室内なのに池がある日本でただ一つのコメダ
近年、都内にも進出し、少しずつ知名度を上げているコメダ珈琲店だが、東海地方の県民にとっては、子どもの頃から馴染みのある存在だ。物心ついた頃から、日曜日は祖父母に連れられてモーニングに行くのが日課だった。
コメダは市内にいくつもあって、満席だったら数分車を走らせて別の店舗へ向かうことも珍しく無かった。だから、東京のコメダで2時間待ちと言われた時は心底驚いた。
そもそも、モーニングの仕組みを知らない人もいる事を、東京に引っ越すまでは知らなかった。こんな風にコメダやモーニングを熱く語りたがる私だが、27年間生きて来て知らなかったコメダに出会った。池のあるコメダだ。
車を走らせていると、もの凄く目立つ光る看板が見えてきた。店舗の大きさに、「コメダシティ」とか「コメダタウン」という言葉が浮かんだ。
ゲート付きの立派な駐車場があるこのコメダが、日本で唯一、店内に池がある店らしい。一体どういう事なのか。
入口はいたって普通。住宅のような落ち着いた雰囲気で、道から見た派手な看板とのギャップを感じる。
店内に入って、私は笑いが止まらなかった。池だ。本当に池がある!
池と言われていたので地面にあるのかと思っていたら、なんとカウンターの高さにあった。席に着くと、目線の高さになる。植物に紛れて所々に謎のオブジェがあり、ユーモアいっぱいだ。
こんなコメダは見たことが無い。近所の人は、なんの違和感も無いのだろうが、ベーシックな店舗に慣れ親しんできた私には、大袈裟に言うとテーマパークの様な感覚だった。
コメダはフランチャイズで、店ごとに若干内装が違ったり、置いてあるものがオーナーによって個性が出ていて面白いのだが、ここまで違う世界観を創り上げているのは初めて見た。
レジ上に吊されているロゴ入りのライトも、この店舗で初めて見るものだった。さりげないが、コメダファンとしては気になるインテリアだ。
全国展開に向け頑張っているコメダは、ここ数年、定期的に新商品を出す様になった。ここ最近の推しが、ブラックで飲むための味わいにこだわっているという、このコメ黒らしい。
メニューに合わせてこだわっているカップやグラス、コメ黒も通常のコーヒーカップよりスリムな形状をしていて、スタイリッシュな方向を目指しているようだ。
メニューの名前を分かりやすく改名したり、看板メニューにあれこれソースをかけたりフルーツを乗せてアレンジしたり、コメダの模索は続いている。
「コメダにそこ求めてねーよ」という県民の声が聞こえてきそうなのはさておき、全国進出は大歓迎なので、新たな試みへの違和感と世の中の流行りに流されて欲しくないという私の勝手な願望はそっと仕舞っておく事にしている。
変わらないのはこの豆菓子。東京都民が残しているのが信じられないこのちょっとしたおやつは、おまけやサービスが大好きな愛知県民らしい心遣い。モーニングの時間帯が終わる11時以降にドリンクを注文するとついてくる。
11月上旬なのに、ハロウィン仕様のまま使っているところが、ローカルな愛知県らしくて好きだ。この先店舗が増え続けても、どこの都道府県に展開しても、その地域の人達に愛着を持たれるような店ごとの独自性をこれからも見せて欲しい。
コメダ珈琲店葵店 店舗情報
住所:愛知県名古屋市東区葵3-12-23
移動時間:地下鉄桜通線車道駅徒歩1分
営業時間:6: 00〜23: 00
定休日:なし
wifi:利用可能
電源:なし
喫煙:分煙