サンフランシスコ発、チョコレート文化の新しい潮流
表題からコーヒーと関係がないのでは?と思われるかもしれませんが、今回紹介するDandelion Chocolate、お店に足を運び、チョコレートについて少しばかり知識を得ることができた感想としては、性質・文化の点においてコーヒーと共通するところが多い、ということです。
最たるものとしては、Bean to Barというチョコレートの新しい潮流。カカオとケインシュガー(さとうきびの糖)のみでミルクや添加物などを使用しない製法。単一産地の豆を選別して製造する点は、まさにコーヒーのシングルオリジン文化と一致します。
Dandelion Chocolateはサンフランシスコを発祥とするチョコレートファクトリー兼カフェの海外初出店舗で、蔵前に2016年2月にオープンしたばかりのお店です。場所は浅草線・大江戸線の蔵前駅から徒歩5分ほど。ここ数年でカフェや雑貨屋などの新店が増えており、若い人を目にする機会が増えているエリアです。
オープンがちょうどバレンタイン時期であったこと、昨年からBean to Barブームが日本でもじわりと来ていたこともあってか、オープン前から話題になっていたようで、開店当日はこちらのチョコレートバーを求めて長蛇の列ができていたそうです。
お店に入ってすぐ左手、ガラス越しには大きな袋に詰められたカカオ豆とその横で作業をしている人が見えます。おそらくはカカオ豆をハンドピッキングしているようです。
1階はファクトリーとカウンターテーブルが数席ほど。注文をするときに奥のファクトリーの様子をみることができます。
製造工程をオープンにすることでクラフトワークの感じを知ることができるアトラクション的な要素があることと、品質に対する安心感を得ることができる点は、清澄白河のブルーボトルコーヒーに通ずるものがあります。
ドリンクメニューもやはりチョコレートを主軸としているお店ですので、モカを推していますが、その他エスプレッソ系メニューやプアオーバー(ハンドドリップ)も揃えていて、種類の豊富さで言えばコーヒーをメインとするカフェと遜色ありません。アメリカーノに使用されるコーヒー豆は両国のSINGLE Origin ROASTERSのブレンドを使用しているとのことでした。
フードはスモア、ブラウニー、ティラミス、スコーン、クッキーなど、一度で制覇するのは無理なので何度も足を運びたくなるラインナップです。
ブラウニーバイトフライトという3種類チョコレートブラウニーの食べ比べメニューもあります。トレイにはそれぞれのカカオ豆の産地とフレーバーが記載されており、シングルオリジンのカカオ豆を提供するこの店ならではのメニューと言えます。
2階は広々50席ほど。高い天井と木の床、ソファー席、テーブル席も余裕のある作りで、ついつい長居したくなる居心地の良さです。
ミッションモカはスパイシーな大人のモカで、甘さは控えめではありますが、チョコレートのコク深さをしっかりと味わえます。香辛料が少し強い印象もあるので、定番のモカが飲みたい、という方はハウスモカがお薦めです。
チョコレートバーに並んで人気なのがスモアと呼ばれるスイーツ。焼いたマシュマロと底にはクッキー、上にはチョコレートと、甘味の王道をいったような一品です。マシュマロの甘さとは対照的にチョコレートは濃厚ながら甘さを抑えてあります。底にあるザクザクとしたクッキーと軽い歯触りのマシュマロ、粘りのあるチョコレートと、食感も非常に豊かです。
今回は土曜日のお昼(12時すぎ)にいきましたが、すでにチョコレートバーは売り切れていました。お店で1本から予約ができますが受け取りまで日数が掛かるので、もし当日欲しいという方は開店と同時を狙っていったほうがよいかもしれません。(Twitterの公式アカウントをチェックしてもいいかも)
Dandelion Chocolate 店舗情報
住所: 都営浅草線/大江戸線 蔵前駅 徒歩5分
移動時間: 東京都台東区蔵前4-14-6
営業時間: 10:00~20:00(L.O. 19:30)
定休日: 年末年始
wifi: なし
電源: 不明
喫煙: 不可