炭酸コーヒーとは、その名のとおりコーヒー入りの炭酸飲料のことです。日本ではあまり聞きなれない飲み物ですが、世界各国で周期的に販売される傾向があります。
アメリカではコーラコーヒーなるものが販売されていたり、イタリアでは「モカインスティンクト」というエスプレッソコーヒーを炭酸で仕上げた製品が、食事とともに好んで飲まれていたりします。
聞きなれないだけで日本にも炭酸コーヒーの歴史はあります。ではこの炭酸コーヒー、日本ではどのようにして誕生したのでしょうか。
炭酸コーヒーの誕生
1954年(昭和29年)に東京の鳥井飲料が『コーヒーサイダー』という商品名で商品化したのが最初です。当時は「一家揃って晩餐後楽しめるもの」として好評だったとされています。
缶入りでは1975年(昭和50年)にアートコーヒーが『コーヒースカッシュ』として販売されたのが最初でした。しかし、嗜好性の高さからなかなか定着するのが難しかったようです。
2000年に入って、様々なメーカーから短期間での発売が何度かありましたが、爆発的な人気というわけではなく、好きな人にとっては店頭で見かけるとすぐに購入する、という状態だったそうです。
その後本格的な販売としては、2013年にサントリーが新商品として「エスプレッソーダ」が発売されました。
なぜ再び炭酸コーヒーは販売されたのか
再び販売されるに至った背景には、炭酸飲料のゼロカロリーブームがあります。このゼロカロリーブームにより炭酸市場は伸び、30代以上の大人の飲用が増加しました。このことにより、コーヒーなどの嗜好飲料購入者を呼び込むために、30代以上の大人に向けた、嗜好度の高い炭酸(コーヒー炭酸)の開発がされました。
また、技術の進歩も再販のきっかけとなっています。これより以前に販売されたものは、酸味が際立っていたり、甘さが際立っていたりと、より嗜好度の高い味になっていたそうです。
しかし、記述や製法の進歩により、甘さの程度や質、香り、炭酸のスッキリ感にこだわって商品の開発ができるようになりました。そのため以前よりも、よりコーヒー感のある親しみやすい商品が増えました。その独自の製法は特許の申請も受けています。
炭酸コーヒーの味の特徴
単純にコーヒーと炭酸を混ぜた製品、というよりは新しい炭酸飲料としてとらえたほうがいいかもしれません。メーカーによっては、コーヒーの他にもレモンなどの柑橘系の香りが加えられていたり、エスプレッソのブラックコーヒーだったりと様々です。また、あえてカフェインを増量した商品もありました。
炭酸コーヒーの歴史まとめ
メーカーによってはテスト販売的な商品であったものもあり、現在は手に入りにくい状況にあるようです。しかしながら、少しずつ改良され、より多くの人が楽しめるよう工夫されてきています。これから先、炭酸コーヒーがソフトドリンクとして定着する可能性は十分あると言えるでしょう。
もし見かけたらぜひ手に取って、味わってみてください。今までにない体験ができること間違いなしです。