コーヒーには「高血圧になるから飲み過ぎは良くない」というイメージがありませんか。実際、コーヒーを飲むことで血圧にどう影響するのか。コーヒーと血圧の関係について見ていきましょう。
コーヒーで血圧は上がるのか
コーヒーが高血圧と関係があるように言われる所以は、コーヒーに含まれるカフェインの作用によるものが大きいでしょう。カフェインには様々な作用があり、その一つに交感神経を刺激するという作用があります。交感神経が刺激され優位な状態になると、心臓は活発に働き、心臓の収縮力も上がります。それに伴い血圧も上がるのです。
それなら「やはり高血圧になるのでは」という疑いは深まります。確かに、カフェインには血圧を上げる作用はありますが、コーヒーに含まれるカフェインでの血圧上昇はわずかであるという報告があります。また、コーヒーをよく飲む人は、カフェインに対して耐性ができ、あまり飲まない人がコーヒーを飲んだときよりも、上昇の仕方は緩やか、または上がらないそうです。
コーヒーは血圧を下げる
コーヒーと血圧との関係について、興味深い研究結果が出ています。
アメリカで女性看護師に対し、飲料と血圧の関係を10年間調査する研究が行われました。その結果は、1日にコーヒーを1~3杯程度飲む人と飲まない人では、高血圧になるリスクに差は見られませんでした。それどころか、1日にコーヒーを4杯以上飲む人は、高血圧になるリスクが下がる傾向が見られました。
コーヒーが血圧を下げる要因
コーヒーが血圧を下げる要因は様々考えられています。
カフェインの利尿作用
コーヒーを飲むとトイレが近くなる経験がありますよね。カフェインには利尿作用があり、尿とともに高血圧に悪影響のある余分な塩分も排出されます。
クロロゲン酸の作用
コーヒーに含まれる成分に、クロロゲン酸があります。クロロゲン酸は血管を拡張させる作用があり、血管拡張は血圧低下と関係があります。
また、血管を傷つけ、血管の老化(動脈硬化)をすすめてしまう活性酸素の働きも、抑制してくれます。
香りの成分ピラジンの作用
コーヒーの香り成分の一つのピラジンには、血液内の血小板凝集を抑える作用=血液サラサラ効果があります。これに加えて、コーヒーの香りにはリラックス効果もあり、副交感神経が優位になることで血圧を下げる効果もあるのではと言われています。
コーヒーと血圧の関係まとめ
わずかではありますが、コーヒーに含まれるカフェインには血圧を上げる作用がありました。しかし、コーヒーには様々な成分が含まれているので、血圧を下げる作用も多く期待できます。一つのものに捉われて良い悪いは、簡単には判断できないことがわかりましたね。また、血圧を下げられるからと、むやみやたらにたくさん飲んでも大丈夫というものでもありません。同じものでも効果の出方には個人差があります。何でも適度に適量に、を忘れないように、コーヒータイムを楽しんでください。