業務用の焙煎機には、豆温度と排気温度を示す温度計がついています。この温度計はコーヒー豆を焙煎する上で重要な役割を果たしています。今回は、排気温度を表すイグゾーストテンパレーチャーについてご紹介します。
イグゾーストテンパレーチャーについて
イグゾーストテンパレーチャー(exhaust temperature)とは、排気温度のことで焙煎機の排気ダクト中の温度を示す、焙煎を行う上で目安となる数値のひとつです。
焙煎は温度管理が大切
コーヒー豆の焙煎をするためには、焙煎機の操作方法やコーヒー生豆の過熱による変化を知ることも大切ですが、毎日のデータ管理が重要になります。焙煎する環境温度は日々変化しており、いつも同じ状態で焙煎を成功させることは難しいため、焙煎を習得するには経験値が必要となってきます。
収穫時期や銘柄によっても条件は異なる
そのひとつのデータとして、焙煎中の豆の温度・排気温度・環境温度など、日々の温度変化と管理が大切になってくるのです。焙煎する生豆の水分量が収穫時期や銘柄によって異なることも、焙煎を難しくさせる要因のひとつとなっています。
焙煎における排気の機能
焙煎機の排気機能は、コーヒー豆の焙煎過程で発生するチャフや煙を排出する役割の他、火の燃焼を促す流量の調整も行います。排気を行うと熱が逃げ釜の温度が下がるので、絶妙なダンパー操作で釜の温度を保ちつつ排気を行う必要があります。
排気は味にも影響する
焙煎による加熱が進みコーヒー豆の水分が抜けると、コーヒーの薄皮である「チャフ」がはがれますが、このチャフを排出しないと、チャフが焦げコーヒー豆の香味に影響する恐れがあります。また、加熱により発生する煙も香味に影響するため、速やかに排気する必要があります。
焙煎時の注意点
コーヒー豆は釜の温度が100℃前後を超えてくるあたりから色付き始めます。コーヒー豆は加熱することにより化学反応を起こし、コーヒー豆独特の風味や味わいをひきだします。豆ひとつひとつが均一に加熱されるように焙煎することが大切です。
理想的な焙煎のために必要なこと
理想的な焙煎とは、コーヒー豆をひとつひとつ均等に加熱し、コーヒー豆の香味成分を引き出すことです。そのためには釜の温度、排気温度、排気の流量をコントロールするダンパー操作はかなり重要だといえますが、焙煎機の伝熱方式や、メーカーによって焙煎そのものに差が出るのも確かです。
理想的な焙煎のためには、その焙煎機の特徴を把握した上で、排気温度も含め、しっかりと管理することが大切です。
焙煎時の温度を表す「イグゾーストテンパレーチャー」とはまとめ
イグゾーストテンパレーチャーとは、焙煎時の排気温度のことを指します。焙煎にとって排気温度は釜の過熱状態を知る上で重要な数値で、排気の機能にもコーヒー豆のチャフや煙を飛ばすなどの大切な役割があります。
排気の際に釜の温度を保つことは焙煎を成功させるポイントであり、合わせて豆温度を調整したり、環境温度を把握するなど総合的な情報が焙煎を行う上で重要なデータとなります。