「フラットビーン」という言葉、ご存知でしょうか。コーヒー豆のことを指す単語なのですが、どういったものなのかまで知っている方は少ないのでは。フラットビーンについて見ていきましょう。
フラットビーンについて
フラットビーン(Flat bean)とは、コーヒー豆の形を表した言葉で、平豆ともいいます。
コーヒー豆は、コーヒーチェリーの種子の部分のことを言い、ひとつのチェリーに2つの種子が向かい合って入っています。その向かい合っている面が、平らになっていることから、フラットビーン(平豆)と呼ばれているのです。
コーヒー豆はフラットビーンだけじゃない
コーヒーノキから収穫されるコーヒー豆のほとんどはフラットビーンですが、生育不良などで2つの種子の内、1つが絶え、残った1つが育つ「ピーベリー」と呼ばれる丸い豆ができることがあります。
このピーベリーは、収穫量全体の3~5%程度しか採れないため、希少豆としても人気があります。
フラットビーンとピーベリーの違い
フラットビーンとピーベリーの違いは、形と大きさです。コーヒーチェリーの中で、2粒で育っても、1粒で育っても、同じ品種のコーヒーノキから採れる豆に、味や香りの変化はありません。
しかし、フラットビーンとピーベリーを焙煎する場合には、焼きあがる時間や焙煎度合いが変わってしまうので、それぞれの豆にあった焙煎をすることが大切です。
品種が違うと豆の形も変わる
世界のコーヒー豆の6割以上を占める”アラビカ種”は、平べったい楕円形が特徴的。対して苦みやブレンドのまとめ役として活躍するロブスタ種は、丸みを帯びた楕円形をしています。
個性的なフラットビーン
フラットビーンの中でも個性的な形をしているのは、イエメン産のモカマタリとモカレケンプティです。
イエメン産の豆は、小粒で細長い形をしているのが特徴で、見慣れてくると「これはイエメン産だ!」とわかるほど。焙煎豆でも、よく見ると、その違いを確認することができますので、コーヒー豆を買いに行った時に確認してみると面白いですよ。
フラットビーンは焙煎しやすい?
焙煎の進み具合は、時間、ハゼ、目視などで確認できますが、フラットビーンの場合、豆を割って焙煎度合いを確かめることができます。そのため、焙煎初心者の方はピーベリーはまずは避けるように豆を選びましょう。
豆が加熱され褐色に変化し始めたら、焙煎機から豆を取り出し、手で割ってみましょう。パリッと割れる時には、断面を見ても均等に火が通っている状態です。割りにくいと感じる時は、断面に色むらがある、焙煎が浅いなど、焙煎度合いを一目で判断することができます。
フラットビーンの中でも、コロンビアやブラジルの豆は手に入りやすいので、おすすめです。
フラットビーンとは まとめ
フラットビーンとは、コーヒー豆の形を表した言葉で、平豆とも言います。一面が丸く、もう一面が平らなのは、コーヒーチェリーの中で、2つの種子が向かい合って育つから…のようです。
フラットビーンでも、品種により、楕円に近かったり、丸みを帯びていたりと微妙に形が違うのも面白いポイントです。コーヒー豆の形をもっとよく知りたい方は、シングルオリジンのコーヒー豆を購入しましょう。
コーヒー豆を実際に手に取り、品種や、産地で違う形の特徴を観察してみると、また新たなコーヒーの魅力が見つかるかもしれませんよ。