下町の優しさと柔らかさを感じるコーヒー
下町のコーヒー激戦区と言えば清澄白河。話題の人気店が連日のようにメディアに取り上げられ、江東区出身の私としては、半蔵門線も大江戸線も通ってなかった時代を知っているだけに非常に感慨深いです。 そんな清澄白河の北側、小名木川を越えて森下方面まで足を運ぶ人々はまだまだ少ないのですが、ちらほらと新しいお店も登場してきております。
The Northwave Coffeeは都営新宿線・大江戸線の森下駅から清澄白河の方向に向かって7,8分。個人経営のお店が建ち並び下町の風情が色濃く残る商店街、通称「のらくロード」に2015年6月に出来たばかりのお店です。 「のらくろ」とは対照的な白を基調とした店内は、シンプルながらもアットホームで柔らかい感じ。良い意味で雑多な下町の商店街に意外にもマッチしています。
縦長な店内、カウンターに向かい合う形の長椅子があるのみでテーブルは置いていません(立ち飲みカウンターは一つあります)。10人は入らないであろう店内はアパレル系の店舗ではよく見かけるタイプですが、コーヒーショップでは珍しく、コーヒーを通じてコミュニケーションの距離を縮めたい意図があるのかもしれません。所謂「鰻の寝床」と呼ばれるこの縦長の店舗は、あえてマスターが探してきたとのことで、話し好きなマスターらしいチョイスです。
そんなマスターは、元々は下町とは無縁の北海道出身。コーヒーに魅入られ、都内のコーヒーショップを渡り歩いた末にオープンしたとのこと。エチオピア縛りで一日に何軒もの回ったりと、お店を出すまでに独自の研究を重ねてきたことが伺えます。なぜ清澄白河から一歩引いた森下という立地を選んだのか理由を聞いたところ、のらくロードの雰囲気と「この土地が僕を呼んでいると思った」とのことです。
豆は常時6から8種類ほど揃えているとのことです。今回はエチオピア(250円)を注文。小さめのグラスで量は控えめですが、リーズナブルな価格なので2種類以上を飲み比べすることも視野に入れての提供かと思います。ドリップは豆を選んでからミルで挽いて、ハンドドリップしてもらいます。深入りで酸味を抑えた柔らかい味。コーヒー感を抑えた軽い味わいが女性客に人気とのことです。
なお、席からは奥の様子は詳しく見ることはできませんでしたが、自家焙煎をしているとのことです。
清澄白河は昨今のコーヒーブームから数年前には予想できなかったほど多くの人でにぎわっていますが、より下町感を感じながら半歩引いて、ゆっくりとコーヒーを味わいたい人は一つ隣の森下で下車していただき、こちらのコーヒーを片手に清澄白河方面に歩いてみるのも良いかも知れません。
お店は12時から19時まで。お客さんから「閉まる時間が早い」と言われたらしく、夜の時間帯を延長する予定とのこと。仕事帰りのサラリーマン、OLもより気軽に立ち寄れる営業時間になると思いますが、オープンしてから一日も休まずお店を開けているため、体調に気をつけて長く愛されるお店となっていただきたいです。
The Northwave Coffee 森下 店舗情報
住所: 東京都江東区高橋14-24
営業時間: 12:00~19:00
定休日: なし
wifi: なし
電源: 不明
喫煙: 不可