コーヒーを飲んだ後に胸がドキドキする、気持ち悪い、ふらふらするなどの経験はありませんか。体調が悪いだけ、と思っていたら実は思わぬコーヒーの落とし穴が…。ここでは、コーヒーと動悸の関係について見ていきます。
動悸やめまいの原因、その正体
コーヒーを飲むと動悸がする。考えられるのはコーヒーに含まれるカフェインの副作用(中毒)とも言われています。カフェインとは植物に含まれるアルカロイドの一種で、コーヒーや紅茶、緑茶、ウーロン茶、ココア、コーラ、栄養ドリンクの一部などに含まれています。
よく知られている効能は、覚醒・興奮作用、脂肪燃焼作用、利尿作用などがあります。しかし、一度に大量に摂取した場合には、動悸・不整脈・心拍数の増加などの急性の副作用(中毒)が見られる危険性もあるとのこと。
他にも頭痛やめまい、胃痛、吐き気や、精神面では焦燥感や不安感、一時的な不眠などもあります。重い症状では、幻覚や幻聴さらにはパニック発作なども見られるそうです。
急性のカフェイン中毒
一度に大量に摂取するのは危険。それでは、カフェインの摂取目安量は果たしてどれくらいなのでしょうか。
1時間以内に、体重1kgあたり6.5mg以上のカフェインを摂取すると、約半数が急性症状を起こす危険性があるそうです。体重50kgの人の場合、コーヒー換算で、約3~4杯分になります。
3時間以内では、体重1kgあたり17㎎以上のカフェインを摂取すると、ほぼ100%の人が急性症状を起こすと言われています。体重50kgの人の場合、コーヒー換算で約8~10杯。
カフェイン過敏症
少量のカフェイン摂取でも上記のような中毒症状に加えて、アレルギー反応に見られる全身の痒みなどが出る、カフェイン過敏症の人もいます。
コーヒー以外で、同じくカフェインを含む緑茶や紅茶では症状が出にくい場合もあるようです。それは、緑茶に含まれるタンニン(カテキン)や紅茶に含まれるテアニンとタンニンがカフェインと結びつき、コーヒーに比べるとカフェインの作用が抑えられるためです。
しかし、疲れなど体調の加減で症状が出やすくなることもありますので、過敏症の人はカフェインの摂取自体を避けたほうが良いでしょう。
コーヒーによる動悸の対処法
では、動悸やめまい、吐き気などの症状が見られた場合は、どのように対処すればよいのでしょうか。
カフェインに直接効く薬などはなく、できる治療は対症療法のみです。重症の場合は胃洗浄を行ったり、精神症状に対しては緩和する薬を使ったりすることもありますが、大半は安静にして、時間の経過とともに症状が治まるのを待ちます。
カフェインを含まない飲料への切り替え
動悸や吐き気をはじめ、カフェイン過敏症および中毒を発症しない対策として、日々のカフェイン摂取量を抑えておく”予防策”は非常に効果的です。しかし、コーヒーが好きだからこそ発症につながってしまうこれらの症状…そう簡単に自制するのは難しいことでもあります。
含有量がほとんどゼロの”カフェインレス”
最近では、カフェインの副作用を回避できるコーヒーの開発が進んでいます。その代表的なものが、「デカフェ」と呼ばれるカフェイン含有量を限りなくゼロにまで除去したカフェインレスコーヒーです。
これらは国ごとの規定によってどれくらい除去されたかでカフェインレスと呼べるかはまちまちですが、カフェインレス飲料の多くはパッケージに「カフェイン99%カット」のように記載されているので、探してみる際は表示を見てみてください。
代用コーヒーと呼ばれる”ノンカフェイン”
カフェインを限りなくゼロまで除去しているカフェインレスに対し、コーヒーではないコーヒーのような飲料を、「ノンカフェイン」として購入できる代用コーヒーもあります。
こちらはカフェイン含有量がゼロのため、カフェインに対し過敏に反応してしまう方にとっては非常に嬉しいもの。たんぽぽやごぼうの根を使った健康的なものが多いので、カフェインレスにも抵抗がある方はこちらも試してみるのもいいかもしれません。
コーヒーによる動悸や吐き気の原因 まとめ
近頃ではダイエットや健康に良いともてはやされているコーヒー。しかし、含まれるカフェインによって中毒症状が出る場合もあることを忘れないでください。記載した中毒量はあくまでも目安です。個人差、体質、体調で大きく変わりますので、自身の適量を心がけてコーヒーを楽しむようにしましょう。