住宅街にひっそり佇む喫茶店
私は昔からホットケーキが好きで、近くに美味しいホットケーキが食べられる喫茶店があったらいいのに…と思い続けていた。
この町に住み始めて3年。新しくできるお店ではなく、古めかしい喫茶店が良い。喫茶店の数は少なくないけれど、ホットケーキが人気のお店はない、と思っていた。あったのだ。
自分の住む町を、わざわざグルメ検索することがなかった。正に灯台下暗し。
今日は雪の予報だけれど、行くと決めたら行く。いざ、ホットケーキに出逢いに!
何度も近くを通っているのに気付かなかったのは、町に溶け込むその外観。控えめな看板とファサードは、マンションの一部になっていた。
「COFFEE SHOP」のフォントに、胸の高鳴りは最高潮に。
外からはコンパクトに見えた店内は40席以上もあり、温かい茶色味で統一されたインテリアが、ザ・喫茶店。
ところどころに、店名であるピノキオのモチーフが飾られている。
喫茶店らしいナポリタンなどの他にも、ジャンバラヤなどの珍しいメニューも。
ブレンドはライトな味わいで、毎日通えそう。
一杯をじっくり味わうコーヒーもいいけれど、重たいコーヒーじゃなくて、ナポリタンやサンドイッチのお供にぴったりの、“主役じゃないコーヒー”が、喫茶店らしくて私は好きだ。
近年のコーヒースタンドブームで、コーヒーの在り方は進化しているが、喫茶店で振る舞われるコーヒーの魅力も、現代の若者に知ってもらいたい。
ピノキオのホットケーキは、まず見た目に感激する。
絵本に出て来るようなヴィジュアルだ。近所の子どものリクエストから生まれたメニューだというから、それは喜ばれたことだろう。
ふわふわというよりも、ぎゅっと詰まった弾力ある生地で食べ応えがある。この厚みを、型を使わずにつくりあげるというのだから驚きだ。
このご時世に、バターがこんなにもたっぷり乗せられていることに、お客さん想いのマスターの優しさを感じる。店内をぽっかぽかに暖めてくれているのも、きっと優しさ。
今日は雪で貸切だったけれど、噂のホットケーキを求めて土日は混雑するとのこと。さくっとランチも良いけれど、ホットケーキを食べに来るならゆっくり時間を作って訪れたい。
ピノキオ 店舗情報
住所:東京都板橋区大山金井町16-8
移動時間:東武東上線大山駅より徒歩10分
営業時間:木〜火8:00〜19:00(18:00ラストオーダー)
定休日:水曜
wifi:なし
電源:なし
喫煙:全面喫煙可