最近では、コーヒーメーカーにミルがついている場合もあり、豆の状態で購入したコーヒーでも、手軽に楽しめるようになりました。コーヒーは奥深いもので、挽き方一つで風味が大きく変わってきます。ここでは、コーヒーの挽き方「グラインド」についてご紹介します。
グラインドとは
焙煎したコーヒー豆をミルで粉砕することを「グラインド」といいます。粉の大きさ(粒度)は濾過速度や風味に大きく影響してきます。一般的に、豆を挽く粒が細かいほど、表面積が増えてコーヒーの成分が多く抽出され、苦味が際立った味になります。
粗く挽くと軽いコーヒーに、細く挽くと濃いコーヒーに、より特徴が際立った味に仕上がります。
グラインドをする時の注意点
最近はご家庭でグラインドする方も多くなってきましたが、豆を挽く際は、細かい部分や粗い部分が混在するような「挽きムラ」を作らないようにします。挽いた後の粒の大きさが均一でないことにより、抽出にムラができ、本来の風味を十分に引き出すことが出来ないためです。
また、抽出する器具に合わせて、挽き方を変えることも忘れてはいけません。
コーヒーミルについて
グラインドをする器具をミルといい、手動で行なうもの、電動で行なうものにわかれています。その中でも、豆を粉砕する歯の違いによって、カット式、グラインド式(臼歯式)、プロペラ式の3タイプに分けられます。
それぞれミルによって、挽き方の微調整や挽きムラの有無などの特徴があります。
各ミルの特徴
豆を粉砕するミルの歯によって、コーヒーの風味も違ってきます。ミルは、均一に挽けるものほど優秀です。
- カット式
カット式は、豆のカット面が奇麗に仕上がるため、旨みが出やすいというメリットがあります。細かくカットできる反面、微粉も出やすく、苦みやエグみも避けれられないというデメリットがあります。 - プロペラ式
歯の形状がプロペラのような形状のため、この名が付きました。コンパクトで持ち運び可能ですが、粉の形状を均一にすることはできません。コーヒーメーカーについているミルほとんどがプロペラ式です。 - グラインド式(臼歯式)
臼のような歯で豆を粉砕します。繊維やカット面もすりつぶしてしまうため、味が出にくいというデメリットがあるものの、手動式のものであれば摩擦熱が出にくく、均一で綺麗に挽くことが出来ます。また、安価で購入できるのも魅力の一つです。
挽き方の名称と大きさの目安
- 粗挽き:大きいザラメ糖程度
- 中挽き:小さいザラメ糖程度
- 中細挽き:中挽きと細挽きの中間程度
- 細引き:グラニュー糖程度
- 極細引き:上白糖程度
豆の挽き方と抽出方法
- 粗挽きに適した抽出方法:ネルドリップ・フレンチプレス
- 中挽きに適した抽出方法:コーヒーメーカー
- 中細挽きに適した抽出方法:ペーパードリップ
- 細挽き:サイフォン・ウォータードリップ
- 極細挽き:エスプレッソ
焙煎豆(煎り豆)とは
コーヒー豆は、産地によって酸味、苦味、甘み、コクなどそれぞれに個性があります。生豆本来の個性を上手に引き出しながら、味や香りを仕上げるのがロースト(焙煎)です。焙煎によってコーヒーの味は変わってきます。
一般的に、焙煎の時間が長いほど甘さと苦さが生かされ、短ければ酸味が生かされます。カフェインの含有量は、焙煎時間が長いと少なくなります。
各煎り度合いと特徴
- 浅煎り「シナモンロースト」コクや苦味がやわらかい。アメリカンコーヒーなどに。
- 中煎り「ミディアムロースト」酸味、苦味、口当たりもソフト。
- 中深煎り「ハイロースト」香り、色、味のバランスが良い。
- 深煎り「シテイロースト」酸味が抑えられ、苦味が強くなる。アイスコーヒーなどに。
- 極深入り「イタリアンロースト」豆の色が黒くなるくらい煎る。強い苦味が特徴、エスプレッソなどに。
この他、ライトロースト、フレンチロースト等、全部で8段階に分けることができます。
コーヒーの挽き方「グラインド」まとめ
コーヒーは、煎り具合や粉の大きさによって風味が変わってきます。グラインドするミルにも様々な特徴がありますが、一貫して言えるのが「挽き目がが均一になりやすい」「安価」という点です。好みのコーヒーを飲むため、豆の煎り方や挽き方もこだわってみるといいかもしれませんね。