コーヒーの味を決定づける重要な要素である“焙煎”。その焙煎において“ハゼ”と呼ばれる現象は豆の煎り具合に大きく関わってきます。今回は、焙煎時に発生する“ハゼ”の中でも「2ハゼ」と呼ばれる現象について詳しく見ていきましょう。
焙煎の工程
焙煎で熱を加える工程には、大きく分けて蒸らしとロースティングがあります。“蒸らし”とは、豆内の水分を抜く工程のことを言い、蒸らしたのちに豆に熱を加えるロースティングという本格的な焙煎に入ります。
ロースティングの時間次第で浅煎りから深煎りまで、焙煎の度合いを調節するのです。
“ハゼ”と呼ばれる現象
焙煎具合の目安となるが、“ハゼ”と呼ばれる現象です。ハゼはとは、焙煎を進めていく中でコーヒー豆に現れる化学反応の一つで、小さな爆発音を伴います。コーヒー豆に含まれる糖類が熱により“カラメル化”していくのと同時に内部から“炭酸ガス”が発生します。
1ハゼと2ハゼ
ハゼはロースティングの中で2回発生します。それぞれ「1ハゼ」「2ハゼ」と呼ばれており、タイミングによってだいたいの焙煎具合がわかるといわれています。
1ハゼはシナモンロースト程度の焙煎度合いで発生し、1ハゼ発生で止めるとシナモンロースト。1ハゼが終わるタイミングで止めるとミディアムローストを目安とする焙煎度合いに仕上がります。
2ハゼの発生によってわかる焙煎具合
1ハゼがおさまり、2ハゼが発生するくらいになると、コーヒー豆は酸味中心の味から苦味がしっかりでてくる“深煎り”と呼ばれる焙煎度合になります。
2ハゼ発生のタイミングでフルシティローストになり、2ハゼが終わるくらいのタイミングになるとフレンチロースト、終了後も焙煎を続けることによって一番深煎りのイタリアンローストになるのです。
ムラなく焙煎するために
1ハゼ、2ハゼとロースティングを進めていくのですが、火力による時間調整をすることで煎りムラのない焙煎が可能になります。
焙煎を進めていくと6〜8分ほどで生豆の色が褐色に変化していきます。安定して焙煎した場合、焙煎開始12分後あたりで1ハゼが発生します。およそ1〜2分ほどパチパチと爆ぜたのち、一度落ち着きます。
そして、焙煎開始後14〜16分あたりに2ハゼが発生するように火力を調整することで、煎りムラのない安定した焙煎をすることができるのです。自分で焙煎をする場合、この時間を目安に何度かロースティングしてみましょう。
うまく焙煎できたかの判断は?
焙煎できたのはいいものの、“うまくできたか”も気になるところです。焙煎が成功できたかを見る基準としては、「焼き色は均一か」「パキッと乾いた音で豆がつぶれるか」「表面のしわが消えツヤツヤになっているか」などの視点で見てみるとわかりやすいです。
特に2ハゼまでロースティングを進めた場合、コーヒー豆から浮き上がるツヤツヤしたコーヒーオイルは顕著に表れます。
焙煎における「2ハゼ」とはまとめ
どれだけ焙煎したかの目安となるハゼは、2ハゼを基準にすることで中深煎り〜深煎りのタイミングを図ることができます。ただし、これはあくまで目安。焙煎機の使用や豆の性質によってもハゼのタイミングや焙煎具合は異なってきます。うまく焙煎するためには、何度も練習し感覚を研いでいく必要がありそうですね。