2015年秋に始まり3回目となるCOFFEE COLLECTION around KANDA NISHIKI-CHO。
今回も10月29日、30日の2日間に参加してきました。
基本コンセプトは前回と同じですが、回を重ねる毎に少しずつ新しい取り組みも見られました。
COFFEE COLLECTION around KANDA NISHIKI-CHO 2016 AUTUMN 概要
2日間でそれぞれ5店舗が、抽出器具を統一し、同じ条件の下でコーヒーを淹れます。
各店舗の豆の違い、バリスタの個性を楽しめるイベントです。
3回目となる今回のテーマは「世界のコーヒー」。アメリカ、ヨーロッパ、日本と世界各国の厳選されたコーヒーを一杯ずつ丁寧にドリップ。コーヒーに興味を持つキッカケとして、またコーヒーの奥深さを再確認できるイベントです。
使用するのはHARIOの円錐型ドリッパーV60。コーヒーは味を楽しむのは勿論、淹れるところを見るのも楽しみの一つ。挽きたてのコーヒー豆をセットし、ケトルから注がれるお湯が豆を膨らまし、華やかな香りが広がります。
5 CUPS COFFEE & 3 BEAN TO BAR CHOCOLATE
それぞれのお店の味の違いを気軽に知れる飲み比べはコーヒーイベントの目玉の一つ。
今回は参加する5店舗のコーヒーに加えて、Bean to Bar Chocolate専門店「Minimal」のチョコレート3種類が付いた特別セットもありました。
ここ1,2年でよく耳にするようになったBean to Barとは、カカオ豆の仕入れから選別、チョコレートの製造に至るまでを自社で一貫して行うこと。これはスペシャルティコーヒー専門店、自家焙煎コーヒー店と考え方が非常に近く、今回のイベントと親和性もあります。
Minimalのチョコレートは噛むほどに香りの高さ、深い味わいが楽しめ、コーヒーとの相性も非常に良いです。
チョコレート付きの飲み比べチケットは事前に完売。当日もイベントが開始する前から既に列を作っていました。
PHOTO EXHIBITION COFFEE COLLECTION × CafeSnap
今回は写真展も開催されました。「個性光るカフェ」の魅力を届ける、写真共有型カフェアプリCafeSnapとのコラボ企画で、「空気」をテーマに審査を経て選出された作品が会場内に展示されました。
お店の外観・内装、バリスタがコーヒーを淹れる仕草やラテアートなど、カフェには被写体となるものが多く詰まっていて、写真を撮りたい欲が駆り立てられます。
イベントの会場を見渡すと、カメラを持った方を沢山目にしました。
10月29日(土)に出店されたお店
Paul Bassett
オーストラリア人初・バリスタ世界チャンピオン、ポールバセット氏によるエスプレッソカフェで、コーヒーブームの先駆け的存在です。
イベントではコロンビア ウィラAAA。コロンビアというとコクが強めのワイルドな味、という先入観がありましたが、実際飲んでみると華やかで果実味があり、自分の考えるコロンビアのイメージが良い意味で覆りました。
COUNTERPART COFFEE GALLERY
GLITCH COFFEE&ROASTERSの2店舗目として西新宿5丁目にオープン。GLITCHの特徴を取り入れつつも独自の展開も見せる注目のコーヒー店です。
今回のイベントで使用したエチオピア・ゲデブ・ナチュラルは、ストロベリーと形容される甘みとジューシーさを兼ね備えたフレーバーが特徴。そのフルーティさに虜になる方も多い人気のコーヒーです。
TRUNK COFFEE
デンマークで活躍したバリスタが名古屋にオープンしたスペシャルティコーヒー専門店。東京でのコーヒーイベントでは毎回人気で、今回も多くの人で賑わっていました。
ケニアのカングヌを使用し、瑞々しい果実を連想されるフレッシュさと酸味、それでいて飲み応えもしっかりと感じられるコク深い味わいでした。
