焙煎する前のコーヒー生豆を見た事がありますか。貝殻のような形をしていたり、欠けていたり。小石や小さな穴のあいている豆が混ざっていませんでしたか。今回は、味に大きく影響がでてしまうケースもある「コーヒーの欠点豆の種類」についてご紹介します。
コーヒーの欠点豆について
コーヒーの欠点豆とは順調に生育しなかった豆のことで、未成熟のものや虫に食われたものなど、収穫量全体の10%程度混ざっています。欠点豆が含まれた状態で焙煎や抽出を行うとコーヒーの味を著しく低下させる場合があるため、あらかじめ取り除く作業工程があります。
欠点豆の種類と特徴
- カビ豆
保管や輸送する時に湿気を帯びてしまい、生豆にカビが繁殖したものをカビ豆と言います。少しの水に濡れても発生する場合があり、カビ臭によってコーヒーの香りを楽しめなくなってしまいます。 - 虫食い豆
ベリーボーラーやブラッカーと呼ばれる、コーヒー果実を食べる虫に食べられ穴のあいた豆です。穴の付近にカビが増殖しカビ臭の原因になります。 - 死豆
正常な生豆の色、グリーンカラ―にならない白っぽいコーヒー豆です。 - パーチメント
果実の内果皮がついたまま残ってしまったもの。渋みやえぐみの原因になります。 - 未成熟豆
ヴェルジとよばれる未成熟のまま収穫されたコーヒー豆。豆の表皮がしわしわとしていてつやがないのが特徴です。青臭い香味の原因になります。 - コッコ
果実の果肉が残って腐敗し、発酵した状態の豆です。悪臭や発酵臭の原因に。 - 黒豆
発酵がすすみすぎて黒く炭のようになったもの。ほこりっぽい味になってしまいます。 - 割れ豆
乾燥にムラがあり、移送時に割れてしまった豆を言います。 - 発育不良豆
発育不良で、通常の豆よりも小さい豆。ピーベリーを含む場合もあります。 - 発酵豆
水洗処理の段階で発酵した豆。生豆ではみつけにくく、焙煎後にわかるケースが多いです。 - 貝殻豆
乾燥不良や異常交配によってできた、内側が空洞になっている豆です。見た目が貝殻に似ていることから名付けられました。 - レッドスキン
自然乾燥中に雨に打たれ、生豆に赤いラインがついているもの。
高級な豆ほど欠点豆が少ない
高級なコーヒー豆ほど欠点豆が少ないといわれています。高級な豆になればなるほど、スクリーンサイズが揃っていて丁寧に欠点豆がとりのぞかれている場合が多いためです。手間がかかり、目減りする割合も多くなるので、より高価格になります。
ピッキングすると品質が高まる?
コーヒー豆をピッキング(欠点豆を取り除く作業)すると、欠点豆が減るためおいしいコーヒーになりますが、品質そのものには関係ありません。あくまでも、コーヒー豆の品質とはコーヒーノキとコーヒー果実のクオリティであり、欠点の数が影響するわけではありません。
ただ、国によっては欠点豆の数をコーヒー豆の格付けの基準に取り入れているところがあるため、欠点豆が品質を決めるひとつの目安となる場合はあります。
ピッキングは誰でもできる
コーヒー豆のピッキングは誰でもできます。もちろん熟練の職人のように短時間で行うのは難しいですが、慣れれば誰でも欠点豆を発見できます。コーヒー豆が良く見えるよう机に並べ、少しずつ豆を観察していくだけです。焙煎後のコーヒー豆でもピッキングすることはできるので、是非挑戦してみてください。
コーヒーの欠点豆の種類 まとめ
コーヒーの欠点豆の種類は、味に影響を及ぼすものや焙煎に影響を及ぼすものなど、12種類ほど存在します。欠点がたくさんあると、そのコーヒーに対して悪いイメージを持たれるかもしれませんが、最小限の農薬しか使われていない証拠であり、その年のコーヒーの“デキ”を計るものさしでもあります。
機会があれば、実際にピッキングを体験し、欠点豆の含まれているものと欠点を省いたコーヒーを飲み比べてみてください。何も手を加えなかったコーヒー豆との味の違いを実感し、よりコーヒーの世界に踏み込んでみましょう。