日本のスペシャリティコーヒーを牽引する兄貴的存在
清澄白河が「コーヒーの街」と呼ばれるようになったのはほんの半年ほど前ではありますが、瞬く間に店舗が増え、Blue Bottle Coffee、ALLPLESS ESPRESSOといった海外の有名ロースタリーからSunday Zoo、fukadaso cafeなど、アットホームな雰囲気漂うカフェまでバラエティに富んでいます。また、駅前は東京都現代美術館をはじめギャラリースペースも点在しており、「アートの街」という側面も持ち合わせています。
今でこそカフェやアートを巡る若い人たちが多く見られますが、2000年に都営大江戸線が、2003年に東京メトロ半蔵門線が開通する前は決して交通アクセスが良い地域ではなく、隅田川が流れる下町の風情漂う落ち着いた街でした。
現在でも清澄庭園や深川めしといった昔ながらの名物を残しつつ、時代の流れを柔軟に受け止め、「変わりながら伝統を守り続けている街」と言えます。
さて、2015年2月のBlue Bottle Coffee開店から遡ること約1年半、ARISE COFFEE ROASTERS は2013年9月にオープンしました。「コーヒー×清澄白河」の掛け合わせで避けて通れない名店と言っても過言ではありません。雑誌のカフェ・コーヒー特集には必ずと言っていいほど取り上げられ、地元の常連客、海外からの観光客、果てにはBlue Bottle Coffeeを目当てに訪れたお客をも虜にする、清澄白河エリアのスペシャリティコーヒー店を牽引しているお店です。
店内5席、道路沿いの長椅子に5席ほどの密接感ある店内。カウンターに所狭しと並んだコーヒー豆と大きな焙煎機は、カフェというより工房という表現の方が近い印象です。
この日の豆は9種類ほど。オーナーが農園まで直接足を運び厳選された豆は、お店で焙煎。スペシャリティコーヒーは酸味をウリとしているため、いずれも豆は浅煎りで、基本はブレンドせずシングルで提供されます。
メニューはドリップコーヒーのみ、豆は都度変わりますし、種類の多さに少し入りづらいイメージを持ってしまうかもしれませんが、オーナーが好みを聞いてお勧めを出してくれますので安心です。
今回はエチオピア YIRGACHEFFE G1 ベレカ を注文。エチオピアの中でも最高品質のひとつと呼ばれているコーヒーは、浅煎りのフルーティな酸味が口に広がります。エッジの効いた力強い味わいは、決して万人受けする味ではないのかもしれませんが、他店ではなかなか飲むことができない「スペシャル」な一杯です。
店内は散歩途中の犬を連れた女性の方、常連と思わしき地元の人たち、海外からの観光客、オーナーを慕って訪れる若い男性などが入れ替わりで訪れます。コーヒーには世代や国境を問わず、万人に共通して受け入れられる飲み物であることを改めて感じると共に、オーナーの明るくフランクな人柄に惹かれて自然と人が集まってくるのも判りました。
2014年9月には姉妹店のARiSE Coffee Entangleをオープン。こちらはROASTERSとは内装のテイストが全く異なり、白い壁とアンティーク調の棚、ダウンライト等スタイリッシュに纏められており、入りやすい雰囲気となっています。清澄庭園と仙台堀川に挟まれた長閑な空間で、上質なコーヒーで是非一休みしていただければと思います。
ARISE COFFEE ROASTERS 清澄白河
住所: 東京都江東区 平野1丁目13−8
移動時間: 都営大江戸線清澄白河駅A3出口から徒歩6分
営業時間: 火~日 9:30〜18:00
定休日: 月曜日
wifi: なし
電源: なし
喫煙: 不可