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【エチオピア】イルガチェフェ・コチャレ(ウォッシュド)

【エチオピア】イルガチェフェ・コチャレ(ウォッシュド)

イルガチェフェというと「華やかで明るい風味」が印象的な方は多いのではないでしょうか。ナチュラルと呼ばれる精製方法(コーヒーの実から豆を取り出す方法)で作られたコーヒー豆に、多く見られる特徴です。

その一方、ナチュラルと対をなすウォッシュドという方法で精製されたコーヒー豆は、また一味違う表情を見せてくれるのです。

「コチャレ(ウォッシュド)」は、こんなコーヒー。

  • 今回の焙煎:ハイロースト

香り

  • フレグランス(豆の香り)
    華やかだが、ナチュラルのイルガチェフェより落ち着きがあって甘い
  • アロマ(コーヒーの香り)
    シトラス系の爽快感にバラのような柔らかい華やかさがある香り

風味

  • 甘く華やか
  • ナチュラルのイルガチェフェにはない柔らかさ

こんな時にオススメ

  • ゆったり寛ぎたい時に
  • 精製による風味の違いを堪能したい時に
  • 昼間に飲みたいコーヒー

ウォッシュドはなぜ、味が変わるの?

コチャレ ウォッシュド ①

ウォッシュドはクリーンでキレイな風味に仕上がる傾向にあります。一方でナチュラルは「自然・豆本来」と言われるような、コーヒー豆の個性が出やすくなります。

またウォッシュド(水洗)はその過程の中で、欠点豆(いわゆるB級品)が取り除かれます。そのため雑味がナチュラルより出づらい傾向と言われています。

こういった違いからイルガチェフェのウォッシュドでは、ナチュラル特有の華やかさが抑えられます。そのため上品さや甘味が強く感じられるのです。

ペーパードリップ:甘みと上品さ

コチャレ ウォッシュド ②

イルガチェフェというと“シトラス”の言葉が必ず使われるくらい、明るく爽やかな酸味が特徴的です。

もちろんウォッシュドもこのシトラスさを併せ持っています。しかし何といっても驚きは“上品さ”です。この上品さは「ローズ」と表現した方が近いかもしれません。

ウォッシュドのクリーンさは華やかさを抑えてくれるため、甘味が強い印象を与えてくれます。そして余韻もナチュラルの散らばる華やかさと比べると、サラッと流れていくような印象です。

こういった点はナチュラルのイルガチェフェに飲みなれている方が驚かれるかもしれません。

甘い華やかさなら中低温

ウォッシュド特有の柔らかさを出したいのであれば、およそ75~80℃付近の温度がオススメです。この温度より低ければあっさりに、高ければ濃く出てくれます。

そしてその中で、風味を出したい方は長時間じっくりと、柔らかさを出したい方はサッと短時間で抽出すると良いでしょう。

オススメの抽出方法(HARIO V60ドリッパー)

  • 豆の分量:一杯当たり12g(一杯120mlで計算)
  • 挽き具合:中挽き
  • 抽出温度:75℃

ネルドリップ:ベルベットなコーヒー

ネルの柔らかさにウォッシュドの特徴も相まって、酸味と甘みの境界が曖昧になっています。そのためイルガチェフェらしい鮮烈な爽やかさは、かなり抑えられています。

イルガチェフェ特有の明るさがあるとはいえ、舌触りの滑らかさからスウィーティーな余韻まで、イルガチェフェとは思えないソフトタッチなコーヒーです。

オススメの抽出方法

  • 豆の分量:一杯当たり12g(一杯120mlで計算)
  • 挽き具合:中挽き
  • 抽出温度:75℃

フレンチプレス:朧げの良さ

ドリップのようなクリーンな上品さ・後述のサイフォンの甘さと比べると、とても柔らかい印象です。

酸味と甘みのバランスは良く、またこれらの風味は強くありません。口にした時は「ちゃんと抽出できているの?」と疑問すら抱くほど柔らかく朧げです。その後から一足遅れて、甘みが緩やかにフウッっと立ち昇ってきて、甘い余韻がゆったりと尾を引きます。

気を抜きたい時にオススメの一杯です。

今回の抽出方法

  • 豆の分量:18g(容量350mlのプレスを使用)
  • 挽き具合:粗挽き
  • 抽出時間:沸騰したお湯で4分00秒

サイフォン:甘々でサラリ

甘みが強く出たドルチェのようなコーヒーです。

イルガチェフェのシトラス感からは想像しがたい、リンゴや白ブドウのようなサラッと華やかな甘さが印象的です。苦みやコクは弱いため、飲みやすく軽快なテイストはイルガチェフェらしさが表れています。

甘みのあるコーヒーが好みの方や、ゆったり過ごしたい時には、サイフォンの愉しみと併せて寛がれてはいかがでしょうか?

今回の抽出方法

  • 豆の分量:一杯当たり15g
  • 挽き具合:中挽き

「コチャレ(ウォッシュド)」の美味しい飲み方

ミルク・砂糖との相性

  • ミルク:ほどほど
  • 砂糖 :GOOD

軽く・明るくフレーバーを

コチャレ ウォッシュド ③

甘く華やかなテイストのコチャレ・ウォッシュドはオレンジやバニラなど華やかに彩ってくれるアレンジがオススメです。アレンジと言っても大掛かりなものではなく、オレンジピールやバニラオイルで軽くフレーバーをつける程度が良いでしょう。

そうするとウォッシュドのコチャレ特有の甘い華やかさが上手く重なり合ってくれます。

ナチュラルと飲み比べると楽しい、コチャレ(ウォッシュド)

コチャレのウォッシュドを買う際は、併せてナチュラルも購入して飲み比べてみてはいかがでしょうか?コチャレはイルガチェフェの中では見かける機会も多く、手に入れるのはそう難しくありません。

そして同じ地域のコーヒー豆でも精製方法一つでどれだけ違うのか、と実感してみるのも楽しみの一つです。

甘く華やかなウォッシュドのイルガチェフェは、本当に面白いですよ。

コーヒー豆の情報

  • 名称:イルガチェフェ・コチャレ(ウォッシュド)
  • 産地:エチオピア・南部諸民族州・イルガチェフェ地区
  • 精製:ウォッシュド
  • 今回の焙煎:ハイロースト

About the Author

汐井有

モットーは専門化したコーヒーについて、詳細を伝えつつ噛み砕いた説明で興味を持ってもらうこと。 専門的な記事と解りやすい記事の両方を書こうと思っています。