温泉水)
  • 焙煎:ハイロースト
  • 購入店:ワールド・ビーンズ・ショップ
  • 購入店URL:http://www.worldbeans-shop.com/

About the Author

汐井有

モットーは専門化したコーヒーについて、詳細を伝えつつ噛み砕いた説明で興味を持ってもらうこと。 専門的な記事と解りやすい記事の両方を書こうと思っています。