心地よく晴れた6月の昼下がり。
梅雨の合間の貴重な太陽が、目黒川の青々とした桜の木で木陰をつくる。桜まつりの時期が人気のエリアだが、イベントのないのんびりとした日の方が、街の魅力により一層気付くことができる。
賑わう川沿いから通りを一本奥に入ったところに、ひっそりと佇む上質な空間があった。メニューを立てかけてあるのは譜面台。音楽好きを感じる演出だ。
店内にはジャズが流れ、壁にはレコードと選りすぐりの食器が並ぶ。そこはまるで、大人の秘密基地。
オーナーが選んだアーティストの作品が壁を彩る。販売も行っており、気に入った作品は購入する事ができる。
こんがりと焼けるパンの香りが店内を包み込んで、ふとキッチンに目を向けると、あんこの上でとろりと溶けたバターが、バルミューダの中でスタンバイしていた。
フードメニューのおすすめはトースト。バター、チーズ、あんバターの3種から選べる。
パンは、中目黒駅の目の前に店舗を構えるシティベーカリーのトーストを使用。甘みの強いもっちりした食感が特徴で、コーヒーとの相性が抜群。カリッと焼かれたトーストに、とろけたバターとあんこがたっぷりと乗せられている。あつあつのうちに召し上がれ。
コーヒーは、浅煎りから深煎りで好みのものを選べる。
訪れた日、浅煎りはルワンダの豆を使っていた。熊本のアンドコーヒーロースターから取り寄せたスペシャルティーコーヒーだ。酸味があり、オレンジの様な柑橘系の味がする。
「ジャムの様なとろみを感じられますよ」とバリスタの橋上さん。丁寧に淹れてくれる本物のコーヒーを手軽にテイクアウトできるのも、嬉しいサービス。
コーヒーは、お客さんが来るたびに豆の種類が違い、今日は何かな?と楽しめるように工夫して厳選しているという。
コーヒーに合うチョコレートが添えられているのも嬉しい。
店名のepulor(エプロア)は、ラテン語で宴会の意味。夜はワインを嗜む大人の時間が流れる。
Tannoyのスピーカーから流れるジャズに誘われて、お店に入ってくる人もいるそうなので、はじめてでも気負いせずふらりと立ち寄ってみて。
もうひとつポイントなのは、2019年3月オープンの新しいお店であること。常連になれる場所を見つけたい人にもうってつけだ。
全国のジャズ喫茶を回っているマニアも訪れるこの店。ジャズ喫茶というと、ジャズがメインで、食べ物は二の次というお店もあると言うが、ここは、「音楽・コーヒー・ワインどれもこだわりを持ってやっています」とオーナー。
昼と夜で雰囲気ががらりと変わるのも面白い。バータイムでも、ドリップコーヒー、エスプレッソ、ラテを注文出来るので、夜遅くまで営業しているカフェを探していた方にもおすすめ。
目黒川から一本奥へ逸れた通りだからこその、落ち着いた客層と穴場っぽい空間がたまらない。これから中目黒の秘密基地になりそうなスポットだ。
epulor(エプロア)店舗情報
住所:東京都 目黒区 青葉台1-19-10 エスセナーリオ青葉台 1F
移動時間:中目黒駅より徒歩5分
営業時間:11:00〜18:00カフェタイム 18:00〜24:00 L.O.23:30 バータイム
定休日:月曜
wifi:なし
電源:あり
喫煙:禁煙
TEL:080-8053-1067