別名「ダッチ・コーヒー」と呼ばれている水出しコーヒーは、専用の容器を使い時間をかけて抽出したコーヒーです。刺激成分が少なく、コクがあり、酸化しにくいという特徴を持っています 。今回は、水出しコーヒーについてご紹介します。

水出しコーヒーの特徴

水出しコーヒーは、水を一滴ずつ滴して時間をかけて抽出していきます。抽出したコーヒーは、スッキリとした飲みやすい味わいになります。

また、冷水で抽出するため、コーヒーに含まれるカフェイン等の成分はあまり抽出されません。粉の粒度によっても左右されますが、一般的に、低温で抽出されたコーヒーのカフェイン含有量は、高温で抽出される場合よりも低いのです。

水出しコーヒーの抽出

水出しコーヒーを抽出する方法には様々なものがあります。ウォータードリッパーというガラス容器でできた専用器具は、各コーヒーメーカーから販売されており、価格も安いものだと2,000円から高いもので10万円のものまであります。

見た目がスタイリッシュでおしゃれなので、インテリアとしても最適です。抽出する時間はおよそ、2〜8時間。時間がかかるように思いますが、寝ている間や通勤している時間に作り、帰宅後に飲む、ということも出来るので、抽出時間を気にしなければ、手間自体はあまりかかりません。

水出しコーヒーに適したコーヒー豆

水出しコーヒーの場合、コーヒー豆は深煎りのものを使います。焙煎が浅いと味が薄くなってしまうため、濃厚な味の出る深入り豆が適しているのです。また、挽き方も、細挽き、もしくは中挽き程度の粉の粒度にすることで、より濃厚ですっきりとした味わいのコーヒーを作ることが出来ます。

ウォータードリッパーでの淹れ方

ウォータードリッパーを使用したコーヒーの淹れ方をご紹介します。1杯分は、コーヒー10gに対し、水100ccを目安とします。

• 落ちてきたコーヒーを受けるサーバーと点滴コックをセットしたら、上ボールに、杯数分の冷水を入れます。（水の温度変化でコーヒーの味が変わる為冷水を使用する）

• ボールの口を詮でしっかりと閉めてから、口を下に向けてセットします。

• コーヒーの粉を入れる部分の底にネルフィルターをセットし、その上に杯数分のコーヒーを入れます。

• 粉を入れたら少しくぼみを作り、全体量の1割くらいの水でコーヒーに水をしみこませ、ヘラなどを使って混ぜ固めます。

＜ポイント＞

コーヒーの持つ油分と水がなじむのに時間がかかります。そのため、このタイミングで全体にムラなく水分がいきわたらせるためにしっかりと混ぜます。

また、コーヒーの粉を混ぜ固めるとき、表面を平らにせず、回りを沈めるようにして中央が山状になるようにすると、中心に一滴ずつ落ちる水が全体にゆきわたるようになります。

• 点滴コックをひねり、軽く水を流しながら量を加減します。3秒に2滴くらいで落ちるように設定します。

• ボールにセットした水が数時間かけて全て落ちきったら、抽出完了です。
  水の温度変化を避けるために、暑い場所での抽出は厳禁です。なるべく涼しい場所に置いて抽出してください。

お手軽な水出しコーヒー

ウォータードリッパーが無くても、もっと簡単に水出しコーヒーを楽しむ方法があります。

• マイボトルに市販のコーヒーバッグと水を入れる

UCCやKEY COFFEEから販売されているコーヒーパックをボトルにいれるだけの簡単な方法。ただし、パックを長時間浸しておくと苦くなるので注意しましょう。

• 専用ポットに粉を入れて一晩待つ

各コーヒーメーカーが販売されている、簡易の水出し用専用のコーヒーポットを使用します。レギュラーコーヒーと水を専用ポットに入れて8時間ほど置いておくだけの簡単なものになります。

水出しコーヒーに適したコーヒー粉の種類

水出しコーヒーにインスタントコーヒーは使用できませんが、レギュラーコーヒーを使えるので、豆を挽く手間も省けます。購入する場合は、アイスコーヒー用か、深煎りのコーヒー豆を「水出し用」に中挽きにしてもらうのがおすすめです。

袋入りのレギュラーコーヒー粉を買う場合、アイスコーヒー用と書いてあるものか、深炒り中挽きがおすすめです。

良質成分を抽出できるウォータードリップまとめ

手軽に美味しいアイスコーヒーが作れるウォータードリップにも、様々な抽出方法があります。お湯で抽出するよりもカフェインなどの刺激成分が少なく、スッキリとした、コクのある味わいを楽しむことが出来ます。

抽出器具が無くても、簡単な方法で水出しコーヒーを楽しむことも出来ます。アイスコーヒーを飲む機会が増える夏に向け、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。