コーヒーを世界で初めて飲み始めたのは、アラビア地方の人々です。彼らはコーヒーを薬として飲んでいました。
コーヒー豆には数千種類の成分がふくまれており、様々な効果が期待されています。コーヒーの成分と美味しさの関係について見ていきましょう。
美味しいコーヒーとは
美味しいコーヒーと聞いて、どんなイメージを浮かべますか。まろやかな風味のコーヒー、パンチの効いたストロング系のコーヒーなどなど、美味しいと言われるコーヒーはたくさんあります。人それぞれ味覚の違い、好みによりかわってくる部分もあるでしょう。
コーヒーは、奥の深い嗜好品なので、ひとつの要素や環境だけで美味しさが作られるわけではありません。豆の産地・収穫時期・焙煎方法、保存方法そしてコーヒーそのものの要素・成分として「味」「香り」「香味(フレーバー)」でも味は変わってきます。
コーヒーには「苦味、酸味、甘味、雑味」のもととなる成分がふくまれています。それぞれが、その味だけで働くと時に不快と思える味になりかねないのですが、いくつかの味の組み合わせ・絶妙のバランスで美味しいと思えるコーヒーが出来上がるのです。
それでは、成分についてもう少し詳しくまとめてみたいと思います。
苦味成分
- カフェイン
- トリゴネリ
- クロロゲン酸類
- ジケトピペラジン類
- フルフリル化合物
- 褐色色素群
- 苦味物質としての有機酸類
焙煎方法により苦味が強くなったり、弱くなったりと変化をしていきます。
酸味成分
- クロロゲン酸類
- カリウム塩
焙煎時に、加熱による酸化反応がおきて、コーヒー中には新たに有機酸が生成され、これがコーヒーの酸味の元、すなわち酸味物質として働きます。
甘味成分
- 低分子糖類(ショ糖など)
焙煎することで、そのほとんどが消失されてしまいます。特に、アラビカ種にはショ糖がたくさん含まれ、焙煎により酸味物質を大量に作るので、酸味豊かなものとなっていきます。
雑味成分
- ビニルカテコールオリゴマー類
- キナ酸ラクトン
- クロロゲン酸類
苦味・酸味・甘味は、コーヒーにとっては不快な味には分類されません。これらの「良い味」成分が抽出され「良くない味」の元になる成分も存在します。これらを「雑味」といいます。
コーヒーの成分と美味しさの関係性まとめ
苦味・酸味・甘味・雑味が、複雑にからみあい美味しいコーヒーができているのです。さらに、風味、舌触り、温度など。コーヒーをおいしくする成分は、ただひとつの要素だけで形成されているものではありません。そのため、コーヒーの味は無限の組み合わせがあり、たくさんの愛好家たちが日々研鑽を重ね、おいしいコーヒーを探し求めているのです。
わからないなりに自分好みのおいしいコーヒーを探してみる、というのもひとつの方法です。