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KONO名門ドリッパーの淹れかた:点滴法

KONO名門ドリッパーの淹れかた:点滴法

ここではKONO名門ドリッパーを使った淹れ方についてお話しさせていただきます。

KONO式の特殊な淹れ方が、タイトルにもある「点滴法」という方法です。確かに通常のドリップ方法でも美味しく淹れられますが、このKONO名門ドリッパーは点滴法を前提としています。

そのため、より美味しいコーヒーを飲みたいなら点滴法がオススメです。

KONO名門ドリッパーについてはこちら

点滴法とは?

まず点滴法についてお話しします。名前の通り、病院の点滴みたいにポツポツと滴を落として抽出することから呼ばれています。この方法は点滴できるドリップポットと、点滴できるだけの技量が必要となる玄人向けの方法です。

ドリップポットを選ぼう

ドリップポットは細くお湯を注げるように設計されていますが、点滴となるとドリップポットによっては難しくなります。

点滴をする方の多くは、タカヒロやユキワのドリップポットを用いることが多いです。最近では点滴に特化した「雫」というドリップポットがタカヒロから発売されています。

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もしくはドリップポットを点滴できるように改造してしまうのも、一つの手段です。(筆者は改造したポットとユキワの2つを使っています。)

ケトルのお湯の量

点滴法や細くお湯を注ぐときに議論になることが、「ケトルにどれくらいお湯を入れるか?」ということです。

  • お湯が多め
    ケトル内のお湯が多いと重みがあるため安定しやすいです。しかし、いきなりお湯がドッと出てしまうこともあるので、練習が必要です。またそれなりの質のケトルを用いないと、注ぎ口をお湯が伝ってしまって上手くお湯を注げません。
  • お湯が少なめ
    反対にお湯が少ないと、注ぎやすくなります。お湯がドッと出たり、あるいは注ぎ口を伝ったりすることがありません。しかしお湯が切れるのが速くなるため、頻繁にお湯を継ぎ足す必要があります。手慣れていなければ、継ぎ足す間にドリッパーの水位が下がって雑味が混ざる恐れがあります。

このように見てみると結論は、「人それぞれ」ということです。

人それぞれ扱うケトルも異なれば、筋肉の付き方も異なります。抽出前に試しに注いでみて、自分にとって注ぎやすい量を見つけることが一番良いでしょう。

点滴法での淹れ方

淹れ方①:ポトポト滴を落とす

KONO_ドリッパー_淹れ方_点滴

この淹れ方には「蒸らしの待ち時間」がありません。その代わり、時間をかけてポトポトとお湯を中央に落としていきます。この時に気を付けなくてはいけないポイントが2つあります。

  • 湯を回して注がない
    通常であればぐるぐる回してお湯を注ぎますが、点滴法では中央だけにポトポトお湯を落としていきます。
  • 腕を固定する
    ケトルを持つ手の脇を締めて、もう片方の手で支えて、手がぶれないように注意しましょう。手がぶれると中央から外れた部分にお湯が落ちてしまいます。

しばらくすると少しずつサーバーに抽出液が落ちてきます。そしてサーバーの底一面に抽出液が広がったら、次の段階です。

淹れ方②:細い糸状のお湯で500円玉くらいに

KONO_ドリッパー_淹れ方_細湯

底一面まで広がったら、点滴から細いお湯にして抽出していきます。そして細いお湯を小さく回して500円玉程度の大きさに広げます。そして少しずつ円を広げながら、じっくり抽出していきます。

この時の注意点はドリッパーの水位を下げないことです。水位が下がると雑味やエグ味の原因につながります。

淹れ方③:いっぱい注ぐ

KONO_ドリッパー_淹れ方_ドリップ

1/3~1/2程度の抽出液がサーバーに溜まったら、そこからは一気に注ぎます。というのもドリッパーの上の泡はアクと呼ばれるように雑味やエグ味の原因につながります。そのアクをサーバーに落とさないために水位を上げて落ちないようにするのです。

淹れ方④:人数分に達したら、すぐ外す

どのドリッパーでも同じことが言えますが、人数分のコーヒーを抽出したら、すぐドリッパーを外しましょう。そのまま最後まで放っておくと、出涸らしが混じってしまい、折角上手に淹れたのに雑味やエグ味まで抽出されてしまいます。

特に点滴法の場合は、抽出することに気を取られがちです。人数分に達したか確認することが疎かにならないよう、くれぐれも注意してください。

ちょっと、ひと手間を加えてみよう

ここからはコーヒーが、より美味しくなるひと手間をご紹介します。折角ネルドリップに近い美味しいコーヒーを淹れられるのですから、ひと手間加えて美味しくしませんか?

お湯の温度を調整しよう

KONO_ドリッパー_淹れ方_温度

最近は気にする方も多くなりましたが、ドリップに沸騰した熱湯を用いるのはあまりオススメできません。100℃に近いとコーヒーの味が過剰に出て雑味まで出てしまいます。

一般的にお湯の温度は、75~90℃の範囲内が適当と言われています。基準は80~85℃で、迷ったときはこれくらいの温度で抽出すると間違いありません。

豆を少し多く使用

透過式のドリッパーの前提として、美味しい部分は最初のドリップに出るというものがあります。だから最後の出涸らしまで放っておくとダメなのです。そこで豆を少し多くすると、美味しい部分が多くなるのでオススメです。

豆の目安は、「豆の量(g) =抽出量(ml)÷10」が、コストパフォーマンスも考慮すると、ちょうど良いくらいでしょう。もちろん好みに合わせて、あるいは高級な豆だから、より多めに使うのも良いでしょう。

カップやサーバーを温めよう

抽出前にサーバーを、飲む前にカップを温めるとオススメです。温め方は抽出するお湯を使って温めてあげると良いでしょう。

サーバーを温めると、コーヒーの温度が下がりません。またカップを温めると、飲むときに温まったカップが口とよく馴染みます。

KONO名門ドリッパーの淹れかた:点滴法 まとめ

点滴法は確かに難しい抽出方法です。しかし「コーヒーを楽しみたい!」という方は、この技術が習得できるとドリップがより楽しくなるでしょう。点滴法をマスターして、趣味を極めてみるのも良いかもしれませんね。

About the Author

汐井有

モットーは専門化したコーヒーについて、詳細を伝えつつ噛み砕いた説明で興味を持ってもらうこと。 専門的な記事と解りやすい記事の両方を書こうと思っています。