コーヒーは苦いというイメージが強いという方が多いのではないでしょうか。しかし、コーヒーを口に含んだときに味覚を最大限に働かせてみると、コーヒー本来の甘みを見つけることができます。ただし、次のような場合は、甘みを感じることはできません。
そこで、甘いコーヒーがお好きな方のために、今回は甘味の強いコーヒーの淹れ方についてご説明します。
甘みのないコーヒーの原因
- 不適切な焙煎で、苦みや酸味が強く出過ぎている。
- ドリップするとき、お湯を注ぎすぎて渋みが出てしまっている。
- 豆が古く、酸化してしまっている。
- 抽出した後、時間が経ってしまい雑味が出ている。
上記以外にも、化学物質過敏症の方で農薬を使用したコーヒーを飲むと、しびれを感じたり、様々な症状が出る場合があるようです。このような場合には、甘みを感じることは難しいでしょう。
甘味が強く出る焙煎を行ったコーヒーは品質の劣化がとても速いので、甘味が維持できるのはほんの数日です。焙煎後のエージングが終了した時点が、甘味の最大のピークといわれています。
甘みの強いコーヒーを淹れるときのポイント
コーヒーメーカーやエスプレッソマシンなど、コーヒーの淹れ方は様々ですが、最もシンプルでおすすめなのはドリッパータイです。
淹れ方のポイントとしては、蒸らした後、抽出の時にできるだけ早くひたひたの状態にします。お湯の太さを細く、スピーディーに円を描くように注ぎます。そして、ひたひたになったらその状態を維持するようにお湯をさします。もし、お湯がよく通るように感じたら、ほんの少しだけコーヒーを細かくひいて下さい。こうすると、非常に高い濃度のコーヒー液ができます。そして、普通より少し早めにきりあげます。
コーヒーの甘味を引き出す条件
甘味を引き出すには、お湯の温度を85度以下にしておかなければいけません。85度以下にすることにより、苦味成分の抽出を最小限に抑えることに繋がります。
また、抽出時間を長めに取ると、クロロゲン酸を多く取り込むことになり、味覚修飾物質の逆の特質で、酸味、渋昧の嫌味な液体になってしまうので要注意。それを理解したうえで、お湯の温度、抽出時間調節によって、目的とする甘味を引き出すことができます。
コーヒーの甘みは油分と結びついています。甘みをしっかりと抽出したいときは、油分を吸収してしまうペーパーフィルターは不向きです。
焙煎度合いの違い
焙煎度合いの味の確定により、甘味成分の種類が異なってきます。
浅煎り
シナモンロースト・ミディアムロースト
酸味中心の段階。苦味・コク・甘味は期待できない。良質の酸味を持つ銘柄で酸味・香りを楽しむ煎り方です。
中煎り
この辺から酸味が少なくなり、甘味が現れます。
ハイロースト
酸味のほかに、すべての味が現れます。
シティロースト
すべての味のバランスがとれます。
こうしたローストでは、甘味を隠す苦味を抑えて、甘味、コク成分を多く引き出すことを抽出条件にします。
深煎り
フルシティロースト
酸味が消え、コク・苦味が中心へと移る。苦味・コク・甘味のおいしさの頂点に達します。
フレンチロースト
さらに苦味・コクに深みがでて重厚感がでます。
イタリアンロースト
苦味・コクの極み。銘柄によってはフラットになってしまうので注意が必要です。
シティローストを中心に、深煎り系はカラメル化反応、アミノカルボニル反応の熱反応が進み、甘味、コクが強い度合いになるのです。甘味は苦味のほんのすぐそばにあります。
甘みの強いコーヒーの淹れ方まとめ
甘味を目的に抽出条件を考えてみて下さい。大切なのは、お湯の温度、注ぎ方、抽出時間ということになります。簡単な調節で甘味の強いコーヒーを淹れることができます。
甘味の強いコーヒーの淹れ方そして、たっぷりの愛情をそそいでください。そうすることにより、始めておいしいコーヒーが出来上がるのではないでしょうか。