ドイツと言えばビールのイメージが強いですが、実はコーヒーの消費量も多い国。ドイツの方々がどのようにしてコーヒーを楽しんでいるのか、ドイツのコーヒー文化とその特徴について見ていきます。
ビールだけじゃない!コーヒーが好きなドイツ人
オクトーバーフェストが日本に定着してきた影響もあってか、ドイツと言えば「ビールとソーセージ!」といった印象が強いですよね。しかし、ドイツは世界的に見てもコーヒーの消費量が多いコーヒー大国です。
純粋なコーヒー消費量はアメリカ、ブラジルに次いで世界第3位。国民一人あたりの消費量でみてもヨーロッパの平均値よりも高く、やはり“コーヒーは生活に欠かせないもの”と見ることができます。
多様な飲み方でコーヒーを楽しむ国家
歴史的にみると、ドイツは他国のコーヒー文化を取り入れながら独自の技術を開発してきた、という経緯があります。隣国のフランスでは「カフェオレ」、イタリアでは「エスプレッソ」や「カプチーノ」、オーストリアでは「ウィンナーコーヒー」と、各国で有名なコーヒーがありますが、実はドイツにはありません。
ドイツでも、元々はトルココーヒーのような豆を煮だすスタイルで淹れていましたが、サイフォン式の淹れ方やペーパードリップ方式を発案したりと、現在世界でスタンダードになっている飲み方を開発してきています。
元々はドリップコーヒーが主流
ドイツ人は、元来ドリップコーヒーを好んできました。現在でも、年配の方々はドリップコーヒーを好んで飲んでいます。
しかし、若者を中心に多くの方に、エスプレッソやラテといったイタリアで主流のコーヒーが人気を集めており、それに合わせて強い焙煎のコーヒー豆の売上も伸びているようです。
ドイツの人々は日本人の嗜好に近く、基本的にコクのあるコーヒーを飲みます。いわく、パンやチーズなどのドイツの朝食には、ドリップで淹れたコーヒーが合うからなのだそう。
ケニアやタンザニアから輸入した豆を多く使う
ドイツコーヒーの特徴として、ケニアやタンザニア(キリマンジャロ)といった国の豆をよく使うということが挙げられます。どちらも爽やかな酸味が特徴的ですが、焙煎次第ではしっかりとした苦味を感じられるバランスの取れた豆です。
これらの品種は日本でもポピュラーなものですよね。コクがあって香り高いコーヒーが好みという点では、やはりドイツ人と日本人は近い味覚を持っていると言えるかもしれません。
自分用コーヒーメーカーを持ち込むこだわりっぷり
味にこだわるドイツでは、職場に自分専用のコーヒーメーカーを持ち込んでいる人が多いのだとか。
コーヒーに限らず、ドイツ人は味や物にこだわる人が非常に多いと言われています。いくら職場で飲むコーヒーとはいえ、「自分の物は自分で用意したい」という個人主義的な発想からくるドイツの文化なのでしょう。ドイツ人が一杯のコーヒーにかける情熱には素晴らしいものを感じます。
ペーパードリップの母
ドイツの“コーヒーメーカー”と言えば、ペーパードリップで有名な「メリタ」。現在日本でも親しまれているペーパードリップ式の飲み方は、ドイツの都市ドレスデンに住む主婦、メリタ・ベンツによって考案された飲み方です。
メリタは、夫に美味しいコーヒーを飲ませたい一心でひたすら試行錯誤を続け、1枚のろ紙で“濾す”方法に至ったのです。
「メリタ」の歴史についてはコチラから
ドイツのコーヒー文化とその特徴 まとめ
世界有数のコーヒー消費国家、ドイツについてみてきました。日本でもメジャーなコーヒー豆を使っていることや、ドリップコーヒーを好むといった点をみてみると、日本人好みのコーヒー文化のようにも思えます。
また、現在日本でもメジャーなコーヒーの淹れ方として親しまれている“ドリップ式”。ドイツのとある主婦の“想い”によって生まれたものだってご存知でしたか?