☕ エスプレッソはどんな時におすすめ？

ヨーロッパ諸国では頻繁に飲まれているエスプレッソ。日本では“苦いコーヒー”という認識の強いエスプレッソですが、本場イタリアでの飲み方は少し異なります。ここでは、エスプレッソ本来の飲み方やおすすめのシチェーションをご紹介します。

エスプレッソ本来の飲み方とは？

日本ではコーヒーをブラックで飲む方が多く、またエスプレッソにも同じことが言えます。「エスプレッソはブラックで飲むもの」という作法のようなものがあり、これは本場イタリアでのエスプレッソの楽しみ方から少し逸れています。

エスプレッソは細挽きしたコーヒー豆に圧力をかけ、短時間で淹れるコーヒーです。高圧で抽出するため強い苦味を持っており、濃厚な風味を楽しむことができます。

本場イタリアではこの濃厚な風味に砂糖を加え、ガツンとくる風味を楽しむのが主流となっているのです。ちなみに、ドリップなどより少量のエスプレッソですが、ティースプーン山盛りの砂糖を2杯以上入れるのが基本なのだとか。

日本ではリラックスしたい時に飲むことの多いコーヒーですが、イタリアでは「冷めないうちに2、3口で一気に飲む」というのが普通とされています。

時間が経つことで香りが抜けていってしまうのはもちろん、エスプレッソ特有のクレマ（液面に浮かぶコーヒー豆に含まれるガスのこと）が消えないうちにしっかりと楽しみたいからだそうです。

砂糖が溶けきらないうちに飲み干し、カップの底に残った砂糖をスプーンですくって食べるところまでが、エスプレッソ本来の楽しみ方なんですよ。

そんな本来のエスプレッソの楽しみ方を知ったところで、どんなシーンで飲むに向いているのかを考えてみましょう。どちらかというと、エスプレッソはビジネスマンにおすすめのようにも思えますよね。

デミタスカップ（小さいカップ）一杯分の少量のエスプレッソは、時間がないときや急いでいる時にぴったりのコーヒーです。

イタリアのバルでも、カウンター席でエスプレッソを一杯だけササッと飲み、すぐに立ち去るサラリーマンの姿が多いのだとか。ある意味、時間に追われることの多い日本のライフスタイルにはぴったりの飲み方かもしれませんね。

ガツンとくる力強さが特徴的なエスプレッソは、リフレッシュしたい時に最適なコーヒーです。本場の飲み方にならってクイッと飲み干し、その瞬間に“自分の中のスイッチが切り替わる”イメージを持って楽しむことで、気持ち新たに事にのぞむことができます。

また、日本流にブラックで飲み、その苦味で目を覚ます、という飲み方もおすすめです。エスプレッソならではの目の覚めるような苦味は、他のコーヒーにはない特徴です。

ちなみに、「深煎りはカフェインが少ない」「ドリップに比べ少量」という理由から、エスプレッソはカフェイン含有量が少ないと言われています。

エスプレッソは他の抽出法に比べ、贅沢な飲み方とも言えます。そのため、スタイリッシュな印象が強いですよね。

そんなエスプレッソは、チョコレート系のスイーツ、特にティラミスと合わせて楽しむにはうってつけの一杯です。エスプレッソとティラミスの組み合わせは雰囲気良し、風味の相性良しのおすすめな組み合わせです。

海外でエスプレッソを頼むと、セットでチョコレートがついてくることも多いそうですよ。チョコレートの持つカカオの香ばしい風味が、エスプレッソの濃厚な苦味とマッチして贅沢な味わいになります。

ちなみに、”エスプレッソをかけて食べる”というアフォガード風に楽しむのもおすすめです。

小さなカップに注がれた芳醇な香りと力強さ。濃厚なひと時を楽しませてくれるエスプレッソは、本来時間をかけて飲むコーヒーではありません。

だからと言ってそれに縛られた飲み方をするべきというわけではありませんが、エスプレッソならではの特徴を生かすには、やはり気持ちを切り替えたい時や濃厚なスイーツと合わせてクイッと飲み干す楽しみ方が、ベストなようにも思えます。

「ゆったりと」ではない新しい形のコーヒースタイル、試してみてはいかがでしょうか。