「サングロウンコーヒー」をご存知ですか?コーヒーノキの栽培方法には、日陰の下で栽培する方法と、太陽光で育てる方法があります。今回は、太陽光で育てるサングロウンコーヒーについて見ていきましょう。
サングロウンとは
サングロウンとは、sun(太陽)でgrow(育つ)という意味で、その名の通り太陽光でコーヒーノキを栽培する方法のことです。コーヒーの栽培に適している熱帯雨林地域「コーヒーベルト」の森林を焼き払い、広大な農地として収穫量を増やすことを目的とした栽培方法です。
太陽光で栽培する理由
コーヒー豆の生産性を上げることを目的としたサングロウン栽培。森林を伐採し農地を拡大することで、コーヒーノキだけを大量に植えることが可能となり収穫量を増やすことができます。収穫時にはコーヒーノキ以外の植物が混ざることもないので、マシンによる収穫作業も可能となり人件費を削減することも可能です。
サングロウンのメリットとデメリット
サングロウン栽培のメリットは、収穫量が多くなることで生産性が上がることです。その代償としてデメリットも多く、直射日光を浴び続けたその土地の“土”も劣化してしまうため、栽培に必要な土壌の養分が得られなくなり、その結果、コーヒーを育てるために化学肥料や農薬に頼らざるを得なくなってしまいます。
サングロウンの問題点
サングロウンコーヒーは、大量栽培・大量収穫という商業的な側面が強く環境的な配慮がないため、森林伐採による定住動物たちの生息環境の破壊につながり「もともとの自然の生態系が崩れてしまう」という点が大きな問題として取り上げられています。
相対する栽培方法「シェードツリー栽培」
森林伐採による広大な農地拡大を目的としたサングロウン栽培に対し、熱帯の森林を利用し木陰の下でコーヒーを栽培する「シェードツリー栽培(木陰栽培)」が近年では注目されています。シェードツリー栽培のデメリットとして、森林のなかで栽培するため機械による収穫が困難となり、手摘みによる収穫になります。
シェードグロウンについてはコチラ
サングロウンは途上国で取り入れられている?
サングロウンコーヒーは、外貨収入をコーヒーに頼っている途上国が取り入れることが多くなっています。その一方で、農薬による土壌や水質の汚染による被害が報告されているとのこと。ただし日本では、食品衛生法の基準にひっかかる農作物は流通することはまずありません。スーパーなどで手に入るコーヒー豆はまず安全と考えて良いと思います。
サングロウンとは まとめ
サングロウンとは、コーヒーノキを太陽光で栽培する方法で、外貨収入に頼っている途上国が、コーヒーの生産拡大のために取り入れるケースが多くなっています。コーヒーを守る自然の生態系を壊してコーヒーのみを育てる農法のため、コーヒーの成長のために化学肥料や農薬を使用せざるを得ないので、環境汚染につながってしまうこともあるようです。