☕ 円錐形ドリッパーV60の特徴

おいしいコーヒーを淹れるなら、道具からこだわりたいという方も多いのではないでしょうか。比較的お手頃な値段で、本格的なドリップコーヒーの味を楽しめるのが「HARIO V60」です。円錐型で、内部に溝（スパイラルリブ）があるのが特徴です。

世界中で愛されているHARIO V60ドリッパーについて、具体的な特徴をご紹介します。

円錐形ドリッパーHARIOV60の特徴

一般的な扇形のものと異なり、HARIO V60は円錐型です。円錐型にしたことでコーヒー粉の層が深くなり、注がれたお湯が中心に向かって流れるため、コーヒー粉に触れる時間が長くなります。

それにより、コーヒーの成分がより多く抽出されます。「ネルドリップに近い抽出ができる」と言われる所以です。

ネルは、使うたびに洗わなくてはいけず、乾かしすぎても良くないなど管理が大変です。HARIO V60は、ネルで淹れたような旨味をペーパーフィルターで表現でき、お手入れが簡単なのが魅力です。

ドリッパーの底面に、大きな穴がひとつあるのが特徴です。

大きな穴からペーパーの先端が出ることで、注がれたお湯がドリッパーからの制限を受けることなく落ちます。よって、ネルドリップに近い抽出ができるのです。

また、お湯を注ぐ速度によりコーヒーの味を変えることができるため、各々の好みにあったコーヒーをお楽しみいただけます。

穴が大きくひとつなので、お湯が溜まらず流れます。ゆっくり注ぐと濃厚な味に、手早く注ぐとスッキリした味に。注ぎ口の細いケトルを使うことで、注ぐ湯量を調整しやすくなります。

淹れ方で味に変化をつけられるので、1杯1杯で様々な味わいを楽しめます。

お湯が中心に集まる理由に、内側に刻まれた螺旋状のリブ（凸部）が関係しています。

ドリッパー内部のリブ（凸部）を高く上部まで付けることで、ペーパーとドリッパーの密着をふせぎ、空気が抜ける空間ができます。蒸らしの際に、この空間から空気が抜け、コーヒー粉がしっかりと膨らみます。

ドリッパーの材質ですが、プラスチックとセラミックがあります。

プラスチック製は、比較的安価でお手入れも簡単ですが、耐久性が少し低く壊れやすいです。セラミック製は、値段は幅広く耐久性もそこそこで、重厚なフォルムが味わい深い雰囲気を醸し出します。

どちらも、それぞれの良さがあります。また、カラーもいろいろあるので、使い手の好みに合ったものを選ばれるといいでしょう。

世界中で確固たる人気を誇るHARIO V60のドリッパー。

海外のHARIO V60人気のきっかけは、アメリカのシアトル。好みに合わせてコーヒーを淹れる、「スペシャリティコーヒー」というムーブメントが起きていた2008年当時、使われていたのが「HARIO V60」なのです。

さらに、スペシャリティコーヒーの世界大会でHARIO V60が使われたことも人気の火付け役となりました。今ではアメリカ西海岸をはじめ、各国のカフェやセレクトショップで扱われるようになっています。

愛される所以は、コーヒー通の淹れ方に対するこだわりに応えるクオリティではないでしょうか。また、比較的手に入れやすいお手軽さも、ファンを増やす要因といえます。

他の形状でドリップしていた方も、この機会にぜひHARIO V60ドリッパーを試してみてください。新たなコーヒーの味に出会えるかもしれません。