コーヒーの風味特徴を明確に感じるためには、欠点のないコーヒー豆であること、コーヒー豆の特性を引き出す焙煎を行うことが最も大事だといわれています。今回は、コーヒーのカッピング用語である「クリーンカップ」「マウスフィール」についてご紹介します。
クリーンカップについて
クリーンカップ(Clean Cup)とはカップの綺麗さを表す言葉ではなく、コーヒーの透明度、つまりコーヒーを口に含んだ時のクリアさを表現する言葉です。そのコーヒーの美味しさを邪魔するものがない、風味に欠点がないことを表しています。プラス評価だけでなくマイナス評価でも使用されます。
クリーンカップの表現
クリーンカップのプラス表現は、綺麗さ・汚れの無さ・透明感。マイナス表現は、汚れ・土臭・カビ臭・フルーティさのなさ、で評価されます。もちろんすべて風味に対しての表現です。
- Purity:綺麗さ
- Free from measurable faults:汚れの無さ
- Clarity:透明感
- Dirty:汚れ
- Earthy:土臭
- Moldy:カビ臭
- Off-fruity:フルーティさのない
マウスフィールについて
マウスフィール(Mouthfeel)とは、コーヒーのボディを表す用語で、口に含んだ時の質感や触感を表しています。
質感が重く重厚なコーヒーを指しますが、一概にボリュームがあれば良い、というわけでもありません。間違いやすい感覚として、コーヒーの雑味や渋味などの“荒れた質感”をもマウスフィールとして捉えがちです。
良い質感とは、まずはクリーンカップを大前提として見ます。そのため、マウスフィールとして評価するには、なめらかで丁寧な飲み口であることを一番に考えなくてはなりません。
マウスフィールの表現
マウスフィールのプラス表現は、バターのような・クリームのような・柔らかい・スムースな・芯の通った・包み込むような・ベルベットのような・目のつまったニットのような。
マイナス表現は、渋み・粗い・水っぽい・薄い・軽い・ざらざらした、と評価されます。
- Buttery:バターのような
- Creamy:クリームのような
- Round:柔らかい
- Smooth:スムースな
- Having spine:芯の通った
- Cradling:包み込むような
- Velvety:ベルベットのような
- Tightly knit:目のつまったニットのような
- Astringent:渋み
- Rough:粗い
- Watery:水っぽい
- Thin:薄い
- Light:軽い
- Gritty:ざらざらした
クリーンカップとマウスフィールに影響するもの
クリーンカップとマウスフィールに影響してくるものは、コーヒー生豆・焙煎・抽出の3つです。
クリーンカップは、コーヒーの栽培、収穫、精製処理の全てが適正に行われた欠点のない‘上質な生豆’でなければ実現できません。マウスフィールを明確に感じるためには、その生豆の魅力を引き出す焙煎が施されなければならなりません。
そして、コーヒーの風味を明確に感じ取るためには、抽出も完璧でなければならないのです。3つの工程が正しく行われてはじめて、カッピングをスタートさせることができます。
クリーンカップとマウスフィールについてまとめ
カップの透明度を表す「クリーンカップ」と、コーヒーのボディを表す「マウスフィール」は、カッピングにおける評価用語です。
欠点のないコーヒー豆・焙煎・抽出の全ての工程が適正に行われなければ、カッピングのスタート地点に立つことさえできない、といわれるほどコーヒーの特性を明確にするために重要な項目です。この厳しさや細かさが、コーヒーの繊細な風味を感じ取り、おいしい1杯のコーヒーを生みだすために必要なのです。「クリーンカップ」と「マウスフィール」の意味と、その感覚について是非覚えておいて下さい。