価格も手頃で、抽出後は簡単に捨てられるといった手軽さが、ペーパーフィルターの特徴とも言えます。フィルターが適度にコーヒーオイルを吸収してくれる役割もあるため、すっきりとした口当たりになるのも魅力です。
実際にペーパーフィルターを使ってコーヒーを抽出する場合、用意した豆の量に対してどれだけの抽出量になるのか。ペーパードリップについて見ていきましょう。
コーヒーの豆量と抽出量の目安
※やや粗挽きでカッコ内の豆量にすると、おいしく淹れることが出来ます。
1人分/抽出量:150cc~180cc
- 浅煎りの豆量:10g(12g)
- 中煎りの豆量:12g(15g)
- 深煎りの豆量:14g(17g)
2人分/抽出量:280cc~300cc
- 浅煎りの豆量:18g(21g)
- 中煎りの豆量:22g(25g)
- 深煎りの豆量:25g(30g)
3人分/抽出量:400cc~450cc
- 浅煎りの豆量:25g(30g)
- 中煎りの豆量:30g(35g)
- 深煎りの豆量:40g(45g)
ドリッパーの種類にもよりますが、1度に多くのコーヒーを抽出しようとすると、コーヒー粉がぺーパーフイルターに目詰まりしてしまい、苦みの強いコーヒーとなってしまいます。
そのため、1度に抽出するコーヒーは多くても400cc~450cc(3人分)までが良いでしょう。また抽出量は、1杯あたり150ccを基本に覚えておくと良いと思います。ドリッパーにお湯が残っていても、抽出量に達したらドリッパーを外して下さい。
コーヒーの抽出時間の目安
1人分~2人分だと約2分程度、3人分~4人分だと約2~3分を目安に抽出すると良いです。抽出時間が長くなってしまうと、コーヒー粉の成分が多く出ると同時に、タンニンと呼ばれる渋い成分が出てしまい、コーヒーの味を悪くしてしまうので注意が必要です。
実はコーヒーの抽出では、前半にほとんどの成分の抽出が終わってしまっています。そのため、抽出の後半になると”雑味がたっぷりの薄いコーヒー液”を抽出していることになります。
抽出はお湯の温度にも気をつかう
ドリッパーにお湯が残っていても、抽出量に達したらドリッパーを外して下さい。
お湯の温度は浅煎りの場合、少し高めの高温抽出(88~95℃)、深煎りの場合だと少し低めの低温抽出(78~85℃)で淹れるとおいしいコーヒーを味わうことが出来ます。
お湯の温度が95℃以上だと、抽出ブレが起こりやすいので、1度別のポットに移し替えて温度を落とすと良いです。
ドリッパーの種類別抽出法
カリタ式(3つ穴) ペーパードリップ
抽出量:300cc
- 豆量:25g
- 挽き目:中挽き
- 湯温:85~95℃
- 蒸らし:20~30秒
- 抽出時間:約2分
ハリオV60(1つ穴) ペーパードリップ
抽出量:250cc
- 豆量:17g
- 挽き目:中細挽き
- 湯温:92℃
- 蒸らし:30秒
- 抽出時間:約3分以内
カリタ式(3つ穴) ウェーブドリッパー
抽出量:500cc
- 豆量:30g
- 挽き目:中挽き
- 湯温:93℃
- 蒸らし:30秒
- 抽出時間:約3分30秒
KONO ペーパードリップ
抽出量:200cc
- 豆量:24g
- 挽き目:中挽き
- 湯温:95℃
- 蒸らし:約30秒
- 抽出時間:約3分
メリタ式(1つ穴)ペーパードリップ
抽出量:300cc
- 豆量:28g
- 挽き目:中細挽き
- 湯温:85~95℃
- 蒸らし:30秒
- 抽出時間:約2分半
ペーパードリップの豆量と抽出量まとめ
ドリッパーの種類は様々ですが、コーヒーの淹れ方で共通して言えることは、蒸らしの時間はどれも大体30秒前後行うこと、お湯の温度は95℃以上のものは使わないことです。
そして抽出量は、10gの豆量で180ccのコーヒーを淹れる事が出来る、と覚えておくとよいでしょう。もったいないからといって、最後まで抽出してしまうと、せっかく淹れたコーヒーもおいしく味わうことができなくなってしまうので注意が必要です。
気分によってドリッパーを変え、自分好みの淹れ方を見つけてみるのも楽しいかもしれません。是非参考にされてみてはいかがでしょうか。