ここではハリオV60ドリッパーを用いた、コーヒーの淹れ方と淹れるときのポイントを中心にお話しさせていただきます。多くの書籍では淹れ方のみにフォーカスしていることが多いですが、ここでは淹れる前から淹れた後まで全ての工程に関して書いているので参考にしてもらえれば幸いです。
またV60ドリッパーの選び方などについては読みたい方は、別途記事がありますのでそちらをご参照ください。
ハリオV60ドリッパーの特徴と選び方
ドリッパーを用意しよう
まず抽出に必要なものと、あると良いものを挙げているので、ご確認ください。
必要なもの
- ドリップケトル
- V60ドリッパー
- ペーパーフィルター
※円錐形でドリッパーの大きさと一致するものを準備してください! - コーヒーサーバー
- 出涸らし用の器(コップでも良い)
- コーヒー粉
あると良いもの
- 温度計
※お湯の温度を正確に測ると毎回ブレの少ないコーヒーになります。 - キッチンスケール
※メジャースプーンよりコーヒー粉の量を正確に測れます。
抽出前の準備
ドリッパーの水気を拭き取る
紙をセットする前に、まずはドリッパーが濡れていないか確認してください。濡れていると紙とドリッパーがくっ付いてしまい空気がうまく抜けなくなってしまいます。濡れている場合、乾いた布巾で水気をしっかり拭き取ってください。
紙を折ってセットする
水気がないことを確認したら紙をセットしましょう。画像のように紙の縫い目のある側を必ず折ってください。折ることで縫い目が破れてコーヒー粉が流出することを防ぐことができます。
紙をセットしたらコーヒー粉をいれて準備完了です。
蒸らし
蒸らしというのはドリップする上で絶対必要な手順です。運動前の準備体操、あるいは料理の下ごしらえと捉えると良いかもしれません。蒸らしは数ある手順の中で最も重要なのですが、最も技術の要する手順でもあります。
どれくらい蒸らすのか?
蒸らしでは「粉全体に行きわたる程度」や「数滴落ちる程度」と書かれてありますが、実際どのくらいなのでしょうか。
では上の画像と、もう一つ上の見出しの画像を見てください。蒸らしの理想は、画像のようにムラなくお湯が掛かっている状態です。上から見ても側面から見ても、ムラなく濡れていると良いと言えます。
お湯の量に注意!
ムラなくお湯をかけることは重要ですが、お湯のかけすぎには注意してください。お湯の注ぐ量はドリッパーから数滴ポタポタ落ちる程度が最大です。ドリッパーから流れるように落ちるようであれば、それはお湯の掛けすぎです。
お湯の量は蒸らしの肝ですので、できれば蒸らしのお湯を注ぐ前に他の容器に試しに注いでみて、注ぎ具合を調整してください。
抽出しよう
お湯の落とし方
抽出する時はまず真ん中にお湯を落とし、そこから周囲にコーヒー粉を広げていくように渦巻き状にお湯を注いでいきます。
この時に注意しなくてはいけない点が、ドリッパーの縁(フィルターと粉の境目)に直接お湯が掛からないようにすることです。これが出来るだけでコーヒーの味はかなり良くなります。
またお湯は人数分に達するまで注ぎ続け、お湯の水位はコーヒー粉の高さとほぼ同じくらいに保つように気を付けてください。
ムラなく満遍なく注ごう
お湯を注いだ箇所は画像のように、周囲より淡い色の泡が出ます。この泡が色ムラの無いキレイな円形で、なおかつドリッパーの縁に接していなければ上手く抽出できている証拠です。
- 淡い泡がキレイな円形ではない
- 色にムラがある
もし以上の項目に当てはまる時は、色の濃い部分はお湯がかかっておらず、抽出にムラがあるということです。満遍なく、そしてバランスよくお湯を注いでいきましょう。
人数分に達したら“即座に”外す
その後、人数分を抽出するまで注ぎ続け、人数分に達したらドリッパーにお湯が残っていても即座にコーヒーサーバーから外します。ドリッパーに残っているお湯(出涸らし)は雑味を含むため、最後まで抽出すると折角のコーヒーが台無しになるので気を付けてください。
捨てるときは気を付けて!
コーヒー滓を捨てるときには、必ず気を付けるべき点があります。それは捨てるときに画像のようにドリッパーごとゴミ捨てに持って行って捨てるということです。
紙だけをドリッパーから持ち上げて捨てる方が多く見られますが、それは危険です!
抽出後のドリッパーは、紙が濡れていて破けやすく、円錐形のために出涸らしの重みが先端部に一極集中します。そのため先端部が破けて出涸らしが床に散らばることがあります。周囲が汚れる上に抽出直後だと火傷の恐れがあるため、くれぐれも気を付けてください。
ハリオV60ドリッパーの淹れ方とポイント まとめ
抽出前に気をつけること
- ドリッパーの水気は拭き取る
- フィルターの縫い目を折る
蒸らしで気をつけること
- ムラなく蒸らす
- お湯の量に注意
※多くても数滴落ちる程度まで
抽出で気をつけること
- ドリッパーの縁(紙と粉の境目)にお湯を掛けない。
- お湯の水位をコーヒー粉より低くしない。
- 縁を除く部分に満遍なく注ぐ。
- 人数分に達したら、即座にサーバーから外す
抽出後に気をつけること
- 捨てるときは紙だけを持ち上げず、ドリッパーごと持ち上げる
以上の事に気を付けるだけで、V60ドリッパーを上手く扱うことが出来ます。HARIOは数あるドリッパーの中でも汎用性が高く扱いやすいドリッパーです。多くの注意点をお話ししましたが、慣れてしまえば全て簡単なことです。
自宅で、V60ドリッパーで、美味しいコーヒーを飲んでみてはいかがですか?