Elska+heart coffee
ポートランドの人気コーヒー店heart coffee roastersが初出店。Elska+heartは栃木・宇都宮に店舗を構えています。エチオピア・ウォレカは瑞々しいピーチのようなジューシーさ。フレーバーティを飲んでいるかの様な華やかさと香りが印象的でした。
Single O japan
オーストラリア・シドニー発、現在は両国に焙煎所を構え、実店舗がないSingle O japanですが、ここ1年で提供するお店は加速度的に増えています。取り扱うコーヒー豆の産地も珍しいものが多く、今回もタンザニアのマサングラを使用していました。
柑橘系の酸味でキュッと引き締まった味で飲み応えのある一杯でした。
10月30日(日)に出店されたお店
2日目は雨こそ降らなかったものの、前日より7℃近く気温が下がり、一気に冬到来という感じでした。逆に温かいコーヒーがより美味しく感じられましたが。
GLITCH COFFEE & ROASTERS
都内のコーヒーイベントでもお馴染みの神保町の人気店です。個人的に最も楽しみにしていたパナマ・エスメラルダ・ゲイシャが登場しました。テイストはジャスミンやエルダーフラワーを彷彿させる、酸味やコクが凄く尖っているわけではないのですが、非常に繊細で高貴な味わいで、まさに珠玉の一杯という感じでした。
4/4 Seasons Coffee
10月にちょうど1周年を迎えた新宿御苑にあるコーヒーショップ。シェアロースターで焙煎したオリジナルの豆も取り扱っていますが、今回のイベントではドイツ・ベルリンの「FIVE ELEPHANT」のケニアを使用していました。
一口でわかるフルーツトマトのような明るい酸味は、2日目に出店していたお店の中で最も特徴が判りやすく、こちらの一杯でコーヒーに対するイメージが変わった方もいらっしゃるかも知れません。
Bar Zingaro
現代アートの雄、村上隆氏が代表を務めるKaikai kikiが手がけた中野ブロードウェイ内にあるカフェ・Bar Zingaro。ノルウェー・オスロの「Tim Wendelboe」のコーヒーを東京で唯一楽しめるお店です。
イベントに登場した豆はエチオピアのナノ チャラ。エチオピア特有の果実味を感じつつも飲み終わりはスッキリとしてバランスが良かったです。
VERVE COFFEE ROASTERS
アメリカ・カリフォルニア州で人気のコーヒー店。現在は新宿NEWoMan内に店舗を構えています。イベントで提供されていた豆はエチオピア・ユクロ。フルーティながら酸味は抑えめ、豆の甘みが凝縮された非常に飲みやすいコーヒーでした。
FUGLEN TOKYO
代々木公園にある人気コーヒーショップ軒バー。エチオピア・チェレレクトゥは柑橘系の果実を彷彿される明るい酸味が口に広がる浅煎りのコーヒーの王道の様な味わい。代々木公園の店舗は連日多くの人で賑わっていますが、FUGLEN TOKYOのコーヒーを楽しめるお店も都内に徐々に増えています。
最後に
神保町全体が1年で最も盛り上がる時期で、神保町ブックフェスティバル、スポーツ祭り、カレーフェスタなど、個性豊かなイベントが周辺で開かれていました。
コーヒーコレクションのイベント内では活版印刷・活版名刺の「紙成屋」さんのブースもありました。
レトロな印刷機が逆に新鮮で、興味深く見る方が多くいらっしゃいました。デジタルが普及する世の中だからこそ、アナログの温かみが感じられます。
そう考えると、コーヒーも一緒で、ボタンひとつでコーヒーが飲める時代に何故ハンドドリップなのか。待っている間のコミュニケーションや丁寧に淹れる人の心が通った一杯は、最終的には味に出てくるのだと思います。
機械や技術が発達しても、人間が淹れることの大切さは消えることは無いのかも知れません。そういったことを改めて確認することができるイベントだな、と引き続き次回開催も楽しみにしながら会場を後にしました。