コーヒーをもっと趣味に

KONO名門ドリッパーの特徴を知ろう

KONO名門ドリッパーの特徴を知ろう

コーヒー器具の売り場に行くと置いてあるのが、KONO名門ドリッパーです。1,000円以上する価格と「名門」という名から、どうしても玄人向けと手を出しづらいドリッパーではないでしょうか。

しかし実はドリップを楽しみたいという方には、玄人や素人を問わず“使うと楽しいドリッパー”でもあります。

KONOってどんな企業だろう?

KONO_コーノ_特徴_会社

通常みなさんが「KONO(コーノ)」と呼ぶ企業、本来の名は「コーヒーサイフオン株式會社」と言うのです。KONOは創業者の河野さんの名前から来てるそうで、いわば通称といったところですね。

そしてKONOと言えば、世界のコーヒーを扱う人々の賞賛を受けるクオリティで有名です。だから大きな会社かなと思うと、実はそうではないのですね。

“街中のコーヒー屋さん”といった趣のある建物です。そして画像に煙突が見えるように、なんとコーヒー豆を焙煎して販売しているのです。

サイフォンからドリッパーまで

会社名からわかる通り、実は初めはサイフォンの会社だったのです。今日の日本で使われているコーヒーサイフォンを完成させ、また日本で初めてコーヒーサイフォンを発売したことでも知られています。

円錐形はコーノが初めて!!

円錐形ドリッパーというと、どうしても昨今のサードウェーブの流れの中でHARIO V60ドリッパーという印象が強いでしょう。しかし何とKONOのドリッパーが元祖で、1973年に発売の長い歴史を持っています。

しかも発売まで5年掛けて研究に研究を重ねて出来上がったドリッパーです。科学技術が飛躍的に進歩した今日においても、一目置かれる存在であるところからも、研究の成果と凄さを感じることが出来ますね。

円錐形ドリッパーの特徴とは?

注ぎやすい意外なメリット

KONO_コーノ_特徴_円形

円錐形のドリッパーという特性上、満遍なく注ぐのが容易な点がポイントです。

台形のドリッパーだと一人分の少ない粉だと表面が長細い楕円になり、上手く注ぐのが難しいのです。しかし円錐形だとコーヒー粉の表面が円形になるため、均一に注ぎやすいところは意外なメリットです。

自由自在な調整

また円錐形のドリッパーは、底部に大きな穴が開いていてコーヒー液が溜まりません。例えばメリタ・アロマフィルターのような、お湯を溜めることを前提としたドリッパーは、速かろうが遅かろうが味への影響は少ないです。

しかし円錐形のドリッパーはお湯が溜まらないため、「お湯の注ぐ速度=コーヒー粉を通過する時間」となります。

この違いは、メリタやカリタがお湯の溜まる「浸漬式」で、KONOやHARIOがお湯の通り抜ける「透過式」と呼ばれる理由です。同じドリッパーでも実は抽出方法が異なるのです。

KONO最大の特徴:下部だけのリブ

KONO_コーノ_特徴_リブ

KONOのドリッパーの最大の特徴が、下部だけにある“リブ”です。

上部にリブがないことには理由があります。もし上部に隙間があると、そこから充分に抽出されないまま液体が横漏れしてしまいます。こうなると、しっかり抽出されていないコーヒーが混ざってしまいます。

そこでリブをなくしてペーパーフィルターとドリッパーを密着させているのです。そうすると横漏れをせず下部まで流れて、しっかりと抽出することが出来るのです。

ネルに近い味を出せる名門ドリッパー

KONO_コーノ_特徴_ネル

この横漏れしない構造は、実は最も美味しいとも言われるネルドリップに近い味を出すことが出来るのです。

画像を見ての通りネルドリップはネルの最下部から抽出液が流れ出ます。リブを上部に設けないことで、ネルと同じく横漏れせず下までお湯が行き、しっかり抽出できるようにしているのです。

KONO名門ドリッパーの特徴 まとめ

「プロ向けのドリッパーだな」と遠い印象を持ってしまいがちなKONO名門ドリッパーですが、そういう印象を持つにはそれだけの理由があるということです。

研究を重ねたドリッパーは確かにプロ向けかもしれません。しかしコーヒーを楽しみたいという方であれば、プロや素人を問わず購入する価値のあるドリッパーです。

ドリップする生活を楽しんでみませんか?

珈琲サイフオン株式會社HP

About the Author

汐井有

モットーは専門化したコーヒーについて、詳細を伝えつつ噛み砕いた説明で興味を持ってもらうこと。 専門的な記事と解りやすい記事の両方を書こうと思っています。