コーヒー豆を販売しているお店に行くと、必ず「ブルーマウンテン」や「エメラルドマウンテン」のような「マウンテン」という名を冠するコーヒー豆が販売されています。
どこでも見かけることが出来るため見過ごしがちですが、どうして多いのだろうかと気になりませんか?実は「マウンテン」の名前にはコーヒーの品質や販売戦略など様々な理由があるのです。
理由①:コーヒーと山
良いコーヒーと環境
コーヒー豆は寒暖差の激しい地域で栽培すると風味がよくなる傾向にあります。これは寒暖差によりコーヒーノキに適度にストレスが加わることで、栄養を蓄えるようになり風味が増すからです。
標高とコーヒー豆の品質
コーヒーベルト(北回帰線~赤道~南回帰線の間の地域)の山という環境は、昼は暑く、夜は標高が高いために冷えます。つまり山での栽培はコーヒーにとって最適なのです。
また、グアテマラなどでは栽培している山の標高でランク付けされます。「グアテマラSHB」や「ホンジュラスHG」という名前を見たことありませんか?この「SHB」や「HB」は標高に基づいて付けられたランクなのです。
このようにコーヒー豆と山というのは、評価の面で非常に重要です。そのため高品質さを示すために「●●マウンテン」と表記するのです。
理由②:ブランド化された「マウンテン」
「●●マウンテン」というコーヒー豆を見ると美味しそうだなと思いませんか?
先ほどお話ししたように、山腹で栽培されるコーヒー豆は高品質です。そのため、「ブルーマウンテン」や「エメラルドマウンテン」のように高級なコーヒー豆が多く、ブランドとしてのイメージが定着したのです。
そのため、「●●マウンテン」という名のコーヒー豆は、良い印象を受けるようになりました。
ブランド化「するための」マウンテン
「マウンテン」の名前がブランド化されたことをお話ししましたが、そうなると反対に「ブランド化するために」マウンテンの名前を付けるコーヒーが出てきました。
ブランド化されたため「マウンテン」の名を冠するだけで好印象を与え、またブルマンやエメマンの認知度から「コーヒー=●●マウンテン」という印象もあります。
そのため販売戦略として、マウンテンの名を冠して世にコーヒー豆が送り出されることがあるのです。
実際に高品質なマウンテン・コーヒー
しかしマウンテンの名は、売りたいからと言って簡単に冠することが出来ません。
ブルマンやエメマンは高級なコーヒーでも知られ、特にブルマンは100gあたり2,000円以上することもあります。そのため、ブルマンやエメマンに劣らない品質まで高めなければ、相対的に見劣りしてしまうのです。
見劣りしてしまうと、当然売れ行きに影響が出てしまいます。また場合によっては、その国のコーヒー産業のイメージをも悪くしてしまう可能性があります。つまり裏を返せば、マウンテンの名を冠するコーヒーともなると、必然的に高品質であることが求められるのです。
マウンテン・コーヒーの代表銘柄
- ブルーマウンテン・ハイマウンテン(ジャマイカ)
- エメラルドマウンテン(コロンビア)
- クリスタルマウンテン(キューバ)
- アンデスマウンテン(エクアドル)
- コーラルマウンテン(コスタリカ)
- ガヨマウンテン(インドネシア)
- マウントハーゲン(パプアニューギニア)
- レッドマウンテン(ケニア)
ここ挙げたものは多くのお店で見かけることができる銘柄で、実際には「マウンテン」を冠する銘柄は、もっと多く存在しています。マウンテンの名を冠するコーヒー豆を探して回るのも意外と楽しいですよ。
なぜ「●●マウンテン」というコーヒー豆が多いのか?まとめ
コーヒーと山の関係や販売戦略などマウンテンを冠する様々な理由がありますが、総じて言えることは「品質が良い」ということです。
そのためマウンテンの名を冠するコーヒーは、一般的な市販のコーヒー豆と比べると価格が高めという傾向が見られます。頻繁に購入することは難しいですが、時々美味しいコーヒーを飲みたくなった際は、探してみてはいかがでしょうか?