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コーヒーに使用される脱酸素剤とは

コーヒーに使用される脱酸素剤とは

お菓子などの中に入っている「脱酸素剤」。コーヒーの保存にも利用されていますが、どのような効果があるのかご存知ですか。今日は、食品や、コーヒーに使用されている脱酸素剤についてお話していきます。

脱酸素剤について

脱酸素剤(だつさんそざい)とは、密閉容器の中を脱酸素状態にする薬剤のことです。鉄などの酸化を利用し、酸素を吸着するタイプや、酸化反応を利用したものなどがあります。

脱酸素剤を使うメリット

脱酸素剤により酸化を防ぐことで、カビや害虫の発生を防ぎ、油脂の変質などを防止することができます。食品の包装で広く利用されています。

コーヒー豆の性質

コーヒー豆は焙煎すると、炭酸ガスが発生します。同時に、空気に触れるため、酸化による劣化もはじまります。煎りたてのコーヒーを購入した時に、袋がパンパンに膨れ上がるのを見た事ありませんか。これは、コーヒー豆から発生する炭酸ガスによるものです。

バルブと脱酸素剤の違い

コーヒー豆が、バルブ付きの袋に入って販売されているのを見た事はありませんか。このバルブは、コーヒー豆から出る炭酸ガスを外へ排出し、外気が中に入らない仕組みになっていて、袋が膨らみ過ぎるのを防ぎます。どちらかというと、バルブは、ガスを抜くためのもので、酸化を完全に防ぐものではないといえます。

窒素充填と脱酸素剤の違い

コーヒーの窒素充填は、業務用のコーヒーなどで利用されています。窒素充填によるメリットは、油脂成分・香味成分などの酸化防止効果です。コーヒーの場合は特に「香り」の変化を防止する働きがあるため、開封後も新鮮な豆の香りが楽しめます。ただ、炭酸ガスを抑える効果はありませんので、袋が膨らむ場合があります。

コーヒー豆専用の脱酸素剤のメリット・デメリット

メリット

コーヒー豆専用の脱酸素剤は、包装後の容器の中の酸素と、コーヒー豆から発生する炭酸ガスを吸着し、コーヒー豆の劣化を防ぎ品質を保つために作られています。コーヒー専用のバルブと、窒素充填包装、それぞれのメリットを合わせたような薬剤といえるでしょう。

デメリット

コーヒー豆の炭酸ガスの中には、二酸化炭素の他に。コーヒーのアロマ成分が多く含まれているため、脱酸素剤により、炭酸ガスが吸着され続けると、コーヒー豆本来の風味を損なう恐れがあります。保存期間が長くなる場合には注意が必要です。

使ってみよう!脱酸素剤

脱酸素剤は、業務用用品店などで手に入れることができます。お菓子用、コーヒー用など、用途によってわかれていますので確認してから購入しましょう。密閉することが重要になるため、必ずシーラーを用意してくださいね。使い方はとても簡単です。密閉用の袋に、脱酸素剤とコーヒーを入れ、ただちにシーラーで密封します。時間とともに、酸素や炭酸ガスが脱酸素剤に吸着され長期保存が可能となります。

コーヒーに使用される脱酸素剤とはまとめ

コーヒーに使用される脱酸素剤は、コーヒー豆を酸化から守り、品質を保つ効果があります。コーヒー豆をよい状態で保存するのにおすすめの薬剤です。ただ、コーヒーの香り成分も炭酸ガスとともに吸着してしまうため、長期保存になると、コーヒー豆本来の香りや風味を損なう恐れがあります。

実際新鮮なコーヒーをウリにしてコーヒーを販売しているコーヒーショップでは脱酸素剤が入っていることはほとんどありません。

豆が新鮮な状態の時に飲むのが一番コーヒー本来の味を楽しめる方法です。 脱酸素剤が使われているからと安心せず、早めの使用をおすすめします。

About the Author

AMIAMI

愛知県生まれ。親族がコーヒー卸売業を営み、幼少より喫茶店とコーヒーに親しみがある。ブラジルコーヒー鑑定士・SCAAカッピングジャッジなどの受講経験、焙煎経験あり。コーヒーは焙煎したてより、寝かせてから飲みたい派。猫と、物作りが好き。