今回ご紹介するのは、日本屈指の自家焙煎喫茶店「カフェ・バッハ」より、「コスタリカ PN グレースハニー」です。
名前通りのハチミツのような甘さと風味は、他の追随を許さない美味しさを秘めています。そして筆者の最も好きなコーヒー豆でもあるグレースハニーについて、これからご紹介させていただきます。
「コスタリカ PN グレースハニー」はこんな時にオススメ
- ハチミツのような芳醇な甘みを味わいたい方
- 複雑な風味が好みの方
パルプドナチュラルの魅力
今回のコーヒーの銘柄に含まれている「PN」の文字。これは「パルプドナチュラル」という言葉の略称で、コーヒー豆の精製方法(コーヒーの果実から豆を取り出す工程)の一つです。
では、パルプドナチュラルはどのような精製方法なのかと言うと、通常であれば除去されてしまう「ミューシレージ」という粘液質のものを残したまま乾燥させる方法です。
別名「ハニーコーヒー」
このパルプドナチュラルの最大の特徴は、先ほどの「ミューシレージ」によりコーヒー豆の甘みが強くなるという点です。そのため「ハニーコーヒー」という二つ名を持っています。
パルプドナチュラルによる付加価値の上昇や環境的な視点から、グレースハニーの産地でもあるコスタリカでは、近年パルプドナチュラルのコーヒー豆が増えてきています。
芳醇なハチミツと焼き菓子の風味
「コスタリカ PN グレースハニー」は、コスタリカにあるグレース農園で生産されています。このコーヒー豆の面白い点は、甘さと他の味が混ざることにより、名前通りの芳醇なハニーのような風味を楽しむことができるところです。
とろける甘みと香り
フレグランス(挽いた時の香り)は、ハチミツのような甘さに焙煎による香りが混じり、甘い焼き菓子のような印象が強いです。
対して、抽出したコーヒー液から感じられるアロマは焙煎の香りがないため、フレグランスに比べると、かなりまったりとした香りです。ハチミツやメープルシロップといった印象を受けます。
これらの香りの中で感じられる「甘み」は、他のコーヒー豆とは比べものにはならないくらい甘いです。
甘みが奏でる複雑で多様な風味
グレースハニーは口にした瞬間から豊潤な甘みが口いっぱいに広がります。口から鼻へ、ビスコッティやクッキーを思わせる濃厚さと軽やかさを兼ね備えた甘みを、フレーバーとして感じられます。
その一方で、舌の上ではフルーティーさと甘みが混ざった、まろやかなジューシーさを感じることができます。
さらに、その後グレースハニー最大の特徴である「甘み」がジューシーな味わいをまるく包み込み、芳醇な香り立つハチミツのような甘みが余韻として感じられます。そして、余韻は最後にジューシーさが消えて、ナッツ入りのクッキーやマカダミアナッツのような「まろやかな甘み」となって消えていきます。
ペーパードリップ:ジューシーと甘みのコラボ
ペーパードリップで抽出したコーヒーは、他の抽出器具よりそれぞれの風味がハッキリと表れる印象を受けます。特に、ジューシーさと甘みは独立しているくらいハッキリとした差が存在し、飲んでいて非常に面白いです。
抽出方法の一例(コーノ式名門ドリッパー)
- 豆の分量:25g(二人分。250ml)
- 挽き具合:中細引き
- 抽出温度:83℃
- ポイント
抽出温度はカフェ・バッハと同じ83℃で抽出してみました。今回はコーノ式のドリッパーを使用しまたが、カフェ・バッハオリジナルのドリッパーを使用するのも良いかもしれません。
ネルドリップ:芳醇なハチミツ感
ネルドリップで抽出すると、まろやかさが増して柔らかい印象を受けます。コーヒーオイルによるまろやかさがジューシーさを包み込むため、ペーパードリップに比べて、ジューシーさが抑えられている印象です。
抽出方法の一例
- 豆の分量:25g(二人分、250ml)
- 挽き具合:中細引き
- 抽出温度:83℃
- 備考:起毛面を外側にして抽出しました。
- ポイント
芳醇な味を味わいたい場合、細いお湯をコーヒー粉の上に添えるイメージで注ぎ、じっくりと抽出することをオススメします。
フレンチプレス:スッキリ甘み重視
フレンチプレスは器具の特性上、あっさりとした軽やかな味とコーヒーオイルによるまろやかさが前面に出ます。
そのため、ペーパードリップのような顕著なジューシー感はあまり感じられません。その反面、甘みが前面に出てきて存分に感じられるため、夏場など軽やかで甘いコーヒーを飲みたい時にはオススメです。
抽出方法の一例
- 豆の分量:18g(300ml)
- 挽き具合:中粗挽き
- 抽出時間:4分00秒
- ポイント
比較的浅煎りのため、少し細かめに挽いて抽出時間も若干長めにすると良いかもしれません。
Top of the Sweetness「コスタリカ PN グレースハニー」まとめ
グレースハニーは名前の通りまさにハニー、とりわけ高級な芳香の漂うハニーといったところです。ハチミツのように、甘みだけでなく複雑な風味とまろやかさなど感じられる多様な感覚は、病み付きになってしまいます。
筆者イチオシのコーヒー豆である「コスタリカ PN グレースハニー」、是非一度ご賞味ください。
コーヒー豆の情報
- 名称:コスタリカ PN グレースハニー
- 産地:コスタリカ
- 焙煎:ハイロースト
- 購入店:カフェ・バッハ
- 購入店URL:http://www.bach-kaffee.co.jp/