探し求めた最高の喫茶店
5年ほど前に雑誌でその存在を知って以来、何年もの間ずっと行ってみたいという気持ちが絶えることのなかった喫茶店がある。平井にあるワンモアだ。
最初にお伝えしておくが、これは私が東京で出会った喫茶店の中で最も気に入っているお店であり、素晴らしい喫茶店だと自信を持って発信できる。
完全なる主観だが、私が喫茶店に求めることはこのような点だ。
- コーヒーの香りがいいこと
- 店の人が活き活きと働いていること
- 長居しても気にならない雰囲気があること
- 並ばずに入れること
- 店内が暗すぎないこと
- コーヒーに合うおいしいおやつがあること
- セットメニューがあり飲み物と食事をお得に楽しめること
私がこの店に辿り着くのに時間がかかったのには理由がある。平井駅に用事がないことだ。家や職場とは縁のない路線だったので、どうにも訪れるきっかけがなかったのだ。だが、いざ行こうと思い調べてみると、30分もかからない所だとわかった。
喫茶店は、待ち合わせやちょっとしたお喋りに向いているけれど、遊園地のように喫茶店を目的に出掛けるのも悪くない。むしろ、面白い。
平井駅を降りると、あたたかい雰囲気を持ち、地元の人で活気づいている町であると感じた。駅から少し歩いたところの角地にお店はあった。
外から見ても、その雰囲気を感じ取ることが出来た。開けっ放しのドアは町の人をやさしく迎え入れているようだった。
手書きの看板は、より胸を高鳴らせる。
複数の店員が元気よくてきぱきと働いていた。店内はほぼ満席だが、がやがやとした不快なうるささはない。レトロなインテリアを見回しながら、ゆっくりと丁寧に淹れられるコーヒーを待つ。
テーブルに運ばれて来た時の香りにはっとさせられる、まろやかでバランスの良いコーヒー。ふわっと甘みが残る、最後の一口までおいしい一杯だ。
ふかふかのホットケーキは手作りのほっとする味。サラサラした蜜はすっきりとした甘さ。
他の客の多くが注文しているフレンチトーストが気になり、おかわりのコーヒーと共に追加注文。レモンが飾られ見た目も華やか。蜜はホットケーキと同じもので、何にかけてもおいしくいただける。
コーヒーだけでなく、フレッシュジュースも人気のようで、ガラスケースには新鮮な果物が出番を待っている。
秋冬限定で生ざくろジュースが味わえるなど、珍しい飲み物の取り扱いもある。
喫茶店は、「時間」と「空間」と「おいしいもの」を味わうところだと私は考えている。一杯のコーヒーを出すこと以上の価値を提供してくれるこの場所に感謝しつつ、愛する喫茶店が永遠にそこに存在し続けてくれることを祈っている。
ワンモア 店舗情報
住所:東京都江戸川区平井5-22-11
移動時間:JR中央・総武線平井駅より徒歩2分
営業時間:火〜土9:30〜16:30(16:00ラストオーダー)
定休日:日曜・月曜
wifi:なし
電源:なし
喫煙:全面喫煙可
HP:なし