セブンカフェは「手軽ですぐ飲めて本格的」をコンセプトに、2013年1月よりセブンイレブンで販売している、セルフ式のドリップコーヒーのことです。すべてのデザインを佐藤可士和氏が担当し、マシンやカップなどを黒と白のデザインに統一しています。
カフェとして上質な時間を提供したいという想いから「セブンカフェ」という名前が生まれました。
セブンカフェの特徴
セブンカフェで飲めるコーヒーは「おいしく飲みやすい本格派コーヒー」をコンセプトに2年かけて商品開発されたこだわりのコーヒーです。
味へのこだわり
コーヒー豆の仕入れ先は厳密に吟味されており、調達する豆は、各国の最高グレードに限定し、100%アラビカ種を使用しています。
生豆の精製方法は、ウォッシュド方式(果肉や果皮を除去し水につけて発酵させる)を採用していて、この方法で未熟豆などを取りのぞくことによって、雑味のないクリーンなコーヒーになります。
ダブル焙煎を採用している
仕入れた豆の内、4種の豆をブレンドしていますが、2種類は香り、2種類は味に特徴がある豆が選ばれています。また、香りの豆は浅めに、味の豆は深めに焙煎するという、ダブル焙煎を採用しました。
そして、焙煎した豆は、劣化を防ぐために10度以下に保たれ配送されています。
新型コーヒーマシンと抽出方法
コーヒーマシンは、誰でも操作しやすい機能をデザインし、1年かけて小型の新型コーヒーマシンを開発しました。コーヒーは1杯ごとに豆を挽いてドリップされます。注文ボタンを押してからコーヒー豆を挽き、蒸らしから抽出までを45秒で終了します。
また、軟水フィルターを採用し、全国で水の品質をそろえ、味のバラつきがでないための対策をしています。
充実のアメニティー
コーヒーを入れる紙コップは、持ちやすさ・保温性が追求されたものを新たに開発しました。また、アイスコーヒーに入れる氷にもこだわっています。
製氷会社と協力し、溶けにくく雑味の少ない氷を追求し、24時間かけて不純物が少ない透明な氷を製氷するようにしました。
また、ミルクやシュガーなどのデザインは、セブンイレブンで購入出来るスイーツなどのパッケージデザインのに統一性を持たせ、高級感を演出しています。
セブンカフェの歴史
セブンカフェは、現在の販売方法で成功するまで、4度に渡る挑戦と失敗がありました。次に、セブンイレブンが紆余曲折し、経てきたコーヒー販売の歴史を見ていきましょう。
試行錯誤の時期(1980年代)
サイフォン式による手間
1回目の挑戦は1980年代前半でした。当時の提供方法は、コーヒーサイフォンでコーヒーを作り、注文のたびに小分けし提供する方法でした。
味と香りを保つため、1時間ごとに作り替えるルールを定めていましたが、マニュアル通りに実行することが難しかった例も多くあり、酸化や時間が経つと劣化してしまうため、定着しませんでした。
ドリップ式への変遷
2回目の挑戦は1988年。注文を受けてからその場で1杯ずつ作るドリップ方式に切り替えました。しかしこの方法は、ヒーターの上にポットを長時間置くことにより生じる、独特のにおいが店内に漂ってしまうという欠点があり、この方法も断念せざるを得ませんでした。
試行錯誤の時期-1990年代
粉末では風味が損なわれてしまう
3回目の挑戦は1990年代、カートリッジ方式に切り替えました。店内に充満するにおいの問題は解決できましたが、コーヒーを粉末状にしたことにより、肝心の風味が損われてしまいました。
バリスターズカフェ
4回目の挑戦は2000年代です。この頃、エスプレッソやカフェラテが大人気になっていました。そこでセブンイレブンでは「バリスターズカフェ」を展開します。
2002年に数店舗に、セルフ式のエスプレッソを提供します。しかし、エスプレッソが万人受けではなかったことから、それ以上の展開はできませんでした。
こうして、5度目の挑戦となったのが、現在のセブンカフェの誕生につながったのです。
セブンカフェの特徴まとめ
セブンカフェは、2014年10月にさらにリニューアルされています。コーヒー豆の配合と焙煎を変えることにより、より華やかな香りと深いコク、スッキリとした後味がたのしめるようになりました。
セブンカフェのコンビニエンスストアでの本格的なコーヒーの提供では、先駆け的な存在です。現在の地位を気づくまでには長い道のりがあり、大変な企業努力があったのです。