「ウェーブフィルター」とは、カリタ製品の一つ、サードウェーブブームの中で人気を博しているドリッパーです。ドリッパーとしてはかなり特異な形状から、「どんなものだろう?」と思う方も多いのではないでしょうか?
そこで今回はウェーブフィルターについて見ていきたいと思います。
ウェーブの特徴とは?
文字通り「ウェーブ状」のフィルター
このドリッパー最大の特徴は、何といってもフィルターの波打った形状です。
写真のドリッパー本体を見て、気が付くことはないでしょうか?実はこのドリッパー、「リブ」と呼ばれる溝が彫られていないのです。そこでリブの代わりの役割を果たすのが、フィルターの波打った形状です。
この形状によって、画像のようにドリッパーとフィルターに隙間ができて、リブの役割を果たすのです。ちなみに、波打った形状のメリットはこれだけではありません。
ドリッパーとの接地面が少ない
ドリッパーでよくある失敗が、フィルターにお湯を掛けてしまい、コーヒー粉を通らずに側面から湯が抽出されてしまうことです。
しかしウェーブフィルターは、接地面の少ない側面ではなく、コーヒー粉を通ってドリッパーと接する底面からお湯が抜けていきます。そのため、フィルターにお湯を掛けてしまっても、失敗するリスクが少ないのです。
速く・バランス良くお湯が抜ける
そして、このドリッパーは、カリタの他のドリッパーと同じく3つ穴なのですが、穴の配置が異なります。カリタの一般的なドリッパーは横に3つ並んでいますが、このドリッパーは三角形に配置されています。これによりお湯が偏ることも少なく、バランス良く抽出されるのです。
ウェーブドリッパーの使い方
準備するもの
- 専用ドリッパー
- ウェーブフィルター
- コーヒーサーバー
- 出涸らし受け:マグなど耐熱容器なら何でも
- お湯
- コーヒー粉(通常、一人前10g~)
※その他、キッチンスケール(豆を測る)・温度計(湯温を測る)などもあると便利です。
フィルターとコーヒー粉をセットする
まずはフィルターをドリッパーにセットします。
次にフィルターにコーヒー粉を入れます。
この時に表面をならしておくようにしましょう。これは、コーヒー粉を平らにすることで、抽出の偏りを防ぐだけでなく、空気を抜いてお湯の回りを良くすることもできます。軽くドリッパーを揺する程度で試してください。
〘ポイント!〙道具の位置
準備が出来たら抽出!……の前に、道具の位置を確認しましょう。
例えばケトルを右手で持つ場合、必然的に抽出中の他の動作は左手になります。そのためドリッパーの取っ手や出涸らし受けを、ケトルを持つ手と反対側に置くとスムーズに抽出できます。
蒸らし
蒸らしですが、表面が円形ですから基本的には円錐ドリッパーと同じ感覚です。
円の中心部にお湯をまずは落とします。
そして中心から周りに円を描きながらお湯を注いで、
全体が濡れる程度でお湯を止めます。
ここでよく問題になるのが、「蒸らしは、どれくらい注ぐの?」というものです。
正直この答えは、人によりけりです。しかしウェーブドリッパーの場合は、おおよそ底面全体が濡れる程度~数滴落ちる程度とみておくと良いでしょう。
抽出
抽出も、まずは中心からお湯を落としていきます。
するとお湯を注いだ箇所に白い泡ができます。この泡を広げるように円を描きながら注いでいきます。
この白い泡の円はフィルターに触れるかどうかくらいまで広げると良いでしょう。
これはペーパードリップ共通の、コーヒー粉の縁やフィルターにお湯を注がないという鉄則です。ウェーブは特殊な形状のため、縁に掛けてもさほど問題ありませんが、気を付けておくに越したことはないでしょう。
特に心掛けてほしい点は、キレイな円が描くことです。この円がキレイであるということは、均等に注げているという証拠の一つです。もし歪な円の場合、茶色い部分にはお湯が掛かっておらず、ムラがあるということです。
そして抽出する量に達したら、ドリッパーにお湯を残した状態で出涸らし受けに移します。これは出涸らし、つまり薄味で雑味の元になるので、サーバーには落とさないようにしましょう。
これで抽出は完了です。
〘ポイント!〙捨て方に気を付けよう
抽出カスを捨てる時、フィルターを持ち上げて捨てる方がいますが、これは非常に危険です。なぜならばフィルターは水を含んで破れやすいからです。そのために破けてコーヒー粉が散らばったり、それによって火傷をしたりする恐れがあります。
抽出カスの捨て方ですが、ドリッパーごとゴミ箱まで持っていって逆さにしてください。そうしてドリッパーの縁を軽く叩くと、抽出カスだけがポロッと落ちてくれます。
簡単で美味しいKalitaウェーブフィルター
通常とは異なる外観から、ウェーブフィルターはプロ向けと勘違いされることが多々あります。しかしそうではなく、簡単に美味しくコーヒーを淹れることを追求した結果なのです。つまり、決して玄人専用ではなく、むしろ初心者の方にも美味しいコーヒーのために使ってもらいたいドリッパーです。
ぜひ使ってみてください。思った以上に使いやすいドリッパーです。