今回ご紹介するコーヒー豆はタイトルにあるように「欠点豆」です。
「欠点豆なんて飲んでも大丈夫なの!?」と思うかもしれませんが、「ブラジルRIO」は他の欠点豆とは一線を画した欠点豆なのです。一体どんな欠点豆なのでしょうか?
「ブラジルRIO」は、こんなコーヒー
風味・特徴
- 焙煎:ミディアムロースト
- 独特のリオ臭と風味
- 好き嫌いが分かれるコーヒー豆
オススメの抽出方法
- ペーパードリップ
- フレンチプレス
相性
- 砂糖 :良くない
- ミルク:良くない
- お菓子:コーヒー単体で飲むことを強くお勧めします。
こんな時にオススメ
- 「ゲテモノ」コーヒーを探しているとき
- 独特さの極限を求めている方
RIOとは?
まずこのコーヒーを飲む前に「RIO」の意味を知る必要があります。「RIO」は多くの方の想像通り、ブラジルの「リオデジャネイロ」のことです。ではなぜ「リオ」と呼ばれるのでしょうか?
RIOの最大の特徴:薬品と土の臭い
まず豆の香りを嗅ぐと、薬品と土臭さを足して2で割った臭いがします。有機肥料あるいは消毒に使っていた赤チン、といった表現が最も近いかもしれません。この臭いが「リオ臭」と呼ばれるものです。
厄介な点が見た目は全く問題がなく、香りを嗅いでみないと解らないところです。
なぜ「RIO」と呼ばれるのか?
この臭いの原因が「リオデジャネイロ周辺の土壌」といわれています。
リオデジャネイロ周辺の土壌はヨード臭という特有の臭いがします。そして効率の観点からブラジルの大農園では、地面にコーヒーチェリー(コーヒー豆を含んだ果実)を叩き落とします。すると土壌と触れたコーヒーチェリーからリオ臭がすると言われています。
リオデジャネイロ付近にこの土壌が多いことから、この臭いがするコーヒー豆を「RIO」と呼ばれるようになったのです。
欠点豆か?珍味か?
一般的にRIOは欠点豆として扱われます。しかし他の欠点豆と大きく異なる点が、「市場で流通している」という点です。つまり、わざわざ購入する人がいるのです。
多くの方は薬品臭や土臭さから敬遠しがちですが、この独特すぎる香りを好む人もいるのです。ある意味コーヒーにおける珍味かもしれません。
ペーパードリップ
苦みや酸味に関しては、一般的な「ブラジル・サントス」のように平凡な風味で、これといった個性はありません。それが吉と出たのか凶と出たのか、ヨード臭が独り勝ちしています。ストレートに口内にヨード臭が広がり、ヨード臭以外の味がしません。
ヨード臭自体は複雑ですが、コーヒーそのものは個性が弱いためスッキリしています。そのため余韻もヨード臭しかしません。
「至れり尽くせりヨード臭」といった感じのコーヒーです。
今回の抽出方法
- ドリッパー:HARIO V60ドリッパー
- 豆の分量:25g(二人分、250ml)
- 挽き具合:中挽き
- 抽出温度:80℃
ネルドリップ
風味に関しては基本的にペーパードリップとほぼ同じです。しかし異なる点が、滑らかで柔らかい味に仕上がるネルドリップのヨード臭の広がり方です。
ペーパードリップは先ほど「ストレート」とお話ししたように、下に向かって一直線ダイレクトにヨード臭が感じられます。しかしネルドリップは、柔らかく「モワッ」とヨード臭が満遍なく広がります。
「モカの複雑さでは物足りない!」という方はネルドリップでRIOを抽出してみると良いかもしれません。
今回の抽出方法
- 豆の分量:25g(二人分、250ml)
- 挽き具合:中粗挽き
- 抽出温度:80℃
フレンチプレス
香りはしっかりとRIOらしさを感じられますが、意外と味に関しては他の抽出方法よりクセが弱めで飲みやすいです。フレンチプレスというとコーヒー豆の風味がそのまま出るため、強烈な風味になると思いがちですが、その飲みやすさには驚きです。
ヨード臭に関してはフワッと漂う程度で、こちらもネルドリップと比べると弱めです。ただ弱めといってもあくまで「他の抽出方法と比べて」であり、別の豆と比べるとクセがある点は気を付けてください。
今回の抽出方法
- 豆の分量:18g(容量350mlのプレス)
- 挽き具合:粗挽き
- 抽出時間:4分00秒
オススメのアレンジ:スパイスを加えて飲む
独特なヨード臭をそのまま飲むと、日本人にはクセの強すぎるコーヒーに仕上がってしまいます。
そこでオススメのアレンジが「スパイスを加える」ことです。スパイスで加えることで、飲みやすく、そしてRIOの良さを引き立てることが出来ます。
どんなスパイスを加えると良いのだろうか?
- シナモン
多くの家庭にもあるスパイスと言えばシナモンでしょう。実際にコーヒーに好んで加えられる傾向があり、RIOとの相性も良いです。 - カルダモン
中東地域で好んで用いられるスパイスがカルダモンです。後にお話しするカフワ・アラビーヤもカルダモンが用いられます。 - ナツメグ・ジンジャー
他にも、これらナツメグやジンジャーもアレンジで用いられることがあります。一般的にコーヒーに用いられるスパイスは、エスニックな味と表現されるスパイスを用いることが多いです。
スパイシーなカフワ・アラビーヤ
カフワ・アラビーヤ。直訳すると「アラビアのコーヒー」で、淹れ方はマニアックなトルココーヒーと同じです。ただトルココーヒーと異なる点が、スパイスを加えているという点です。
スパイスはカルダモンが基本ですが、好みに応じてシナモンやジンジャーなどを加えるのもオススメです。独特な風味のRIOとスパイスは、互いに個性を引き立てていて、意外とイケるコーヒーです。
一般的には画像のような「ジェズヴェ(イブリック)」という銅製の小鍋を用いますが、家にある12cmほどの小鍋を用いても構いません。
素晴らしい欠点豆「ブラジルRIO」まとめ
個人的感想
おそらくゲテモノのコーヒーとしては、「コピ・ルアク」と並ぶくらい個性がもの凄いコーヒー豆です。そのためコピ・ルアク同様に好みの分かれるコーヒーでしょう。
毎日飲むにはあまり向きませんが、たまにこのヨード臭のコーヒーを飲んでみるのもいいかもしれません。
コーヒー豆の情報
- 名称:RIO
- 産地:ブラジル
- 精製:ナチュラル
- 販売店:生豆本舗
- 販売店URL:http://www.namamame.jp/