オーリアンという飲み物をご存知でしょうか?
タイ王国では、頻繁に屋台で見かけることのできる飲み物です。時には「タイコーヒー」と呼ばれることもあります。しかし実はなんと、本物のコーヒーではないのです。一体どんな飲み物なのでしょうか??
オーリアンと呼び方
オーリアンはタイ文字で“โอเลี้ยง”と書きます。
英語では「“O-Lieng / Oliang”や“Thai Iced Coffee”と呼ばれています。オーリアンの由来は中国系タイ人の方言で「烏涼(カラスのように黒くて冷たい飲み物)」という言葉の発音から来ています。
オバルチンと間違えないで!
タイではオーリアンとよく似た飲み物が、屋台のコーヒーショップで売られています。その名も「オバルチン(เครื่องดื่ม, Ovaltine)」です。こちらは麦芽を用いたココアのような飲み物です。
タイ人の発音を聞いていると「オーァンティン」と聞こえます。そのためオーリアンと間違われないように気を付けましょう。
タイ文字を見せて注文しよう
オーリアンは基本的に屋台で買って飲みます。しかし屋台のコーヒーショップは英語がほぼ通用しません。そのためコミュニケーションが取れず、オーリアンを注文したのに、オバルチンが来ることが時々あります。
そのためにタイトルにオーリアンのタイ文字表記を載せているので、注文の際は文字を見せることが無難でしょう。
オーリアン=コーヒー豆+焙煎した穀類
現在多く見られるオーリアンは、コーヒー豆と穀類を混ぜて、ネルドリップを用いて抽出した飲み物です。
本来のオーリアンは、焙煎したタマリンドの種(画像参照)・とうもろこし・ゴマなどを使用しています。つまりタンポポコーヒーのような代用コーヒーです。しかし現在は(少なくともバンコクでは)、経済発展に伴ってコーヒー豆とブレンドしたものが多く見られます。
コーヒーとは味がどこか違いますが、コーヒーのような美味しい飲み物です。
冷たくて甘いオーリアン
オーリアンの特徴は大きく2点あります。一つ目は必ずアイスコーヒーで提供されるということ。もう一つがタイのコーヒー全般で言えますが、甘味料とミルクを加えるということです。
暑いタイではCOLDのオーリアン
他のコーヒーと異なり、オーリアンは何も言わなくてもアイスで出てきます。そもそもオーリアンに「HOT/COLD」の選択肢が見られません。基本的にCOLD一択です。
家庭用のオーリアンのビン詰めも、氷で薄めて程よい濃さになるように調整されています。
甘~いオーリアン
オーリアンは基本的に甘いです。
タイのコーヒーの屋台では、必ずと言っていいくらい、練乳・ミルク・ガムシロップが置かれています。そして注文の時に何も言わなければ、それらを大量投入されます。
一度ブラックで注文したのですが、その時は店員さんに「?」と不思議な顔をされました。もしかするとオーリアンには、無糖という概念が無いのかもしれませんね。
屋台で飲むオーリアン
屋台のコーヒー屋さん
「コーヒーはカフェで飲む」という印象が強いかもしれません。しかしオーリアンを最も見つけやすい場所は、屋台のコーヒーです。屋台は基本的に手軽に飲むコーヒーを販売しているため、カフェと比べると置いている確率が高いです。
エスプレッソの屋台にはご用心
屋台には、必ずオーリアンを置いているとは限りません。
筆者の実体験ですが、エスプレッソがメインの屋台では、「オーリアン」と注文したのに「アイス・アメリカーノ」が出てくることがあります。これは薄めたアイス・エスプレッソがオーリアンに近いからです。
どこか近年はエスプレッソブームによって、オーリアンを販売している店が少なくなっている気がします。お探しの方は、エスプレッソマシーンの置いていないコーヒー屋台に行くと、オーリアンに辿り着きやすいでしょう。
スーパーでも買える「オーリアン」
スーパーでもオーリアンを購入することが出来ます。画像のようなインスタントタイプのビン詰めが売られているので探してみてください。
このビン詰めタイプのものは、基本的に甘味料が入っていて、氷で割って程よい濃さになるようになっています。そのため氷を入れたグラスに注ぐだけで簡単に飲めてしまいます。
買うなら庶民向けのスーパーマーケット
一つ気を付けて頂きたい点があります。
それはオーリアンが代用コーヒーという性質上、都心部の高級スーパーやお土産店では、あまり販売されていません。おすすめのスーパーは“BIG-C”というウォルマートのような大型スーパーです。ここには基本的に置いてあります。
タイへ行ったら「オーリアン」を飲んでみよう
タイ観光の名物と言えば、屋台でのご飯や市場巡りです。そのような場所では、朝から昼にかけてオーリアンの屋台を見かけることが出来ます。タイ旅行や出張に行かれた際は、オーリアンを飲んでみてはいかがでしょうか?